PS5向けローグライクTPS『Returnal(リターナル)』には、「中断セーブ機能」は必要か否か。開発元はコミュニティの議論を注視

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PlayStation 5向けローグライクTPS『Returnal(リターナル)』の開発元Housemarqueは5月1日、「コミュニティの意見には耳を傾けている」とTwitterに投稿した。本作に関する“セーブ機能”についての議論に対するコメントであり、ファンから注目を集めている。


『Returnal』は、未知の惑星アトロポスを舞台にするTPS。主人公の宇宙飛行士セレーネは事故によりこの惑星に墜落し、脱出する方法を求めて謎めいた廃墟を探索。そして異形の敵と戦うこととなる。ローグライク要素を取り入れた作品であり、道中で入手した装備やアイテム、アップグレードは、一部の引き継げるもの以外は死ぬとすべて失われ、プレイするたびにステージの構造や敵の配置が変化する。また本作では、死んではふたたび目覚めるループを、ストーリー要素に組み込んでいることも特徴だ。

本作はメディア・ユーザー双方から高い評価を獲得しているが、ある仕様については一部で議論が続いている。それは、中断セーブ機能が用意されていないことについてだ。本作では、プレイの途中であってもゲームを終了すれば、次回起動時は新たなループを開始するところからやり直しとなる。PS5本体の電源を切った際も同様のため、本作では冒頭に、ゲームを中断する際はPS5本体をレストモードにすることを勧める表示が出る。そこで、セーブ機能を追加してほしいという要望が一部のユーザーから寄せられている。


ただ、セーブ機能を追加することに反対するユーザーも一定数いる。その理由としては、本作がローグライクゲームであることが挙げられている。つまり、死ぬとすべてを失い最初からやり直しというサイクルと、これに結びついたナラティブ要素、そしてそうしたサイクルを支える歯ごたえあるゲームプレイが本作の最大の魅力であるため、中断セーブできない緊張感はあって然るべきだというのだ。

一方の賛成派は、中断セーブは実質的にPS5本体のレストモードと同じものであると主張。レストモードが正しく機能しなかったり、クラッシュした際にゲームの進捗が失われることを考えれば、セーブ機能を用意した方が確実だという意見である。中断してほかのゲームを楽しんで、また本作を再開することも可能になる。セーブ機能は、使い方によってはローグライクゲームの魅力が損なわれる可能性があるが、賛成派が求めているのは中断ポイントから再開するだけのシンプルな機能である。

開発元Housemarqueは過去に、難易度の高さは本作を手がけるにあたって掲げたビジョンのひとつだとコメントしていた(IGN)。セーブ機能の導入に反対する人たちの中には、中断セーブは難易度を引き下げることと同義であるとし、同スタジオは自らのビジョンを貫くべきだとする意見も見られる。一方のセーブ機能賛成派は、『Hades』や『The Binding of Isaac』など同ジャンルの高評価作品には中断セーブが可能なものも多いとして反論。ゲーム性と利便性を主張し合う議論は、なかなか噛み合わない。


Housemarqueは、本作へのセーブ機能の追加に関してファンが議論を交わしているRedditのスレッドを引用し、「現時点では発表できることは何もないが、コミュニティの意見には耳を傾けている」とコメント。具体的な態度は明らかにしていないが、セーブ機能について賛成・反対両方の意見があることを認識していると表明したかたちだ。今のところ、本作にセーブ機能が追加されるのかどうかは分からないが、熱心なファンが意見を戦わせており、どのような落とし所を見つけるのか注目されそうだ。

『Returnal(リターナル)』はPS5向けに販売中。弊誌では本作のレビューを掲載しているため、興味のある方はこちらもチェックしてほしい。

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