Steamでの新作ゲームのリリース数は、2019年は過去最多を記録。一方で前年からの増加数は大きく減少


世界最大級のPCゲームプラットフォームであるSteamについて、Valveが提供するWeb APIによりSteamの統計情報を公開しているSteamSpyにより、2019年内の新作リリース数が過去最多を記録していたことが明らかになった。海外メディアPCGamesNが報じている。

Steamにて2019年にリリースされたゲームおよびソフトウェアは、計8396本だったとのこと(DLCは含まず)。毎月700本前後がリリースされた。2018年は8206本だったため200本程度増えた形だ。Steamでのリリース数は毎年増加しており、1000本単位で増えていたここ数年と比べると勢いは鈍化しているが、依然として膨大な数の作品がリリースされていることが改めて確認された。

2019年のSteamアワードでは、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』がゲームオブザイヤーに選ばれた。

Steamでのリリース数の増加は、2016年ごろから顕著になってきた。インディーゲームの隆盛や、Unreal Engine 4やUnityなどのゲームエンジンが無料で利用できることは後押しになったかもしれない。またSteamにおいては、Steam Greenlightに替わって導入されたSteam Directの存在も大きいだろう。Steam Greenlightでは、Steamユーザーによる投票にて事前に一定の支持を集める必要があったが、Steam Directでは必要な書類と申請料を支払えば自由にゲームを配信できる。

Steam Directが導入された2017年当時、Steamでの新作のリリース数が徐々に増加し始めていたことが報告されている。また2018年には、荒らしや違法行為を除くあらゆるコンテンツを原則的に容認する方針がValveから示されたことで、過激な作品を含め幅広い作品がリリースされるようになった。これに合わせ、Valveは膨大なリリース数により作品が埋もれないよう、ストアの改善を継続的に実施。おすすめや類似品としてユーザーに提案する作品の正確性を高めたり、所有タイトルを管理しやすいようライブラリ機能のアップデートをおこなっている。

一方で、先述したように2018年から2019年にかけてはリリースの増加数が大きく減った(2017年から2018年には約1000本増加)。2019年には、そうしたSteam Directやコンテンツ容認のように、Steamでの配信を促進するような目立った展開がなかったことが、増加鈍化の要因になるのかもしれない。いずれにせよ、理由は複合的なものだろう。2020年も同様にわずかな増加にとどまるのか、大幅に盛り返すのか、それとも成長がストップするのか注目される。


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