美麗ホラーFPS『QUANTUM ERROR』、PS4版発売中止。PS4版を実現するにはゲームの品質を大きく下げざるを得ないため

 

デベロッパーのTeamKill Mediaは7月26日、現在開発中の『QUANTUM ERROR』について、PS4版の発売を中止すると発表した。技術的な問題から、PS5版でのゲーム体験とは大きく異なってしまうことが判明したためとのこと。

本作は、アメリカ・カリフォルニア州の沖合30マイルに存在するMonad量子研究所を舞台とするコズミックホラーFPSだ。研究所が何者かによる襲撃を受け火災が発生したことで、消防署に向けて救難信号が発信。主人公であるJacob Thomas隊長らが現場に急行し、研究所に取り残された人々をひとりでも多く救出する任務に就くが、やがてこれは単なる火災事件ではないことに気づくこととなる。


本作は2020年にPS5向けに発表され、その後PS4およびXbox Series X|S版のリリースも決定。この間には、開発ゲームエンジンのUnreal Engine 5への移行もおこなわれている。そして今回開発元TeamKill Mediaは、PS4版の発売を中止せざるを得なくなったとし、ファンにその理由を説明した。

開発元によると、本作はPS5版の開発が先行して進められ、そこからPS4向けの調整をおこなっていたそうだ。ただ、すでにPS5版にて実現している60fpsで動作したうえでのクオリティに照らすと、PS4版をリリースすることはできないと判断したとのこと。PS4版を実現するには、PS5版から品質を大きく下げ、アセットやライティングなどを変更する必要があり、また搭載メモリ量の違いやHDDのデータ転送速度もネックとなって、PS5版とは比較にならないほど異なるゲーム体験になってしまうという。そうしたゲーム体験をPS4ユーザーに届けるのはフェアではないと判断し、PS4版の発売を断念したそうだ。

PS5の発売からまもなく3年になろうとしており、またPS5本体の供給が安定してきたこともあってか、新作ゲームにおいてはPS4版をリリースせず、PS5向け1本に絞る作品が徐々に増えてきた。これはXboxプラットフォームでも同様。そうしたなかでは、当初予定されていたPS4/Xbox One版が発売中止される例もみられる。たとえば、昨年発売された『ゴッサム・ナイツ』もPS4/Xbox One版が発売中止。販売元WB Gamesは理由として、PS5/Xbox Series X|S版のクオリティを優先して開発するといった趣旨の回答をしている(PlayStation Lifestyle)。


なお『QUANTUM ERROR』については、2本の新たなゲームプレイ映像が7月23日に公開されている。研究所内を探索するなかでは、異形のモンスターやドローンのような敵が登場。プレイヤーはさまざまな銃器や手斧などを武器に戦っている。装備は、武器系とその他アイテム系の2種類のホイールにて即座に持ち替えることができ、装備ホイール表示中は時間がスローになるようだ。

研究所内では火災が続くエリアがあり、天井のスプリンクラーを作動させたり、消火器を見つけてきて消火しないと通れない通路がある様子。煙が充満している部屋では、空気呼吸器の装着を求められることもうかがえ、消防士らしいゲームプレイが取り入れられているようだ。また、ロックされたドアを工具でこじ開けたり、ガジェットを使って重要なオブジェクトなどの位置を探ったりといった場面も確認できる。


『QUANTUM ERROR』は、PS5/Xbox Series X|S向けに開発中。発売日は未定だが、開発元によると近く発表するとのこと。またコンソール版を発売した後には、PC向けのリリースも計画しているそうだ。