古典FPS『DOOM II』開発者が、“28年ぶり”に新ステージを作成し配信。 ウクライナ支援のため立ち上がる


初代『DOOM』のゲームデザイナーのひとりとして知られるJohn Romero氏は3月3日、『DOOM II』向けの新たなレベル(ステージ)「One Humanity」を配信開始した。価格は5ユーロ(約636円)で、売上は全額ウクライナ支援のため寄付される。現在Steamなどで配信中の同作PC版に適用することでプレイ可能だ。


『DOOM II』はid Softwareが手がけ、1994年にMS-DOS用向けに発売されたFPSゲームだ。同スタジオ前作『DOOM』や『Wolfenstein 3D』と合わせ、FPS黎明期を形作ったとして名高い作品である。現在でもPC版はSteamやGOG.comで手に入るほか、コンソール向けにも広く移植されている。John Romero氏はid Softwareの共同設立者であり、同スタジオ諸作の開発にゲームデザイナーとして携わった人物。いわば、『DOOM』生みの親のひとりである著名開発者だ。

今回配信された『DOOM II』向け新規レベル「One Humanity」は、現在ロシア軍の侵攻を受けるウクライナの支援を目的として、Romero氏自身の手によって制作されたとのこと。価格は5ユーロ(約636円)で、同氏の公式ショップページからダウンロード購入可能だ。売上金はそのすべてがウクライナ赤十字および国際連合中央緊急対応基金に寄付され、ウクライナの人々への人道的サポートに活かされる。そしてロメロ氏が『DOOM II』向けに新規レベルを手がけるのは、1994年のリリース以来とのこと。

なお、「One Humanity」をプレイするには、『DOOM II』ゲーム本編が必要となる。また、国内からの購入も可能だ。また、「One Humanity」は.wad形式での配布となっているため、導入はやや複雑。プレイするには知識や環境構築などが必要な点には留意されたい。


ロシアによるウクライナ侵攻を巡っては、ゲーム業界でも多くの企業や開発者が平和を望み、ウクライナの戦火の只中にある人々へのサポートを表明している。また、Romero氏の配信開始ツイートには多くの反響が寄せられている。情勢への関心にくわえ、ファンにとり伝説的なクリエイターであるRomero氏が、新規レベル制作とのかたちで支援に動いた点も注目を集めたのだろう。

『DOOM II』向け新規レベル「One Humanity」は、PC版『DOOM II』向けに配信中だ。