『サイバーパンク2077』ゲームディレクター変更、前任者は社内の体制改革に専念。12年間務めたクエストディレクターも退職へ


CD PROJEKTは5月27日、『サイバーパンク2077』のゲームディレクターとして新たにGabriel Amatangelo氏を指名したことを明らかにした。同時に、クエストディレクターMateusz Tomaszkiewicz氏がチームを離れ、CD PROJEKTを退職するはこびとなる。 

Amatangelo氏は2005年、Electronic Arts(EA)傘下のスタジオMythic Entertainmentに入社。リードデザイナーやコンテンツデザイナーを務め、Mythic Entertainmentが閉鎖されたのちはそのままEA傘下のBioWareへ移籍した。『ドラゴンエイジ:インクイジション』のDLCを手がけたほか、『Star Wars: The Old Republic』にて複数のエキスパンションに携わっている。 

その後、2015年には一旦EAを離れ、小規模スタジオQC Gamesの共同設立者に。のちにコンサルタント職などを経て、2020年にCD PROJEKTへ入社している。当初は『サイバーパンク2077』におけるクリエイティブディレクターの任を負った。今後は『サイバーパンク2077』における将来的なコンテンツ拡張をリードする立場になるようだ。 

前任の『サイバーパンク 2077』ゲームディレクターAdam Badowski氏は、現在社内の別のリーダー職務に専念しているという。3月に語られた、ゲーム開発体制の転換「RED 2.0」を推し進めているといい、2022年から複数のAAAタイトルを同時並行して開発する体制を整えているようだ(関連記事)。スタッフの拡充やCTO職の見直しと強化、職場環境の改善、独自ゲームエンジンREDengineを中心とした開発、および外部とのコミュニケーション見直しなどに取り組んでいると思われる。 
 

 
また、このたびCD PROJEKTを退職するTomaszkiewicz氏は、12年間にわたり同社に在籍してきた人物。2008年にジュニアQAスペシャリストとして入社し、『The Witcher』に携わる。その後は『ウィッチャー2 王の暗殺者』『ウィッチャー3 ワイルドハント』にてクエストデザイナーを務め、シリーズ通してフランチャイズを支えてきた。『サイバーパンク2077』においてもクエストディレクターを務めたTomaszkiewicz氏。同氏が今後どのようなキャリアを築くのかは明らかになっていない。 

『サイバーパンク2077』はPS4/Xbox One版でのパフォーマンスの低さが批判を浴び、特にPS4ダウンロード版はPlayStation Storeから取り下げられる事態を招いた。今もなお同作が取り下げられている状況について、5月25日のCD PROJEKT Group株主総会にてCEOのAdam Kiciński氏が言及。配信再開するかどうかの決定権はSIEにあるため、CD PROJEKT REDとしては、配信再開を認めるというSIEからの連絡を待っている状態であると明かされた。 

現在も『サイバーパンク2077』はアップデートを重ね、改修が続けられている状態だ。いまだ課題を抱える同作を、Amatangelo氏がどう引っ張っていけるか注目したいところだ。