マーベルのチームシューター『Marvel Rivals』招待制テストにて「作品へのネガティブ発言禁止」規約が盛り込まれ物議醸す。開発元は謝罪し撤回

 

NetEase Gamesは海外時間5月10日、『Marvel Rivals』のクローズドアルファテストを開始した。同テストには実況配信者など一部コンテンツクリエイターも招待されたが、参加規約として「本作の評判を傷つける発言をしない」ことへの同意が求められたとし、同社への批判の声が上がっている。海外メディアEurogamerなどが報じている。

本作は、MARVEL Gamesとのコラボで制作されているPvPチームシューティングゲームだ。マーベルのスーパーヒーローやヴィランたちがプレイアブルキャラクターとして登場し、6対6のバトルを繰り広げる。


『Marvel Rivals』では、「アベンジャーズ」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「X-MEN」などのマーベル作品から、ブラックパンサーやスパイダーマン、マグニートー、マジックなどのスーパーヒーローやヴィランたちが参戦。同じくマーベルマルチバースをモチーフにしたマップを舞台に、それぞれの能力を駆使して6対6のチーム戦を楽しめる。

本作には、キャラクターの組み合わせによるシナジー効果が存在。たとえば、ロケット・ラクーンとしてグルートに乗って戦ったり、ハルクとしてガンマ線を使いアイアンマンのスーツにエネルギーチャージしたり。そうしたチームワークスキルを戦略的に発動させることで、ゲームを有利に進めることができるという。このほか、マップには環境破壊要素が導入され、スーパーパワーを使ってマップを変化させることが可能となる。

本作は、PC(Steam/Epic Gamesストア)向けに開発中で、配信時期は未定。まずは、コンテンツクリエイターを含む事前登録者の一部を招待してのクローズドアルファテストが、海外時間5月10日より開始された。


そのクローズドアルファテストには、本作のクリエイタープログラムに登録したクリエイターが一部招待された模様。参加にあたっては秘密保持契約の締結は不要とされ、YouTubeなどではゲームプレイの様子がすでに数多く投稿されている。一方で、クリエイターのBrandon Larned氏によると、参加者は本作の機能やキャラクター、楽曲などのコンテンツに関して、評判を傷つけるような発言を公におこなわないこと、あるいはそうした議論に参加しないことについて、同意することが求められたという。

Larned氏の投稿は、本稿執筆時点で3200回以上リポストされ、500件以上のコメントが投稿。本作についてのネガティブな発信を禁ずると受け取れる規約内容に、NetEase Gamesに対する批判の声が殺到した。

本作はまだアルファ段階であるため、作り込み不足の要素がまだ多く存在するものと想像される。NetEase Gamesとしては、そうした部分を強調して発信され、発売を前に本作のイメージに傷がつくことを恐れたのかもしれない。とはいえ、クローズドアルファテストの実施は、そうした問題点を洗い出すことが目的のひとつのはず。また実況配信において、視聴者からも明らかな問題があった場合にクリエイターが口をつぐまざるを得ないとなると、そのクリエイターの信用にもかかわるだろう。


そうした批判の声を受けて、NetEase Gamesは後日問題の規約を撤回した。海外メディアEurogamerなどに寄せられた同社の声明によると、同規約は『Marvel Rivals』に興味をもつクリエイターたちと長期的な取り組みをおこなうことを目的として作成されたものであるが、草稿段階のものが公開されたのだという。そして、開発チームは批判的な意見を含め、有意義なフィードバックや提案をより多く必要としているとした。また、本作の公式Discordサーバーにおいて同社は、問題の規約の文言は不適切であり誤解を招く内容であったと認め謝罪した。

草稿段階とはいえ、不適切であると認識している規約内容が盛り込まれた経緯ははっきりしない。ともあれ、クリエイターらが声をあげたことで懸念は払拭されることとなった。クローズドアルファテストは海外時間5月20日まで実施される。

『Marvel Rivals』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)向けに開発中。配信時期は未定だ。