ゲーム開発向けサウンドミドルウェア「CRI ADX」にヤマハの立体音響技術「Sound xR」が標準搭載。プラットフォーム問わず高品質な立体音響を実現しやすく

 

株式会社CRI・ミドルウェアは2月9日、ゲーム向けサウンドミドルウェア「CRI ADX」に、ヤマハ株式会社が提供する仮想立体音響ソリューション「Sound xR」を標準搭載することを発表した。このことで、さまざまな環境のゲームプレイヤーに対し、同一の立体音響を提供できるという。


CRI ADXは、音声データファイルを格納、再生するオーディオミドルウェアだ。CRI ADXを利用することで、ゲーム開発における多様なサウンド演出を手軽に実現できるとしている。またUnityやUnreal Engine 5などのゲーム開発環境に対応しており、マルチプラットフォームでの開発に最適なミドルウェアであると謳われている。

また本製品の特長として、サウンドデータを圧縮しつつ、複数音を同時再生してもCPU負荷が低いという点が挙げられる。48kHzのステレオ音楽を最大1/16まで圧縮することができ、MP3やAACなどと同等のレベルでありながら、それらよりCPUにかかる負荷が低いという。また人の声の品質を保つことが可能で、声優のボイスなどの再生に適しているといえる。


そんな本製品について、今回「Sound xR」が標準搭載されたかたち。Sound xRはヤマハによるイヤホン/ヘッドホン向けの仮想立体音響エンジンだ。このソフトウェアでは、イヤホンやヘッドホンにおいて、360度の方向の音を立体的に表現することができる。

立体音響では前後左右の音をリアルに再現することができるため、一人称視点で展開されるゲームや、特にVRゲームなどに適している。Sound xRは音に広がりを持たせることが可能になっており、イベントシーンなどでの高い臨場感が表現可能だという。

CRI ADXにSound xRが標準搭載されることで、マルチプラットフォームに対応することが可能となっている。プラットフォームごとに搭載されている立体音響機能と比較すると、Sound xR を用いた立体音響ではCRI ADX内での処理となるために、どのプラットフォームでも同じ聞こえ方になるという。そのため、クロスプラットフォームのゲームでも同等のサウンド体験が可能となる。さらにプラットフォームの処理能力に左右されずに、高品位な立体音響が提供できるようだ。

CRI・ミドルウェアとヤマハは、今回の取り組みを通じ、ゲーム領域での立体音響の標準化を目指すという。ゲームで立体音響を扱うことのハードルを下げ、サウンド体験の向上に貢献するとのこと。今回のSound xR標準搭載を皮切りに、引き続き技術連携をおこない、音声の体験向上を目指していくそうだ。