『スカイリム』でハシゴを上り下りできるModが満を持して登場。約11年の時を経てハシゴを克服、でも一部

 
Image Credit: Everglaid

海外ModクリエイターのEverglaid氏は7月2日、オープンワールドRPG『The Elder Scrolls V: Skyrim(以下、スカイリム)』に、梯子を上るなどの多彩なアニメーションを追加するMod「EVG Animated Traversal」を配布開始した。GamesRadar+が紹介している。

『スカイリム』は、Bethesda Softworksが2011年にリリースしたオープンワールドアクションRPG。発売から11年を迎える現在に至っても根強く愛され、Mod制作も盛んな作品である。街やダンジョンのオブジェクトも豊富で、色々なアクションが可能。しかし、意外にも本作には梯子を上り下りするアニメーションが用意されていない。そのため、町中などに配置された梯子は飾りでしかなかった。「テレポートポイント」のように作動するハシゴはごく一部存在しても、実際にキャラクターが上って使用することができなかったのである。しかし、発売から約11年もの月日を経て、ついにハシゴの上り下りを可能とするModがあらわれた。

それが、「EVG Animated Traversal」である。同Modは『スカイリム』の世界にさまざまなアニメーションを追加するModだ。段差の乗り越えや、隙間の潜り抜けといった、アスレチックな要素が導入される。なかでも、本Modの目玉となるのが、梯子の上り下りアニメーションの追加だ。

本Modは、独自のアニメーションおよび、animation prompt markersと呼ばれる仕組みを追加することで多彩なアクションを可能にしている。梯子などのオブジェクトにマーカーを追加することで、プレイヤーに昇り降りなどのインタラクトが可能と提示し、入力を受け付ける仕組みだ。どこでも自由なアクションが可能というわけではなく、あらかじめ指定された場所でのアクションを設定するModだ。

Image Credit: Everglaid


本Modで追加されるのは、機能の実証試験となるダンジョンのみ。すべての町中の梯子などで移動できるようになるわけではない。そうした要素を実装するためには、キャラ動作の開始ポイントや終了ポイントを個別に設定する必要があるようだ。そのため、同氏いわく「やりたくない(I’m not willing to do though)」ほど大量の作業が必要となるそうだ。そのうえ、ゲーム内の梯子は単なる装飾ばかりで、どこかの足場に繋がっているものがほとんどないのだという。つまり、梯子の「のぼれる化」には膨大な手間がかかる上に、そもそも上ってもなにもない場所が多いそうだ。

一方で、ほかのModクリエイターたちはさっそく本Modを、自らのModに利用しはじめている。たとえば、既存の町の壁や屋根に上れるようにするMod「Maleficus’ Traversal」がある。このModを導入することで、ホワイトランやリフテンといった町にインタラクト可能な地点が登場、そこから屋根などに登れる仕組みだ。ショートカットや隠密に便利なルートとして利用できるようだ。下の動画では本Modによって、ホワイトラン入口のくねくねとした長い道をあっという間にショートカットする様子が確認できる。

また、ゲーム本編にない町を追加するModである「Cities of the North Falkreath」では、「EVG Animated Traversal」を利用するためのオプショナルファイルが用意されている。これを導入することで、町中に配置された梯子を利用可能だ。下の動画からは梯子を活用して、美しい町並みを見渡している様子が確認できる。また、梯子で到達可能な納屋の屋根裏にもオブジェクトが配置され、作りこまれている。

『スカイリム』でさまざまなアクションを繰り出せるようになる「EVG Animated Traversal」。多彩なアクションの導入で、これからはさらに個性豊かなダンジョンや町並みを表現できるようになるだろう。これから生み出されていくであろう、さらなる派生作品についても楽しみにしたい。