「Nintendo SwitchのDL版ゲーム」がメルカリで出品禁止へ。詐欺やクレジットカードの現金化などが問題か

 

メルカリは4月28日、同社サービスガイドラインであるメルカリガイドを更新した。その記述によれば、メルカリでは2022年4月28日より「Nintendo SwitchのDL版ゲーム」の出品を一律禁止しているという。

メルカリは、国内の株式会社メルカリが運営するフリマアプリ。ユーザーが不要なものを出品し、価格を設定することで、アプリ上で販売することができる。購入するユーザーは、欲しいものを探して購入手続きへ。支払い方法を選択することで、品物を手に入れることができる。利用者数は1750万人を超え、累計出品数は20億品を超えるという。

メルカリにおいては、ゲームの出品も多数見られる。遊び終わったゲームのパッケージ版や、ゲーム機本体の出品なども一般に見られ、多数の取引がおこなわれている。一方、これまでのメルカリでは、ダウンロード版ゲームソフトが販売されるケースも散見された。ダウンロードカードを現物で販売するだけでなく、シリアルコードのみを販売するケースが存在。購入者の支払い確定後、当事者同士のみで交わせる取引メッセージを通じてシリアルコードを伝えるという方式がとられていたようだ。
 

 
メルカリ公式によれば、Nintendo Switch用ダウンロード版ゲームソフトの一部取引において、「ダウンロードできない」「ダウンロード後しばらくしてプレイできなくなった」などの問い合わせが届いていたという。一部の取引を調査したところ、ダウンロード用コードに関するトラブルが認められたため、4月28日よりメルカリおよびメルカリShopsでNintendo Switch向けのダウンロード版ソフトの取引禁止に至ったという。

ネットでも、メルカリの取引で入手したダウンロード版ゲームが数週間で遊べなくなるとの説が囁かれており、運営が問題視したかたちだろう。こうしたケースは、単に虚偽のダウンロードコードで売り上げを詐取する行為や、不正なクレジットカードで購入したダウンロードコードを販売することで現金を入手する犯行などに利用されていると目されている。

このほか、ダウンロード版ゲームの販売には危うい点が多い。たとえば、クレジットカードのショッピング枠で購入したダウンロード版ゲームを販売し、現金を入手する、いわゆる「クレジットカードの現金化」に利用されているケースもあるだろう。あるいは、犯罪によって得られた資金の出所を分からなくするためのマネーロンダリングに利用されている可能性もある。メルカリはマネーロンダリング行為をガイドラインにて禁じているほか、たとえば「5本セット5万円」といった、定価や相場に見合わない不自然な価格・出品形態で売買が成立しているケースもあり、不審な取り引きが散見される。
 

 
転売などに利用されるなど、課題の多いメルカリ。今回の措置で不正な取引の防止につながることを期待したい。本件については、現在弊誌からメルカリへ問合せしている。

【UPDATE 2022/05/06 12:27】
本件に関し、メルカリから回答が寄せられた。担当者は、「件数・時期など詳細についての開示は差し控えさせていただきますが、昨今、Switch用のダウンロードソフトについてお客さまからのお問い合わせをいただいており、今回一時的に出品を禁止することとになります。なお、今後の対応に関しては安全にご利用いただける目処が立ち次第、メルカリアプリや公式ブログなどを通じてお知らせいたします。」と伝えている。





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