『オーバーウォッチ2』シーズン9ではタンクとダメージに「自己回復」のパッシブ追加予定。単独行動やサポートヒーローのストレスを緩和させる狙い

 

Blizzard Entertainmentは1月12日、公式開発者ブログ「ディレクターの視点(Director’s Take)」にて『オーバーウォッチ2』の今後の調整予定を発表した。シーズン9ではタンクおよびダメージヒーローのパッシブアビリティとして「自己回復」能力が実装される予定だという。

「ディレクターの視点」は本作ディレクターAaron Keller氏により、さまざまな調整意図や今後の調整予定が明かされる開発者ブログだ。公式サイトのニュースページにて定期的に公開されている。


今回の「ディレクターの視点」ではまず、開発陣の現在の方針について明かされている。現在開発陣は、個人とチーム双方に焦点を置いたゲームプレイの改善に取り組み、コアなユーザーの需要に応えることを目指しているという。本作ではプレイヤー同士のチームワークが持ち味となる一方で、現状ではチームメンバーそれぞれが単独で動いているときにフラストレーションが溜まるバランスだと考えられているそうだ。そのためプレイヤーがチームプレイしやすくなるようにしつつ、単独行動時の苦痛を軽減する方針があるという。

こうした方針に基づき次回シーズン9では、タンクとダメージのヒーローに自己回復のパッシブアビリティが実装予定であると明かされた。サポートヒーローの自己回復のパッシブアビリティが調整されたものが適用されるとのことで、タンクとダメージの自己回復効果はサポートよりも少なめになるのかもしれない。この新パッシブアビリティにより、サポート以外のヒーローに生存のための選択肢を増やす狙いがあるという。またサポートヒーローのプレイヤーの「チームメイト全員を生かさなければいけない」といったプレッシャーの軽減も見込まれているそうだ。


またシーズン9では既存の仕組みであるグループ・リスポーンにも調整が加わる予定とのこと。現状でのグループ・リスポーンはライバル・プレイ以外のモードに導入中。チーム内で複数のプレイヤーが5秒以内に戦闘不能になった場合、同時にリスポーンできるようにそれぞれのリスポーン待ち時間が通常の10秒よりも短めあるいは長めになる仕組みだ。複数のプレイヤーが立て続けに戦闘不能になった場合に足並みをそろえて立て直しやすくなるシステムとなっている。

シーズン9ではグループ・リスポーンにより顕著な効果を発揮するような調整が加わるとのこと。同システムはシーズン7の実装時に「ライバル・プレイにも導入検討中」と伝えられており、調整が進んでいるわけだろう。

なおシーズン9ではこのほかにも大規模なバランス調整が実施される見込みだという。変更の多くは、戦闘中に突発的な大ダメージ(damage spikes)を受けることを減らす目的があるとのこと。またライバル・プレイには、昨年2023年11月のイベント「BrizzCon」に伝えられていた「マッチごとにランク進捗が変動する」といった変更が予定どおり導入されるそうだ。


そのほか今回の「ディレクターの視点」では、「Party Frames」なる仕組みが検討されていることも明かされた。各種イベントのPvEモードにて使用されているほかのプレイヤーの体力表示UIなどの、PvPモードへの導入が検討されているそうだ。

ほか、コアとなるゲームプレイ体験を向上させる方法も模索されているとのこと。今週末限定で開催されている新モード「クイック・プレイ: HACKED – クイッカー・プレイ」は、マッチメイキング時間や試合時間の短縮に向けた実験的な施策だという。同モードはペイロードの確保時間やリスポーン待ち時間が短縮されるなど、通常よりもテンポよく進むモードとなっている。こうした違いがプレイヤーの心理に与える影響がフィードバックに基づいて調査されるようだ。なおこうした実験的ゲームモードはシーズン8の後半にもう一度開催予定とのことである。

多岐にわたる調整・変更が加わるという『オーバーウォッチ2』のシーズン9。タンクおよびダメージヒーローへの自己回復能力などにより、戦略性は大きな変化を見せそうだ。またシーズン9以降の、将来的な調整もさまざま検討されているようである。なおゲーム内表記でのシーズン8の期間を見るに、今シーズンは日本時間2月14日までとなる見込み。通例どおりであれば、シーズン9は同日未明の開幕となるだろう。

オーバーウォッチ2』はPC(Battle.net/Steam)/PS4/PS5/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料で配信中。