日本の若いゲーマーは、モバイルゲームよりも家庭用ゲーム機を遊んでいるとの調査会社報告。限定的な範囲の調査ながら、興味深いデータいろいろ

 
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市場調査/コンサルティング会社のNiko Partnersが「日本の若年層ゲーマー」の市場調査結果を発表した。調査対象となった若年層ゲーマーにおいては70%以上がプラットフォームでゲームを遊んでいるなど、興味深い結果が報告されている。


Niko Partnersは米国の市場調査/コンサルティング会社だ。2002年の設立以来、アジアと中東・北アフリカ地域のビデオゲーム市場調査や消費者調査を専門におこなっている。今回、同社は「Japan Youth Gamers(日本の若年層ゲーマー)」と題されたレポートを発表した。レポートでは、日本国内の6歳から18歳までの若年層ゲーマーの親300人以上と、16歳から18歳までの若年層ゲーマー90人以上を対象に調査を実施。6~18歳で週に1時間以上ゲームをプレイする者がゲーマーとして対象になったそうだ。

調査レポートではまず、対象となった若年層のゲーマーたちがゲームを遊ぶ際に利用していたプラットフォームの割合を確認可能。コンソール(家庭用ゲーム機)を利用していた者は72.3%、モバイルを利用していた者は63.5%、PCを利用していた者は14.7%という結果となっている。また対象となった若年層ゲーマーの親は、コンソールがほかのプラットフォームと比べて、子どもが遊んでいるゲームコンテンツを容易に確認可能である点を好む傾向があったことも伝えられている。

また調査では、対象者たちがゲームを遊んでいる週平均時間についても言及。PC/コンソールでは週平均6.5時間であったのに対し、モバイルでは週平均8時間との結果が得られたそうだ。ほか、調査結果によると、対象となった若年層のゲーマーのうち46%がeスポーツや対戦型ゲームを好んでいたそうだ。対して、レポートにおける「すべてのゲーマー(Overall Gamers)」とされるデータでは競技ゲーム好き率は12%となっており、若年層のゲーマーには比較的eスポーツや対戦型ゲームに関心を抱く傾向が強いようである。


そのほか対象者たちに「子どものゲーム時間の管理を誰がすべきか」を訊いたところ、興味深い結果が得られたことも伝えられている。「ゲーム会社が管理するような仕組みを用意すべき」と考える対象者は、若年層のゲーマーでは13.6%、ゲーマーの親では23.3%。「政府が管理するような仕組みを用意すべき」と考える対象者は、若年層のゲーマーでは19.8%、若年層ゲーマーの親では25.9%という結果が得られたそうだ。

一方で今回の調査結果においては「親が子どものゲーム時間を管理すべき」と考える対象者がもっとも多くを占めていたようだ。若年層のゲーマーでは45.8%、若年層ゲーマーの親では66.9%という結果になっている。

ちなみにゲーム時間の管理と関連して、中国では政府が2021年9月より、未成年者(中国においては18歳未満)のオンラインゲームのプレイ時間規制を施行している。オンラインゲームを運営する企業に向けた取り締まりとされ、すべてのオンラインゲーム企業は金・土・日曜日および法定休日の20~21時の1時間しか未成年者にサービスを提供できなくなるという。また企業はユーザーの実名登録やログイン要件において厳密に未成年者かどうかを判断する仕組みの実装を義務付けられているとされる(ITmedia)。つまり政府・ゲーム会社の双方から子どものゲーム時間を管理する取り組みがおこなわれているわけだ。

Niko Partnersは、そんな中国における若年層ゲーマー向けの市場調査もおこなっている。中国では、調査対象となった若年層ゲーマーのうち、86%がモバイル、30%がPC、6%がコンソールでゲームをプレイしているとのこと。少なくとも同社の調査結果を見る限りでは、中国では日本と比べてコンソールでプレイする若年層のゲーマーが非常に少ないようだ。また上記の規制の実施後、調査対象者のうちの若年層ゲーマー自体の割合には低下が見られたという。モバイルやPCにてオンラインゲームを遊ぶ者が多いことも、そうした規制がおこなわれ、効果を上げている背景としてありそうだ。


一方で日本の若年層ゲーマーには、今回の調査結果も見るに、モバイルゲームよりコンソールでゲームをプレイする層が多いと見られる。もし子どものゲーム時間を管理する施策がおこなわれるとしても、違ったアプローチが取られることとなりそうだ。また調査結果からは、そもそもゲーム時間の管理を各家庭が主体となっておこなおうとする傾向も垣間見える。なお今回のNiko Partnersのレポートは、約390人を対象とする限定的な調査結果である点は留意したい。