『デス・ストランディング』でフォトモードが熱い。「デススト写真部」の生み出す作品が映画ポスターのようなクオリティ

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デス・ストランディング(以下、デススト)』の魅力といえば、険しくも美しいアメリカの大地。あるいは名優たちが演ずるキャラクターの表情。はたまたBBの愛くるしさ、等々。それらすべての魅力をそのまま切り取ることができるのが、今月1日に追加された新機能「フォトモード」だ(関連記事)。ゲーム中に起動すると周囲の時間が停止し、好きな画角に調整しながらこだわりの1枚を撮ることができる。撮影中はサムやBBのポーズを指定できるほか、フィルターや被写界深度の調節など本物のフォトソフトさながらの編集をほどこすことができる。なかでも人気を集めているのが「映画のポスター」風に加工できる機能。“TOMORROW IS IN YOUR HANDS”のコピーとともに監督の名やプロダクションロゴが挿入され、どんな場面でもシネマ広告のような仕上がりになる優れものだ。ネット上の作品ファンたちは、見果てぬ『デススト』映画化のポスターアートを作成し楽しんでいる。

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こちらはTwitterユーザー・KEROTAN氏による作品。シンメトリーな構図で切り取られているのは主人公サムと、因縁の相手ヒッグスの対決だ。本作冒頭で示される安部公房の「なわ」の一節を引用しながら、それぞれが手に持つ「なわ」と「棒≒武器」の隠喩を見事に対比させている。彩度の低い画面で際立つ青と赤の光は、両者が背負う装置「オドラデク」のセンサーライトだ。差し色として全体に引き締まった印象を与え、同時にふたりの対立を視覚的に示している。気軽にシネマ風写真を撮れるのが本作の優れた点だが、この作品は計算された構図を的確に用いたコンセプチュアルな写真といえるだろう。

続いては、小島監督のファンブック制作で知られるKa0tic_Snake氏の作品。大胆に配置されたサムのシルエットと逆さ虹のコントラストがグラフィカルなポスターだ。影に染まるサムの足元は険しい山の頂を踏みしめ、デバイスやBBポッドの仄明るい光に照らされた輪郭は語らずとも孤独感を漂わせる。そして逆さ虹は作中において、時雨とともにBTの出現を知らせる不吉な象徴だ。しかし、ツイートに添えられたコメント”Somewhere, under the rainbow..”は有名な「オズの魔法使い」の劇中歌「虹の彼方に」における歌詞のオマージュ。はるか理想の場所を追い求める歌のイメージが重なることで、虹はここでない遠い場所と自らをつなげる象徴にも見えてくる。添付された「#家にいてもつながる輪」というハッシュタグには、自粛ムードで孤立化が進む世間を鼓舞する意図も込められているのだろう。劇的な視覚効果とともに強いメッセージ性を秘めたポスターアートといえる。

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Twitterユーザー・Yike Hsu氏がフィーチャーしたのは物語の重要人物・クリフとサムのツーショットだ。まるでふたりが歴戦の相棒であるかのような、戦場映画風のポスター。クリフから伸びる特徴的なケーブルがサムとつながる角度で切り取られているのも、両者の絆を連想させる憎い演出だ。とはいえ本作をプレイした人なら、彼との関係がそれほど平坦なものではないことを知っているだろう。作中でクリフと邂逅できる貴重な機会を逃すことなく、フォトモードによる位置調整・ポーズ指定を駆使することでうまくバディ風の写真を仕立てたものと思われる。王道の構図でありながら、背後には並ならぬ苦労をうかがわせる作品だ。このほか『デススト』写真界隈では、うまくクリフとの位置取りを調整して「もしふたりが共闘したら」というifの光景を切り取った写真が散見される。

ポスター風作品は、映画のようなドラマチックなものばかりではない。『デススト』フォトがきっかけでTwitterを始めたというnasyche氏は、一味違った被写体をピックアップしている。激写されているのは作中で出会う敵対勢力「ミュール」の姿。それも神秘的な光を放つワイヤーを身にまとい、映画というよりさながらモード系ファッションの広告のようだ。発光するヒモの正体は、サムが扱う護衛武器「ボーラガン」から射出されたワイヤー。相手を殺傷することなく拘束・無力化する序盤の頼れる装備だ。ミュールは常にサムの荷物を強奪しようと襲ってくるが、それほど強力な相手ではないため逆襲されることがしばしば。いつものようにお縄になったミュールを、思いもよらないスタイリッシュな姿で切り取った奇跡の作品といえる。サムにちょっかいをかけては返り討ちに遭うミュールは一部で「愛されキャラ」化している模様。『デススト』写真コミュニティでは、しばしばサムとの心温まる(?)交流場面が投稿されているようだ。

コスプレイヤーのユキヲ・パーカー氏が撮影したのはきわめて穏やかなひとこまだ。錆びつきボロボロになった建設装置と、その脇にかがみ静かに微笑むサムの姿。ポッドの中で頬杖をつくポーズのBBが愛くるしい。この古びた鉄柱はユキヲ・パーカー氏にとって記念となる、忘れがたい装置とのこと。メンテナンスで清掃する前に、さまざまなプレイヤーに愛用されてきた誇らしげな姿を収めておいたそうだ。一種の家族写真とも見てとれる静かな画面だが、素朴な構図だからこそ背後にある記憶や感情が直に伝わってくる。派手なVFXやアクションばかりではない、ヒューマンドラマとしての『デススト』映画のポスターにふさわしい名作だろう。

『デススト』のフォトモードによる盛り上がりは類を見ない活況ぶりで、とても紹介しきれない佳作がいくつもネット上にあふれている。興味がある人はTwitterの「#デススト写真部」タグを覗いてみるといいだろう。雄大な北米大陸の景色やチャーミングな登場人物たちが待っているはずだ。また、アメリカのSony Interactive Entertainmentが運営するPlayStation.Blogでは米国時間15日まで『デススト』をテーマにした写真を募集しており、選考にはKojima Productionsも携わるとのこと。指定のハッシュタグを添えて投稿すれば自動でエントリーされるので、お気に入りの1枚が撮れたポーター諸氏は奮って参加してみよう。

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