神選択メトロイドヴァニア『Noreya: カーリー対罪の神々』Steam上のタイトルが2文字だけ変更。“商標権攻撃”でストアページを消されたため

 

海外のインディーゲーム開発スタジオDreamirlは1月11日、アクションゲーム『Noreya: The Gold Project(Noreya: カーリー対罪の神々)』の“Steam上でのタイトル”を変更したことを発表した。変更後のタイトルは『Noseka: The Gold Project』となり、本稿執筆時点でSteamストアページにおける表記が変更されている。タイトル変更の背景には、ヨーロッパ地域で「Noreya」が商標権登録されていたことがあるようだ。


『Noreya: The Gold Project』は、探索型の2Dアクションゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)。プレイヤーは、本作の主人公となる戦士カリを操作し、黄金都市レミアを冒険する。そして、冒険の中でカリは2人の神と対面することになる。本作では、どちらの神に忠誠を誓うかによって、使えるスキルや進むマップが変化するシステムを採用。プレイヤーの選択によって、冒険していく世界が変化するわけである。

本作は2023年11月8日より早期アクセス配信を開始。その後、コミュニティの意見を聞きつつアップデートが重ねられていた。しかし昨年12月22日頃から、本作のSteamのストアページが確認できなくなっていた。Dreamirlによると、タイトルに使用されている「Noreya」という名称に対して商標権侵害に基づく異議申し立てがおこなわれたそうで、その影響でストアページが削除されたという。


Dreamirlは1月11日、本作のSteam上のタイトル変更を発表。Steamストアページ上でのタイトルは『Noseka: The Gold Project』に変更されることとなった。一方で、本作の公式サイトや公式SNS上でのタイトルは『Noreya: The Gold Project』のまま。Dreamirlは「Noreya」の名称について著作権と知的財産権を主張しているそうだ。しかしながら、この事務処理には時間がかかるため、その間の開発と販売のため、タイトルを変更することになったという。

なお、ストアページが閲覧不能となっていた期間は12月22日からであり「Steamウィンターセール」と重なっている(SteamDB)。今回の声明では本作をウィンターセールで販売できなかった点についての謝罪も綴られた。さらにタイトル変更の影響か、変更から30日間はセール販売ができないようで、開発元はこの点について対応策がないかValveに問い合わせているそうだ。また現在は次回のアップデートとなるパッチ0.7の準備が進められているとのこと。著作権トラブルに見舞われつつも、開発は進められているようだ。

ちなみにDreamirlによると、2023年の中頃にヨーロッパ地域において「Noreya」という名称を商標登録したという。欧州連合知的財産庁(EUIPO)のデータベースが検索できるeSearch Plusで「Noreya」について調べてみると、2023年5月23日にオーストリアのRichard Schleich氏という人物に商標権の審査申請がおこなわれている。産業向けソフトウェアや無線通信サービス、コンピューター向けハードウェア設計などといった商標として出願されたようである。その後、2023年9月6日に登録完了。

そして2023年12月31日、Dreamirlが「Noreya」の商標に対し、代理人を通して取り消しを申請していたことが確認できる。Dreamirlとしては「Noreya」の商標権取得は同スタジオへの攻撃目的ではないかと見ているそうで、名前を取り戻すために戦う構えであるようだ。開発の進捗と共に、こちらの動向も見守りたい。

*eSearch Plusにて確認できる、Dreamirlによる「Noreya」の商標権取り消し申請

『Noreya: The Gold Project』は、現時点では『Noseka: The Gold Project』としてPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。


何でも遊びますがメトロイドヴァニアとトレハン、ゲーム内の釣りが大好物。クリエイターやプレイヤーの人となりと、彼らが生み出す盛り上がりが大好きです。