「Steamから送金できないと言われた」とウクライナ開発者たちが報告。米国によるロシア制裁の巻き添えか

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ウクライナおよびロシアのゲーム開発者たちが、Steamにおける入金口座情報が無効化されたと、SNS上などで伝えている。その背景には、アメリカによる銀行への制裁の影響があると見られる。

Steamは、米Valveが運営するPCゲーム配信プラットフォームだ。同プラットフォームでは世界各国のゲーム企業が作品を配信している。同プラットフォームでは現在ウクライナに進行中のロシア・ロシアに侵攻されているウクライナ両国のデベロッパー/パブリッシャーの作品も配信中だ。そして3月18日、ウクライナを拠点とするTernox Gamesがスタジオ公式Twitterアカウントにて、Valveからの連絡とされる文章を公開した。そこには、「現環境では、ベラルーシ・ロシア・ウクライナへの銀行振込ができかねる」として、入金口座情報が一時停止された旨が記されていた。この文面は、そのまま受け取れば3国の銀行すべてに送金不可であるとも読み取れる内容だ。

なお、Ternox Gamesは現在バブル期日本の投資家生活シム『STONKS-9800』を開発中


Valveから同様の連絡があったとの声は複数あがっており、ウクライナを拠点とする個人開発者であるStas Shostak氏や、ロシアを拠点とする開発者のOleg Skutte氏も同様の文面をSNS上で公開している。現在筆者の観測範囲内では、Valveによる公式声明などは出ておらず、あくまでも開発者たちの主張である点には留意したい。しかし、複数人の証言がある点から、実際にこうした対応がおこなわれている可能性は濃厚だ。

これらの証言はコミュニティに波紋を広げた。ウクライナのゲームPR企業GTP Media共同創設者のIvan Titov氏がTernox Gamesによるツイートを紹介し、連鎖的に著名開発者も反応。『Battlefield 3 』およびシリーズ作品に携わったDavid Goldfarb氏など、業界関係者やユーザーの声が寄せられている。特にウクライナに対して送金できないとする旨を問題視し、Valveへの批判を述べる声が目立つ。侵攻を進めるロシアは各国政府および企業から制裁を受ける一方で、侵攻されているウクライナへは多くの援助の手が差し伸べられている。上述の文面では、Valveがロシアもウクライナも一緒くたに制裁対象にしているように受け止められたのだろう。そのため、親ウクライナユーザーからの批判を招いたようだ。


しかしながら、その背景にはValveのコントロールできる範囲を超えた事情もありそうだ。ウクライナユーザー向けのSteam関連コミュニティ「Steam українською(Steam in Ukrainian)」は、FacebookページにValveからの補足説明となるメッセージを投稿している。同投稿によれば、Valveは「米国政府の制裁により、ロシアに関連する複数の銀行への送金が不可能となっている」と説明したそうだ。つまり、ウクライナを意図的に送金不能にしたわけではなく、米国全体による制裁に伴い、ウクライナ国内の開発者が利用する銀行まで巻き添えになってしまったと解釈できる。また同投稿は、BNP Paribas Groupの各銀が影響を受けているとし、ウクライナのUkrsibbankおよびルーマニアのRaiffeisen Bankが影響下にあると伝えている。Steam українськоюは、さらなる事情説明をValveにもとめており、返答があり次第公開するとのこと。

ロシアによるウクライナ侵攻は、経済制裁の面からもゲーム業界に影響を与えている。まず、ロシアへの送金はすでに国内からも難しい状況となっており、ロシア語翻訳者への入金ができない状況も伝えられていた(関連記事)。また、ゆうちょ銀行はロシアのみならず、ウクライナにおける、ロシアの傀儡政権とみられる地域への送金も停止している。強まる各国のロシア制裁により、ロシア以外にも影響が及ぶ可能性は今後もありそうだ。

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