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Epic Gamesのボスが「Steamは手数料が高すぎて『原神』など基本プレイ無料ゲームを取り逃がして損してる」と主張も、ツッコミ相次ぐ。Steamにも割と出てる
Tim Sweeney氏は7月1日、Steamの手数料が高いことが、複数メーカーの基本プレイ無料タイトルがSteamに参入しない理由になっているとの見解をXに投稿した。

Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は7月1日、Steamの手数料が高いことが、複数メーカーの基本プレイ無料タイトルがSteamに参入しない理由になっているとの見解をXに投稿。これに対して、一部のユーザーからは同氏の考えを疑問視する反応も上がっている。
ゲーム販売プラットフォームでは、ゲームの購入やゲーム内課金での収益に対して一定の手数料を設けている。たとえばEpic Gamesストアでは、タイトルごとに年間収益が100万ドルに達するまでは手数料がかからず、それを超えた後は12%の手数料を適用される。一方で、Steamでは30%を基本の手数料とし、1000万ドルを超えた分については25%、5000万ドルを超えた分については20%とするなど、売上規模に応じて手数料を軽減する方針をとっている。またMicrosoft StoreではコンソールではSteamと同じ30%が設定されているが、PCゲームについては2021年頃より12%へと引き下げられている。
Sweeney氏は投稿の中で、Steamが高い手数料を徴収していることにより、強力なブランドや多くのユーザーを抱えるメーカーは独自展開したほうが収益を出しやすいと考えていると主張。このなかではEpic Gamesのほか、Riot Games、miHoYoといった人気ライブサービスゲームを展開しているメーカーの名前が例示された。そして手数料を下げてよりオープンにすることで(こうしたメーカーが積極的にゲームを展開し)、Steamはむしろより多くの収益を上げることができるだろうとSweeney氏は主張している。
そんなSweeney氏は直近でも同様の主張をおこなっていた。同氏は6月17日に米国シカゴで開催された基調講演「State of Unreal 2026」にて登壇。近年存在感を増すRobloxなどのクローズドなプラットフォームの台頭を受けて、すべてのゲーム開発者が参加するグローバルなエコシステムを構築することの重要さを説いた。そして、ゲーム会社が一体となった「Team Open」を結成する姿勢を示していた。
その後Sweeney氏は、海外メディアPC Gamerが実施したインタビューにて、Steamを運営するValveがTeam Openに参加する可能性はあるかと問われ、もちろんあると回答。その上で、Epic Gamesが手がける『フォートナイト』のほか、Riot Gamesタイトルや『原神』などの人気のゲームの多くがSteamでは配信されていないことを説明し、オープンな視点が欠けていることによりValveは多くの機会を逃しているとの見解を示していた。
なお、Sweeney氏率いるEpic Gamesは、手数料や決済手段を巡って、ゲーム販売プラットフォームと激しく対立してきたことでも知られる。2020年には、モバイル版『フォートナイト』でApp StoreおよびGoogle Playストアの手数料を避けるために独自の決済手段を実装したことが規約違反行為であるとみなされ、各アプリストアから削除。その後AppleやGoogleとの訴訟を経て、ようやくモバイル版『フォートナイト』の配信再開や、モバイル版Epic Gamesストアの展開などがおこなわれていた(関連記事)。

なお日本でも「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」、いわゆるスマホ新法の施行を受けて、モバイル版Epic Gamesストアの国内展開が決まった。ただAppleはApp Store上のアプリで代替決済を用いた場合に21%、アプリ外決済には15%の手数料を設定。また代替ストアで配信されるアプリについても、5%の手数料を課すことを定め、Sweeney氏はAppleの対応を痛烈に批判していた(関連記事)。
一連の係争においてSweeney氏は30%という基本手数料を法外であるといった批判をたびたび展開してきた。こうした背景もあって、同じく30%の基本手数料を設けているSteamの姿勢に対して改めて懸念を表明したかたちだ。ただ今回のSweeney氏の投稿に対しては、一部のユーザーからの批判も見受けられる。特に今年3月に発表されたEpic Gamesでの1000名以上を対象としたレイオフを引き合いに出すユーザーは多く、Epic Gamesのビジネスモデルの持続可能性を疑問視する反応も上がっている(関連記事)。なおEpic GamesはEpic Gamesストアの運営だけでなくUnreal Engineの開発や、『フォートナイト』の開発・運営も手がけており、3月のレイオフでは『フォートナイト』のエンゲージメント低下が原因として説明されていた点には留意したい。
いずれにせよ、Sweeney氏が唱える「手数料のせいで人気ライブサービスゲームがSteamに展開されず、結果的にSteamの収益を損なっている」との主張には疑問符もつく。というのも、同氏が例示したmiHoYo作品については、先日には『ゼンレスゾーンゼロ』がSteamで配信開始されたばかり。またKuro Gamesが手がける『鳴潮』が2025年にリリースされているほか、今年7月8日にはPerfect World Gamesより『NTE: Neverness to Everness』のSteam版が配信予定だ。『原神』など一部作品は依然としてSteamでは展開されていないものの、近年ではSteamのユーザーベースの増加もあってか、人気ライブサービスゲームも次々とSteamへの展開を進めている状況がある。手数料が人気ライブサービスゲームの参入を妨げている可能性はゼロではないものの、撤廃することが必ずしも収益向上に繋がるとは限らないだろう。
なおEpic Gamesが2027年末の早期アクセス開始を目指しているUnreal Engine 6では、Unreal Engine 5とUnreal Editor For Fortniteを統合し、タイトルやエコシステムなどを跨いでコンテンツや経済圏の相互運用が可能となることがアピールされている。同氏が講演で提唱した「Team Open」がどのようなかたちで実現するのか、またValveがその枠組みに加わることになるのか。“手数料”を巡ってたびたびSteamを公に批判してきたSweeney氏とValveが手を組む未来が来るのか、注目したい。
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