『ドラゴンクエストビルダーズ2』で再現された『ゼルダの伝説 BotW』の街並みクオリティがすごい。ゲルドの街からリトの村まで壮観に

Image Credit : なみかく / スクウェア・エニックス / 任天堂

『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』(以下、ドラゴンクエストビルダーズ2)にて、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の各街を再現した人物がいるようだ。そのこだわりっぷりが、一部ユーザーの間で話題となっていた。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』は、スクウェア・エニックスとコーエーテクモゲームスが共同開発したブロックメイクRPG。舞台となるのは、破壊を崇拝しモノづくりを敵視する邪教の集団「ハーゴン教団」が勢力を伸ばしつつある世界。主人公はモノづくりの才能あふれるビルダー見習いとして、記憶喪失の少年シドーと出会い絆を深めながら、シドーと共に成長していく。


『ドラゴンクエストビルダーズ2』では、高評価だった前作をベースに、既存要素を拡張しつつさまざまな新要素を導入。高さの拡張や滝を導入した水要素の深化、フレンドとのオンラインマルチプレイなど、あそび・クリエイト両面で大幅な進化を果たしている。現在ではPS4/Nintendo Switch/Xbox One/PC(Steam/Windowsストア)向けに発売中だ。

Twitterユーザーなみかく氏は、そんな『ドラゴンクエストビルダーズ2』にてクリエイションを進めている。同氏の制作活動には、あるテーマが存在。それは、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の町並みを再現することだという。再現された内容は圧巻である。

たとえば、カカリコ村は中央にそびえるインパの家まで表現。リトの村は街の象徴である高所まで忠実に再現している。ゲルドの街は砂漠の雰囲気から内装までこだわられており、そばにある試練の祠まで作られている。ゾーラの里は、立体感と透明感までも再現しつつ、セラの滝までクリエイト。凹凸の激しい地形を含めて表現されるゴロンシティも見ものである。


このように、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』における象徴的な村や街が、再現されているのだ。細部までこだわられた尋常でない作り込みが、なみかく氏のビルドの特徴である。一体何をモチベーションにこうしたクリエイションをしているのだろうか。なみかく氏本人にうかがった。

実はなみかく氏は、もともと『あつまれ どうぶつの森』にて『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザワイルド』の街並み再現を試みていたユーザーだ。ハテノ村やゲルドの街、フィローネ地方など、限られたエリアとリソースにて、エリア再現をしていたわけである。とくにハテノ村の再現は、建物と地形を工夫しデフォルメした上で特色を表現。ただ表現するだけでなく『あつまれ どうぶつの森』のゲームプレイも楽しめるように気をつけており、デザインと機能性が両立されている。


一方で、障害も存在した。『あつまれ どうぶつの森』の島は1つのNintendo Switchにひとつだけである。こうした活動を続けるうちに開拓できる島の土地がなくなり、“サブ島”を導入することを検討していたという。そんな時、YouTubeの動画にて『ドラゴンクエストビルダーズ2』との出会いを果たした。高低差のある地形の良さを表現できると思い高揚し、同作でのクリエイションが始まったわけだ。

できあがった街並みのクオリティは、前述したとおり。なぜここまで意欲的に創作活動をしているのだろうか。そこには、愛とつながりがあったようだ。なみかく氏は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を遊ぶたび、いまだに新しい発見をし、「ここを作りたい」という想いに駆られるという。さらに作った作品を投稿するたびに、Twitterフォロワーの同作ファンが嬉しい言葉をかけてくれるそうで、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』への愛と同作ファンとのつながりが創作欲を呼び起こしているようだ。

ちなみに前述したように、ゲルドの街は試練の祠まで作られている。試練の祠を作ろうとしたきっかけは、『ドラゴンクエストビルダーズ2』にてエレベーターが作成できるのを知ったこと。この仕組みを知った時に試練の祠作成が浮かんだといい、ゲルドの街のそばにある祠にエレベーターが使用されたようだ。


『ドラゴンクエストビルダーズ2』にクリエイションツールが充実していることにもふれている。とくにビルダーアイは必須だという。ビルダーアイは、カメラを引きブロックを自由に置いたり壊したりすることができるツール。そばに寄らずとも離れた場所や高い範囲などにも自由にブロックを置くことが可能なので、大規模建築には必須になるわけだ。また素材を保管箱に入れたまま家具など作成できる機能にも助けられているという。石のてすり、ささえ木、木の格子は色を変えて組み合わせれば、さまざまな表現ができるとも語っていた。

各街の再現については、基本的には記憶をたどりつつ、曖昧な部分は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のゲーム内スクリーンショットを撮って確認したとのこと。街ひとつひとつはかなり大きいので、それを記憶ベースで再現できるなみかく氏もたいしたもの。街そのもののデザインや構造の個性も手伝っているだろう。同氏が特に自慢したいのは、ゲルドの街。『ドラゴンクエストビルダーズ2』にも慣れたころに作った街で、さらに人工物も多いので再現もしやすかったという。自然地形が多い街は積むブロック数も多く地形を自然に見せるのが難しいとのこと。たしかに、リトの村などにはそうした苦労が見られる。

こうした街の再現は素晴らしい活動であるが、『ドラゴンクエストビルダーズ2』のけいじばんに投稿するという点では必ずしも歓迎されないかもしれない。同作では、他社IPを作った再現系の投稿は基本的にご法度とされている。コンテンツ作成ガイドラインでは、他社IPを使った作品を作ってはいけないと必ずしも明記されていないものの、第4条には他社IPをめぐる紛争が発生した場合は、ユーザー自身が賠償を負わなければいけないとの免責事項が記載されている。ほか、第5条にはそうしたコンテンツを含めスクウェア・エニックス側の判断によってコンテンツを削除する権利があると記載されている。

実際になみかく氏はこうしたコンテンツをけいじばんに投稿した際に、それらは削除されてしまったそうだ。スクウェア・エニックスとしてもIPを背負うわけにはいかないので、こうした判断やガイドライン制定も理解できるだろう。本作のシェア機能はけいじばんを介したものが多い。なみかく氏は自身の作品を公開したいものの、そのやり方についてはいろいろと考えているそうだ。

これらの街並みは、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の世界の魅力、『ドラゴンクエストビルダーズ2』の表現力、そしてなみかく氏の情熱および創作力。すべてが組み合わさったことで、かたちとして生まれたのだろう。けいじばんなどで投稿されなくとも、その想いはスクリーンショットごしに伝わってくる。なみかく氏の今後の創作活動に要注目である。『ドラゴンクエストビルダーズ2』は、PS4/Nintendo Switch/Xbox One/PC(Steam/Windowsストア)向けに発売中。Xbox Game Pass向けにも提供されている。




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