『Apex Legends』シア登場でブラッドハウンドは廃れるのか? 強キャラ見込みな新レジェンドには意外な弱点も

 

来月8月4日にシーズン開幕を控える『Apex Legends』。注目を集めているのが、18人目のレジェンドとなるシアの存在だ。マイクロドローンを操るリコン型のレジェンドで、索敵能力に優れている。パッシブアビリティ「ハートシーカー」では、エイムをした際に75m以内の敵の心拍を捉え、敵の位置を把握することが可能。戦術アビリティ「フォーカス・オブ・アテンション」では無数のマイクロドローンを放出し、周囲にいる敵の位置をトラッキングできる。そしてアルティメットアビリティ「ショーケース」では、マイクロドローンで巨大な球体を作り出し、範囲内で素早く移動した敵を検知することが可能だ。 

そうした特徴を踏まえ、プレイヤーの間では早くもシアにまつわる議論が盛んになっている。なかでも期待と懸念が集まっているのが、戦術アビリティの性能だ。本アビリティは、実は敵の位置を明らかにするだけではない。フォーカス・オブ・アテンションを受けた敵には、さまざまな付随効果が発動するのだ。大きなポイントは、「トラッキングされた敵はわずかなあいだ、アビリティおよび、回復アイテムの使用と蘇生が不可になる」という点だろう。いわば、レヴナントのサイレンスを受けたうえで回復も阻害される状態になるということだ。敵の位置を明らかにしたうえ、さらに行動妨害もできる、きわめて有用性の高い能力に思われる。 
 

  
ここまで豪華な能力内容を聞くと、気になってくるのは既存レジェンドとの棲み分けだ。とくに現在、ブラッドハウンドをメインに使っているユーザーはシアの動向が気になるところだろう。ブラッドハウンドの戦術アビリティも、周辺をスキャンすることで敵の位置を明らかにする能力だ。しかし、シアのように付随効果はなく、純粋にトラッキングのみに特化したシンプルなアビリティとなっている。シアの登場により、ブラッドハウンドの能力が“劣化版”と化すのではないかという懸念を抱くユーザーも少なくない。 

こうしたシーズン開幕前の不安に対し、開発者からさまざまな回答が出ている。まずTwitterでは、デザインディレクターのJason McCord氏に対し、シアの登場でブラッドハウンドの使用率が廃れるのではないかと質問が投げかけられた。これに対しMcCord氏は、ブラッドハウンドは「範囲認識」に特化した能力であると回答。特定のエリアに対し、広い範囲で索敵することに長けていると述べる。 
 

 
一方でMcCord氏は、シアのトラッキング能力を活かすためには、どこに敵がいるのかを前もって知っておく必要があると言及。その有効範囲はブラッドハウンドよりはるかに狭いと語っている。たしかに、ブラッドハウンドのスキャン範囲は75mにおよび(Apex Legends Wiki)、回避することは不可能。これに対してシアの戦術アビリティはまず敵の位置に見当をつけてから、命中させる必要がある模様。広い範囲をカバーできるブラッドハウンドと一点集中でトラッキングするシア、両者の能力は大きく違いがあるというわけだ。 

同様に、ゲームデザイナーのDaniel Zenon Klein氏もブラッドハウンドとシアの違いに言及。前者が範囲型であるのに対し、シアの索敵は非常に高い精度が必要で「スナイパーライフルのような」能力であるとしている。敵にかわされるリスクもある分、うまくヒットした場合は長い時間トラッキングが可能になるようだ。なお、懸念を集めているサイレンス効果についてもコメント。その持続時間は1秒程度であり、継続的な妨害というよりも一時的な中断に近い効果であると説明している。シアの戦術アビリティは得られる効果が多い分、敵にヒットさせるには技術が必要となるようだ。 
 

 
新シーズンを前に、多くのユーザーの期待と不安が寄せられるシアの性能。その性能の如何は、開幕後に明らかになることだろう。シーズン「エマージェンス」は日本時間で8月4日に開幕予定だ。なお7月31日には、『Apex Legends』公式Twitterにて、YouTuberのiTemp氏によるシア解説動画が投稿されている。パッシブアビリティと併用することで戦術アビリティをヒットしやすくなる、アルティメットアビリティは破壊も可能であるなど、実戦にすぐ役立つ知識が解説されているため、シアの実装前にチェックしておくといいだろう。 
 

【UPDATE 2021/07/31 12:59】
ブラッドハウンドのスキャン範囲に関する記述を修正。