ダンジョン探索RPG『ウィザードリィ』第一作リメイクがいきなり早期アクセス配信開始。無慈悲なるダンジョンRPGの金字塔がフル3Dでよみがえる、日本語対応も

 

デベロッパーのDigital Eclipseは9月15日、ダンジョン探索RPG『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(ウィザードリィ 狂王の試練場)』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/GOG.com)で、今後日本語にも対応予定。

『ウィザードリィ 狂王の試練場』はパーティーを組んでダンジョンを探索するRPGだ。舞台となるのは狂王トレボーが治める王国。ある日トレボーの護符が魔術師ワードナによって盗まれてしまい、ワードナは護符を持って地下の迷宮に魔物を召喚し身をひそめる。トレボーはワードナから護符を取り戻すために、国中から冒険者を募った。プレイヤーはトレボーのもとに集まった冒険者たちを操作し、ワードナ討伐のため地下迷宮に潜ることとなる。

本作では、プレイヤーは最大6人までのパーティーを編成し、ダンジョンを探索する。パーティーを編成するには、種族と属性、職業を選択してキャラクターを作成する必要がある。

種族は、たとえばエルフであれば知恵や信仰心が高く、魔法を扱う職業を得意とする。ほかにドワーフは力と生命力が高い代わりに素早さが低く、戦士に向くというように、それぞれが異なったステータスを持っている。

属性は善、中立、悪の3つから選択することができる。これはパーティーの編成にかかわり、初期では善と悪でパーティーを組むことはできない。また職業は、ステータスと属性が条件となっており、善/悪いずれかの属性が条件にかかわる職業も存在。中立以外の属性はプレイのなかで変動することもあり、条件を満たしてさえいれば、職業を変える“転職”も可能だ。


リメイク元となった『ウィザードリィ 狂王の試練場』は『ウィザードリィ』シリーズの1作目となる作品で、1981年にApple II向けにリリースされた。当初のダンジョンはワイヤーフレームで描かれており、ゲームは画面に表示されるテキストをメインとして進行する。本シリーズは『狂王の試練場』を皮切りに人気を博し、複数のナンバリングタイトルを生んだ。本作に関しても、PCエンジンやファミリーコンピュータなど、多くのプラットフォームに移植された。

今回のリメイク版では、上述の1981年オリジナル版のプログラムを流用するなど、同作を基礎として制作されているという。しかしオリジナル版でワイヤーフレームであったダンジョンのグラフィックは大きく進化しており、画面左上に小さく表示されていた魔物なども、3Dモデルによって表現されている。また開発元Digital Eclipseによると、オリジナルの雰囲気を残しつつも、探索や戦闘が快適にできるよう調整をおこなうとのことだ。その一方で、オリジナル版のインターフェイスがそのまま登場するような場面もあるとのこと。


本作を手がけるDigital Eclipseはアメリカ・カリフォルニアのゲームデベロッパーだ。同スタジオの過去作には、ゲームハードAtariの作品を90種類収めた『Atari 50: The Anniversary Celebration』や、ミュータント・ニンジャ・タートルズのゲームを計13本収めた『Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection』などがある。クラシックなゲームを現代に再び登場させる、同スタジオの特色が出たかたちだ。

なお開発元によれば、本作は2024年終わりごろに正式リリースを見込んでいるという。現在のバージョンでもすでにゲームを最後までプレイすることが可能だが、キャラクターや魔物のアニメーション、テクスチャーなどといった部分がいくつか未完成であるとのことだ。


早期アクセス期間中のゲームの改善、アップデート内容としては、マウス操作対応、種族の追加、テキストのローカライズなどがその対象となっている。現在対応言語は英語のみとなっているものの、日本語にも対応予定だ。コンテンツが追加されることにより価格を上昇させることもあるとのことだが、早期アクセスバージョンを購入していれば、それらのアップデートを無料で入手できるとのことだ。オリジナル版からの追加要素にも注目したいところだ。

『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(ウィザードリィ 狂王の試練場)』はPC(Steam/GOG.com)向けに早期アクセスとして配信中だ。