単語推理ゲーム『ことのはたんご』公開。『Wordle』リスペクトの無料日本語ブラウザゲーム


国内個人開発者の大西力登氏は1月25日、単語推理ゲーム『ことのはたんご』を正式公開した。ブラウザ上で無料でプレイできる。本作は昨年から英語圏でヒットしているゲーム『Wordle』の日本語版として制作されたようだ。


『ことのはたんご』は、日替わりで設定される5文字の単語を推理するゲームだ。プレイヤーには毎日、10回まで答えを推理するチャンスが与えられる。プレイヤーが思いつく5文字の単語をゲームに入力すると、ゲーム側が文字ごとにヒントを返してくれる。たとえば、答えが「ヒナマツリ(ひな祭り)」であった場合を考えてみよう。プレイヤーが「ヤマノボリ(山登り)」と推測を入力すると、「マ」は答えに含まれているとして黄色に、「リ」は含まれており位置も合っているとして緑色として表示される。そして答えに含まれていない「ヤ・ノ・ボ」は、グレーで示される。プレイヤーはこうした推測を10回まで繰り返し、可能な限り少ない手数で正答の単語を導き出していくのだ。単純ながら、思わず意地になって唸ってしまう楽しさのある推理ゲームである。


本作のルールは、英語圏で多大な人気を集めている単語推理ゲーム『Wordle』に影響を受けている。開発者の大西氏自身が、同作から大きな影響を受けたとして「日本語版のWordleとして作成しました」と伝えている。オリジナルである『Wordle』も基本的なルールは前述の通りで、5文字の英単語を推測するゲームとなっている。ただ、最大試行回数は6回と少なめだ。英語はアルファベット26文字で構成される一方で、日本語はさらに多様な文字を使う。難易度も必然的に上がり、正解を目指すとかなり頭をひねることになるのだ。そのため、『ことのはたんご』では試行回数が10回に増やされているのだろう。

オリジナル版の『Wordle』は、アメリカを拠点とする個人開発者Josh Wardle氏が開発した作品だ。その人気の高さゆえにメディアなどで取り上げられたほか、各言語版が有志の手によって制作されている。ポルトガル語版スペイン語版フランスなどのほか、本作『ことのはたんご』の以前にも、『Wordle』の日本語版『WORDLE ja』が国内開発者のaseruneko氏により制作・公開されている。こちらはオリジナル版より自由度が高く、答えは一日一問ではなく乱数で何度でも生成できる。また、「存在する言葉を入力しなければならない」との縛りもないのでややプレイ感が違う。一方で『ことのはたんご』は、そうしたルールもオリジナル版から引き継いだ、忠実な再現を志しているようだ。

また、『Wordle』については話題も尽きない。同作のブームを受けて、昨年末にかけてモバイル端末向けの『Wordle』コピーゲームが大量に出現。しかし、今年に入りそうしたアプリが一斉にAppleアプリストアから削除される一幕があった(Polygon)。ほかにも、過去にリリースされていた同名のワードパズルアプリ『Wordle!』に人気が集中。同作の開発者のSteven Cravotta氏がWardle氏に打診し、アプリ売上を教育慈善団体へ全額寄付すると表明するといった出来事もあった。

https://twitter.com/powerlanguish/status/1482007797437014020


また、性的な単語のみで遊ぶ『Wordle』パロディゲーム『Lewdle』も登場している。こちらは、脚本家/批評家のGary Whitta氏が中心になり開発・公開された。 映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」やゲーム版『The Walking Dead』の物語に携わったWhitta氏が、なぜ「エロ『Wordle』」を出そうと思ったのかは不明だ。スケベな英語に堪能な方は遊んでみてほしい。

シンプルなルールで夢中になれる『Wordle』の輪は、今や世界中に広がっている。今回の『ことのはたんご』含め、多くの有志制作『Wordle』が無料・無広告でオープンに作品を公開している。多くのプレイヤーと開発者から愛とリスペクトを注がれる『Wordle』は、ワードゲームの新たなスタンダードとなるかもしれない。

ことのはたんご』は、PCおよびモバイルブラウザ向けにWeb上で公開中だ。




※ The English version of this article is available here