『PUBG』開発元、米国で人気のバトロワ『Free Fire』は模倣だと主張し提訴。放置したとしてApple・Google・YouTubeも巻き込み

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バトルロイヤルゲーム『PUBG: BATTLEGROUNDS』や『PUBG MOBILE』などの開発元PUBG Studiosを傘下にもつKRAFTONが、同じくバトルロイヤルゲームを手がけるGalenaなどを相手取り、著作権侵害を訴えてアメリカにて裁判を起こしていたことが明らかになった。被告にはAppleやGoogle、YouTubeも名を連ねている。海外メディアTechCrunchなどが報じている。


Galenaは、バトルロイヤルゲーム『Free Fire』およびその高画質版『Free Fire MAX』を手がけているメーカーだ。同作では、50人のプレイヤーが広大な島に降下し、武器や物資を現地調達しながら戦い、最後の1人になることを目指す。制限時間が10分に設定されており、サクッと遊べることが特徴だという。同作は2021年第1四半期には、米国内での売上において『PUBG MOBILE』を初めて上回り、同期だけで約1億ドル(約114億円)の利益を上げたと報じられている(Sensor Tower)。

その『PUBG MOBILE』などを手がけるKRAFTONは今年1月10日、米国カリフォルニア中部地区連邦地方裁判所にて、Galenaおよびその関連会社とApple・Google・YouTubeを相手取り提訴。訴状によるとKRAFTONは、ゲーム導入部分やゲームプレイの構造、また武器や防具、オブジェクト、ロケーション、全体的な配色や素材、テクスチャに至るまで、『Free Fire』は『PUBG』を模倣しており、Galenaは同社の著作権を侵害していると主張している。

『Free Fire』は、2017年にシンガポールにてソフトローンチされた。『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(現『PUBG: BATTLEGROUNDS』)がリリースされた直後であり、上述したような類似点から、当事両社間で問題を解決させる動きがあったそうだが、ライセンス契約などを交わすには至らず。KRAFTON側が主張するところでは、同社の承認を受けず権利侵害状態が継続したまま、Galenaは『Free Fire』を米国を含む世界各国でリリースし、先述したような大きな売り上げを手にすることとなったという。

今回の裁判にてあわせて被告となったAppleとGoogleには、KRAFTONは『Free Fire』の配信プラットフォームとしての責任を問うている。KRAFTONは昨年12月に、同作のApp Store/Google Playでの配信を停止するよう要請したものの、両社から拒否されたとのこと。また、同じく被告となったGoogle傘下のYouTubeには、『Free Fire』のゲームプレイ映像が多数投稿。多くの視聴数を稼いでいるそうした映像も著作権侵害にあたるとして、KRAFTONはYouTubeに削除を求めたが受け入れられなかったそうだ。

そして訴訟にてKRAFTONは、権利侵害の対象となったすべての素材や、『Free Fire』の売上詳細の提供、また権利侵害によって被った損害に対する金銭的救済などを認めるよう、裁判所に求めている。一方のGalenaは海外メディアTechCrunchに対し、KRAFTONの訴えは事実無根であるとコメント。Galena側も争う姿勢のようだ。

ちなみに、KRAFTONがほかのバトルロイヤルゲームを『PUBG』の模倣であるとして訴えるのは今回が初めてではない。過去には『フォートナイト』や『荒野行動』『Rules of Survival』についても、各開発運営元を提訴。Epic Gamesの『フォートナイト』については結果的に訴えを取り下げたが、NetEaseが手がける残る2作に関しては和解による解決となっている。今回の『Free Fire』に対する裁判については、まずは裁判所が審理へと進めると判断するかどうかが注目されそうだ。

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