大手eスポーツ大会運営サイト「JCG」が日本テレビの子会社化。“メディア力”との相乗効果でeスポーツ事業の成長など狙う

 

日本テレビ放送網株式会社は9月5日、株式会社JCGの子会社化決定を発表した。プレスリリース内のコメントによれば、JCGは自身の強みと日本テレビグループのメディア力のシナジーにより、ファンやコミュニティへさらなる感動と喜びを提供するという。

*大会サイトJCGのスクリーンショット


JCGは、国内最大級のeスポーツ大会ポータルサイトおよび同名の企業である。近年ではCygamesの『Shadowverse』を中心に、『ポケモンユナイト』やFPS作品などのトーナメントなどを開催。プレスリリースによると、日本最大級のeスポーツプロバイダーとして、年間1000回以上の大会開催実績があるそうだ。JCGは元は、松本順一氏と株式会社マイルストーンが2013年に設立した、Japan Competitive Gaming(JCG)というゲーム大会の運営や開催などをおこなうサイトであった。その後2017年に、新会社JCGがマイルストーンの事業を受け継ぎ、ビットキャッシュの子会社化。2019年にはビットキャッシュが全株式を譲渡し、松本順一氏が代表取締役CEOに就任している。

一方の日本テレビは、地上波放送などをおこなう国内の企業だ。プレスリリースによると、同社は2018年にeスポーツ事業を立ち上げ、eスポーツ番組「eGG」の放送を開始。株式会社ポケモンとともに『ポケモンユナイト』の高校生大会「全国高校ポケモンユナイト選手権大会(ポケモンユナイト甲子園)」を共催するなど、多数のeスポーツ大会を開催してきたとされる。また同社は、eスポーツ専門子会社アックスエンターテインメントを通して、eスポーツチーム「AXIZ」の運営もおこなっている。


発表によると、そんな日本テレビがJCGを子会社化するという。日本テレビによるプレスリリース内では、JCGはゲームに関する専門性やノウハウ、実況中継配信スタジオなどの強みをもっているという。そうした強みと日本テレビの強みをかけあわせ、これまでに以上にハイクオリティなeスポーツ大会やイベントの開催などに繋げることで、日本テレビのeスポーツ領域における大会・イベントビジネス拡大を加速させていくそうだ。

またJCGの松本順一氏は、プレスリリース内にてコメントを発表。「JCGの強みと日本テレビグループのメディア力とのシナジーにより、eスポーツ事業の成長と新サービスの開発をより一層加速させ、ファンやコミュニティの皆様にさらなる感動と喜びを提供」すると語っている。日本テレビの資本や影響力をバックにJCGが今後どのような展開をおこなっていくのか。両社のシナジーや国内eスポーツ業界への影響が注目されるところだ。


なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。