『No Man’s Sky』開発者、新作を“地球規模オープンワールド”とアピールし「大げさな約束をするなよ」とファンに茶化される。『サイバーパンク2077』公式が慰める

 

デベロッパーのHello Gamesは12月8日、『Light No Fire』を発表した。本作は、地球サイズの惑星がオープンワールドとして丸ごと構築され、マルチプレイにて楽しめる作品だという。非常に壮大なコンセプトが示されたことで、誇大広告ではないかと“茶化す”ファンが現れ、開発者らがそれに反応している。


『Light No Fire』は、架空の惑星を舞台に冒険やサバイバル、建築などを楽しめる、マルチプレイ対応のオープンワールドRPGだ。その惑星は、地球と同程度の大きさとなり、自動生成にて構築。プレイヤーは、惑星の各地にいるほかのプレイヤーと出会いコミュニティを築いたり、ひとりだけで冒険したりでき、自由度の高いゲームプレイになるという。

発表では舞台となる惑星について、これまでに試みた者のいないスケールで構築される、境界のない真のオープンワールドであると表現。没入感のある環境や個性的な敵、見つけ出すべき貴重な資源などに満ちた密度の濃い惑星になると説明された。また、存在する山はすべて実際に登ることが可能。Hello Games設立者Sean Murray氏によると、いわゆるゲーム的に表現された山(実際よりも高く見せるトリックが使われることがある)ではなく、エベレストを超えるような数千メートル級の山も存在するそうだ。

Murray氏は、12月8日に開催されたThe Game Awards 2023の壇上でも、こうした本作のコンセプトを説明。そして発表を終えた同氏に対してファンからは、「過大な約束をするんじゃない」とのコメントが複数寄せられることとなった。批判的な指摘ではなく、ジョークめいたコメントである。


実はMurray氏には、新作発表時にそのゲーム内容について“過大な約束”をしてしまった過去がある。Hello Gamesの前作『No Man’s Sky』のことだ。宇宙を舞台にしたオープンワールド作品である同作は2013年に発表。当時Murray氏はインタビューなどで同作の壮大な構想を語り、大きな注目が集まった。

ただ2016年に発売を迎えると、言及された要素の多くが未実装であることが判明し、誇大広告ではなかったかと批判の声が上がることに。それらの要素の多くについて、Murray氏は必ずしも実装を約束したわけではなかったものの、当時はインタビューに不慣れだったためか、ついつい言及してファンの期待を膨らませる結果となった(関連記事)。

こうした“前例”があるため、新作『Light No Fire』の発表についてファンは、Murray氏に対して「過大な約束をするなよ」とツッコミを入れたわけだ。


もっとも、当初批判を受けた『No Man’s Sky』は、長年にわたるアップデート配信によるコンテンツの充実により評価を盛り返しており、ファンはそうした経緯も把握している。新作『Light No Fire』は確かに壮大なコンセプトをもつが、ファンは本当に“過大な約束”であると不安視しているというよりも、Hello Gamesは同じ過ちを繰り返さないだろうと信じたうえで、『No Man’s Sky』発表時に似たこの状況を楽しんでいるようにみえる。

また、そうしたコメントに対するMurray氏の反応も、どこか余裕を感じさせるものとなっている。一方で『サイバーパンク2077』の公式アカウントは、「後からいつでも修正できるから」とMurray氏に返信。同作もアップデートにより評価を盛り返した似た境遇にあったことから、同じ開発者の立場として気遣ったのかもしれない。


『Light No Fire』はPC(Steam)向けに開発中。発売時期は未定だ。なおThe Game Awards 2023での発表にてSean Murray氏は、『No Man’s Sky』と同じく10年間はアップデートを続けて、本作をサポートしていく考えを示している。