スクウェア・エニックスは『ファイナルファンタジーVII リバース』発売に際して、公式サイトに主要コメントを掲載。それが海外向けに発信され、「大変だった感がすごい」と注目されている。Eurogamerなどが報じている。
『ファイナルファンタジーVII リバース』は、PS向けの『ファイナルファンタジーVII』のリメイク三部作の二作目だ。対応プラットフォームはPS5。グラフィックは最新技術を用いたフル3Dになり、ターンベースだった戦闘はアクションベースに変化。前作『ファイナルファンタジーVII リメイク』ではミッドガル脱出を果たすまでの物語が描かれた。第二作目である『ファイナルファンタジーVII リバース』では、ミッドガル脱出からのクライマックスに向かう旅が展開。自由な探索をコンセプトに、広大なワールドマップの中でセフィロスの影を追っていくことになる。
『ファイナルファンタジーVII リバース』公式サイトでは、『ファイナルファンタジーVII リメイク』の時と同様に、主要スタッフのコメントが掲載されている。それがスクウェア・エニックスの英語向け公式ブログにも掲載。その中で、スタッフそれぞれのコメントに「大変」といったワードが見られることが注目を集めているようだ。
たとえばバトルディレクターの遠藤皓貴氏は「正直最初に物量を目にしたときに期間内に本当に仕上げられるか不安になることもありました」とコメント。この文はチーム全員の頑張りで結果的に完成させることができたと続くものの、大変そうな開発の様子が伝わる。環境ディレクターの三宅貴子氏は「開発はとても大変でした」とコメント。こちらも「それに見合った手応えを感じた」と続くものの、やはり大変だったようである。
アニメーションディレクターの相馬文志氏は「開発していた感覚としては、特に後半の1年半はゲーム制作以外の記憶がないくらいあっという間でした」と語っている。リードUIアーティストのHsueh Huei Liao氏は、「クリエイターとしては楽しかった一方、物量がかなり大変でした」と言及している。多くのスタッフがコメント寄せているものの、4人ものスタッフが大変だったとコメントするのは興味深い。
Eurogamerはこうした開発者コメントを引用し、「主要スタッフは期限内に開発終える自信がなかった」「みんな大変そうだった」といった風にまとめている。記事については、ユーザーらも反応。同誌コメント欄では「大変なのは納得」「いい仕事をした」「それはそう」といったコメントを寄せている。大変さがうかがえる開発者コメントを受けて、ユーザーもある種納得しているようだ。
ゲーム開発、ましてや大規模ゲーム開発は“大変ではない”ことの方が珍しい。いずれのプロジェクトにおいても、それぞれのスタッフは血のにじむ想いで開発に挑み、なんとか完成というゴールにたどり着いているだろう。開発が大変だったというのは、『ファイナルファンタジーVII リバース』に限った話ではない。
一方で、主要開発者のコメントが並んでいる中で、正直に「大変だった」とこぼすスタッフが複数いるのは興味深い。そして実際にゲーム自体の物量が狂気的であるがゆえに、ユーザーとしても納得しやすいのかもしれない。『ファイナルファンタジーVII リバース』はゲームのボリューム自体も多く、How Long to Beatによればメインクエストとサイドクエストをこなしてクリアするには70時間必要とされている。またオリジナル版にあった各ミニゲームは“AAA級に”再創造。凝った小物や環境アートも多く、「アートアセットの分量がとにかく多い」ことも特徴。エリアによって景観が様変わりし、刺激が多く、物量が多い。ゲームをプレイすれば、「大変でした」とこぼす開発者に対して「そうでしたよね」とつい言いたくなるのかもしれない。
巨大プロジェクトであったことがわかるがゆえに、こうした開発プロセスにおいて、どのセクションのスタッフが、どのような工夫をしたのかも気になるところ。「期間内に仕上げられるかわからない」と考えたのち、結果的に仕上げたのならなおさらである。今年開催されるGDCやCEDECなどで、その工夫が明かされることに期待したい。
『ファイナルファンタジーVII リバース』は、PS5向けに発売中だ。