Epic GamesのCEOが「GoogleとAppleはゲームを作ってないのに儲けすぎてておぞましい」と怒り。メーカーからみかじめ料を取っているだけと苦言呈す

 

Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は9月25日、大手ゲーム会社各社の2021年収益について言及。GoogleとAppleが大きな収益をあげていることについて批判し、両社がモバイルアプリストア市場への新規参入を拒んでいるとの見解を示した。


Sweeney氏は、Epic Gamesの設立者でありCEOを務める人物。今回同氏は自身のXアカウントにて、マイクロソフトやValve・Tencent・任天堂など大手ゲーム企業の収益データとされる表に言及するかたちで、コメントを投じた。同データは、マイクロソフトによるActivision Blizzard買収を巡る規制当局との係争に関連して、流出したとされるものだ。

Sweeney氏の引用元であるTweakTownおよび記者のDerek Strickland氏によれば、このデータは2021年の各企業の収益を示しているという。その中では、たとえばValveおよびEAは約70億ドルの収益を、マイクロソフトは約160億円の収益をあげたとされる。ほかにもテンセントや任天堂などの大手の名前が並ぶ中、Sweeney氏はGoogleとAppleの収益について苦言を呈した。

同データによれば、Googleは約180億ドル、Appleは約150億ドルの収益を年間であげたとされている。これはメーカーの収益ではなく、同社のモバイルゲーム分野での収益とのこと。つまり、両社がそれぞれ運営するAndroid/iOS向けアプリストア上における手数料収益などが反映された数値ということだろう。

Sweeney氏は両社がランキング上位に食い込む収益をあげていることについて「おぞましい(disgusting)」と明言。両社ともゲーム自体は作っていないとして「他人が作ったゲームから無用なみかじめ料(unwanted and useless toll)を取っているだけじゃないか」と批判した。

そして、以前その可能性が報道されていた「マイクロソフトによるモバイルアプリストア市場参入」を応援するかと訊かれたSweeney氏はイエスと回答。「現在のモバイル市場はGoogleとAppleによって参入が拒まれており、競争相手がとにかく必要」とした。


Epic Gamesは、2020年より『フォートナイト』iOS版を巡ってAppleを訴えていた。同作が独自の決済手段を実装したことを受け、Appleが同作をApp Storeから削除。Epic Gamesが反トラスト法(いわゆる独占禁止法)違反だとしてAppleを訴えていたのだ。同訴訟については、一度はEpic Games側の勝ちといえる判決が下されるも、Apple側は命令を保留にするよう求める審判請求書を提出(関連記事)。審判は継続していた。

そして今年7月には、Apple側は米最高裁に向けて上告(Reuters)。長きにわたる係争がいわば終局に向かおうとしているわけだ。今回Sweeney氏がApple/Googleという、モバイルアプリ/ゲーム市場の両巨塔を批判したのは、そうした流れも汲んでの発言だろう。モバイル市場に変化が起きることになるか、係争の結果にも注目が寄せられる。