『FF14』恒例の開発陣麻雀大会で、役満が2回も発動する大珍事発生。開発者ら、あまりのことに笑ったり吠えたりする


ファイナルファンタジーXIV』開発陣による恒例行事となりつつある「ファイナルファンタジーXIV 新春麻雀大会2023」が1月9日に開催され、ニコニコ生放送で放送された。その大会内の決勝卓が、「2度の役満が和了される」珍しい1半荘となり、「役満2回」というワードがTwitterでトレンド入りを果たした。

『ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)』では、開発陣や関係者らが参加する麻雀大会が実施されている。「ドマ式麻雀」が実装されたことを記念して2018年12月23日におこなわれた「ファイナルファンタジーXIV 年末麻雀大会」以来、実際の牌と自動卓を使用してリアル麻雀大会がおこなわれているのだ。放送内では「おじさんたちが喋りながら麻雀を打っているだけ」と参加者たちが話しながらも、今回のニコニコ生放送での総視聴者数が12万人以上にも及ぶ人気イベントとなっている。

今回の大会にはプロデューサー兼ディレクターを務めた吉田直樹氏をはじめ、『ニーア』シリーズのプロデューサーを務める齊藤陽介氏、『FF14』でスタッフを務め、現在は『FF16』の開発に携わっている髙井浩氏、前廣和豊氏、『FF14』リードレベルデザイナーの高橋新氏のほか、河本信昭氏がスクウェア・エニックスから参加。さらに、『FF14』でアルフィノ役を務める声優の立花慎之介さん、かつて『タクティクスオウガ』などを手がけ、現在株式会社ALGEBRA FACTORY代表として『FF14』追加コンテンツにも携わる松野泰己氏らも加わり、総勢8人が卓を囲むこととなった。

そんな本大会の決勝卓にて、「役満が2度和了される」珍事が起きた。役満とは、麻雀における高難度・高得点の役のことだ。役満を和了(あがり・ホーラ)まで持ち込み得点を獲得できる確率は低く、無事に和了れれば上位で勝ち抜ける可能性は大幅に高まる。またそのレアさゆえに、大会などでは役満を和了しただけで得られる「役満賞」といった特別賞が授与されるケースも。多くの麻雀打ちたちが期待しつつも、あまりお目にかかれない奇跡的な“超大技”だ。それが決勝にて、こともあろうに2度放たれたのである。

決勝では、予選A卓を勝ち上がった立花慎之介さんと高橋新氏、予選B卓を勝ち上がった齊藤陽介氏と前廣和豊氏による対局となった。最初の役満は東2局1本場、親は前廣氏。立花さん、前廣氏、齊藤氏が落ち着いて手を進めていく中、配牌に恵まれなかった高橋氏の河は、役満の国士無双を狙って中張牌ばかりが切られる派手なものに。国士無双一向聴が長く続く中、高橋氏が1索をツモり、9筒待ちの国士無双の聴牌が入る。その後、齊藤氏が9筒を放銃し、高橋氏が見事国士無双を和了。齊藤氏から高橋氏へ32300点の横移動となった。高橋氏の国士無双和了を受けてか、Twitterでは「国士無双」がトレンド入りを果たした。高橋氏の超大技単体攻撃を、斎藤氏が被弾した痛恨の流れだ。

*高橋氏の国士無双和了。齋藤氏の河にある9筒が直撃となった。


大得点を得た高橋氏がこのまま優勝すると思われつつも、和了を重ねて高橋氏の後を追う前廣氏。そして迎えた南2局、親の前廣氏の連荘で迎えた3本場、そこで劇的な展開が起こる。前廣氏が早い順目で3・6萬の両面待ちで三暗刻テンパイに。その後、4萬を引き入れた前廣氏は、4萬、5筒のシャボ待ちに待ちを変える。ツモり四暗刻のテンパイである。そして9巡目、ふたたび4萬をツモった前廣氏は、役満の四暗刻を和了。41300点を所持していた前廣氏は16300点オールの“特大全体攻撃”により高橋氏を逆転した。和了の瞬間、前廣氏は椅子からころげ落ちんばかりのガッツポーズ。立花さんは放心して天井を仰ぎ、齊藤氏は「投了していいっすか!」と吠えた。解説からは「リミットブレイク」とも表現されたこの大技に、逆転された高橋氏も手を叩いて笑うしかなかったようだ。

結果として、前廣氏は90200点を保有しトップに立ち、2着の高橋氏につけた大幅なリードをそのまま守りきって、見事優勝を果たした。まさかの大逆転劇である。プロ・アマ対局問わずなかなか見ることができない、役満が2度も飛び出す目まぐるしい対局となった。なお、2度目の役満が和了されたタイミングで、あまりの事態にTwitter上では「役満2回」がトレンド入りを果たしている。また、超大技の応酬に巻き込まれた立花さんは、対局後のコメントでぐったりとした様子を見せ、齊藤氏も役満を和了された後は「ふわふわしていた」とそのときの状況を語っていた。

ちなみに、前廣氏は予選B卓で誤ロンのチョンボ(ルール違反)をしている。額にうっすらと映っている緑の「W」は、「額に草を書く」という罰ゲームのお題で書かれたものだ。今大会で唯一のチョンボで視聴者を不安にさせながらも、前廣氏当人としてはこのチョンボで、2年ぶりの生放送出演による緊張が抜けたとのこと。額に草を生やしつつも無事に予選を抜け、決勝では親の役満で逆転を果たし、みごと優勝した前廣氏の活躍は見事だ。


今大会では、役満を和了するとPS5が与えられる役満賞が用意されていた。解説席の髙井氏によれば会場に現物の用意はなかったようで、高橋氏、前廣氏には役満賞の目録が手渡された。

なお、吉田氏は予選A卓で4着となり、3着となった河本氏と共に最下位決定卓へ。B卓4着の松野氏、3着の髙井氏も加わった最下位決定卓では、松野氏が1着、河本氏が2着、吉田氏が3着、髙井氏が4着という結果に。

今大会を優勝した前廣氏は、喜びの声と自身が現在開発を手がけている『FF16』の6月22日発売を改めて告知。そして、最下位の8位になった髙井氏も『FF16』の告知をおこない、罰ゲームのカラオケでYOASOBI「祝福」を歌い上げ、大会は終了となった。

ちなみに、『ファイナルファンタジーXIV』は明日1月10日、6.3アップデートを予定している。恒例のパッチノート朗読会は、同日15時頃から放送予定だ。