カプコンの対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6』のクローズドβテストが、10月7日から10月10日にかけて実施された。参加当選者は、来年2023年発売予定であるこの新作での、対戦やアバター作成などをいち早く試すことができた。そうしたなか、本作のアクセシビリティ設定の充実度について、一部で大きな注目が集まっているようだ。
本作のクローズドβテスト版には、オーディオ設定内に「サウンドアクセシビリティ設定」が用意されている。この機能に、現在SNS上などでとりわけ関心の声があげられているようなのだ。同機能のなかには複数の設定項目が用意されており、たとえば対戦相手との距離を示すサウンドや、上段/中段/下段のヒットを示すサウンド、スーパーアーツ使用可能を示すサウンドなどを、個別にON/OFFできる。
具体的な効果は上のツイートの動画が分かりやすい。プレイ中には短い音が絶えず鳴っており、対戦相手との距離が近くなると音が高く、逆に距離が離れると音が低くなっている。また、攻撃がヒットした際には、上段/中段/下段でそれぞれ異なる音が鳴っている。目の不自由なプレイヤーであっても、こうした音の情報を頼りにして、本作のプレイ状況を掴めるということだろう。こうした機能について、SNS上ではユーザーらから「素晴らしい機能である」との旨の反響が多数寄せられている。
またアクセシビリティ設定ではないものの、本作のオーディオ設定では基本的なボリューム設定に加え、攻撃のヒット音から足音、スーパーアーツの音、環境音、システム音など非常に多数の項目について、それぞれのサウンドエフェクトのボリュームを個別に調節可能。かなり充実した設定の仕様である。
近年は大手メーカーのタイトルを中心に、アクセシビリティを高めるための設定が積極的に導入されてきている。対戦格闘ゲームにおいては比較的導入が遅れていたが、サウンド面での取り組みとしては、たとえばマイクロソフトの『Killer Instinct』では、発売後の運営を続けるなかで、アクセシビリティを意識した調整がおこなわれてきたという(Game Developer)。
また、今年5月に開催されたバリアフリーeスポーツ「ePARA」のイベントに登壇した『鉄拳』シリーズ総合プロデューサー原田勝弘氏は、アクセシビリティ設定を試験的に実装した『鉄拳7』のビルドを紹介(下の動画)。各種カラーフィルターや、入力面でのサポートが専用の設定にて提供されている。バンダイナムコでは、『鉄拳』シリーズに限らず今後の作品での導入を目指して、アクセシビリティについて現在研究中とのことだ。これからは、対戦格闘ゲームジャンルにおいてもアクセシビリティ設定が充実していくことが期待される。
『ストリートファイター6』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Xbox Series X|S向けに2023年発売予定。また、『鉄拳8』がPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに開発中だ。
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