ソニー・インタラクティブエンタテインメントは10月20日、Insomniac Gamesが手がける『Marvel’s Spider-Man 2』の発売を予定している。対応プラットフォームはPS5。本作の先行プレイにてさっそくある“小ネタ”が発見され、注目を集めている。
『Marvel’s Spider-Man 2』は、マーベル・コミックのヒーロー「スパイダーマン」が主役のオープンワールドアクションゲームだ。『Marvel’s Spider-Man』および『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』の続編となる。本作では、ピーター・パーカーとマイルズ・モラレスの二人のスパイダーマンが主人公。最強のヴィランと謳われる「ヴェノム」の脅威に立ち向かう物語が繰り広げられる。なお本作でも舞台はニューヨークながら、マップの規模は前作の約2倍に拡大。スパイダーマンの活動範囲はマンハッタンだけでなくブルックリンやクイーンズ地区にも広がるという(PlayStation.Blog)。
本作のメディア・インフルエンサー向け先行プレイにおける情報が先日解禁され、「滑らかなファストトラベル」など新作でのさまざまな要素が注目されている(関連記事)。そして今回、とある小ネタが注目を浴びている。
本作では、メインストーリーなどを除くほとんどの場面で二人を瞬時に切り替えながら遊べるそうだ。さらに先行プレイに基づく上記報告によると、オープンワールドでのアクティビティ中にはもう一人のスパイダーマンと出会うこともできるという。たとえば上記の動画においては、プレイヤーキャラがピーターの状態でマイルズと遭遇。マイルズにインタラクトが可能なようで、指をさし合うアクションがおこなわれている。
このアクションは、スパイダーマンを代表するネットミーム「Spider-Man Pointing at Spider-Man」が元ネタと見られる。同ミームは1967年から1970年にかけて放送されたテレビアニメ「Spider-Man」の19話Bパート「Double Identity」が元になっている。同エピソードではピーター・パーカーの偽者が現れ、悪さをする偽者の前に本物のスパイダーマンが参上。2人が互いに指を指し「キミは詐欺師だな?」「詐欺師はあんたの方だ!」と言い合うシーンが展開される。
同エピソードの放送から約40年を経た2010年台に、海外フォーラム4chanなどでこのシーンの画像が用いられることになった。同一人物が他人同士のやり取りを装う、いわゆる「自演」行為を皮肉る画像として投稿されたことなどが発端のようだ(Know Your Meme)。その後もSNS上ではさまざまな状況をシュールに比喩したり皮肉ったりする際に用いられ、「スパイダーマン」を代表するネットミームとして親しまれている。
そんなミームが「スパイダーマン」のゲーム最新作『Marvel’s Spider-Man 2』にも取り入れられているようだ。ピーターとマイルズは指をさし合った後に笑いあっており、二人が現実のアニメシーン、あるいはネットミームを知っていてふざけて真似しているかのような演出となっている。メタ的な小ネタともいえそうだ。
なお「Spider-Man Pointing at Spider-Man」としてネットミームになったアニメシーンは、過去にも「スパイダーマン」公式作品でセルフオマージュされていたことがある。具体的には映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の公式Xアカウントが同作の配信開始やBlu-ray発売に際して、作中に登場する3人のスパイダーマンたちが指をさし合う画像を投稿していた。
またアニメ映画「スパイダーマン:スパイダーバース」のエンドクレジット後のオマケ映像や、続編「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」の作中でも同シーンのオマージュが盛り込まれていた。昨今では『Marvel’s Spider-Man 2』を含め複数のスパイダーマンが登場する公式作品が続いており、「指をさし合うスパイダーマン」のシーンが本物のスパイダーマン同士で公式オマージュされる機会も増えてきた様子だ。
ちなみに前作『Marvel’s Spider-Man』においては「スパイダーマン」関連作品や「マーベル」作品から現実世界の文化に至るまで、さまざまなテーマの小ネタや作り込みが大量に仕込まれていた(関連記事)。先行プレイで発見された指をさし合うスパイダーマンは新作『Marvel’s Spider-Man 2』の小ネタにおける氷山の一角かもしれない。新作でも、細かな部分に注目しながら遊んでみるのもいいだろう。
『Marvel’s Spider-Man 2』は、PS5向けに10月20日に発売予定だ。