中国遠洋漁船の悲劇をテーマとしたADV『One-Way Ticket』日本語対応。6月にはNintendo Switch版発売へ

 

パブリッシャーZodiac Interactiveは5月20日、昨年10月よりSteamで販売している『One-Way Ticket』を日本語および英語に対応させたと発表した。両言語の対応にあわせて、半額セールも実施されるという(5月20日18時時点ではまだ実施されず)。なお、Nintendo Switch版が6月に発売されるそうだ。

『One-Way Ticket』は、中国遠洋漁船「魯栄漁2682号」上で起こった過酷な事件をモチーフにした作品。「魯栄漁2682号」は、33人乗りの中国の水産会社が所有するイカ釣り漁船(China.org.cn)。漁に出たのち、2011年7月に沖縄本島の東海上で、10人の乗組員が手を振っていることが確認され、日本側の救助を得たという実在の船。この船の中で起こった過酷な事件をテーマとした作品だ。

本作はサスペンスタイプの、ビジュアルノベル型アドベンチャーゲームだという。男女グループの一員となり、漁船に乗り込む。しかしこの船の中では、知らぬ間に殺人事件が繰り広げられていた。船という密室に囚われたプレイヤーの船は、“片道切符(One-Way Ticket)”になるのか、あるいは。

本作は事件を取材しているというだけあり、事実にかなり基づいているという。美しいビジュアルやBGMから奏でられる、そうした緊張感のある生死を問う物語は評価されている。一方早送りが遅かったり、スキップ機能がないといった快適さの部分で評価を落としており、Steamレビューステータスは賛否両論となっている。

日本語での情報も少ない、中国の遠洋漁船に起こった悲劇。ゲームを介して実在の事件の理解を深めることもできるだろう。Game*Sparkでは、同作について掘り下げたレビュー記事が掲載されているので、そちらを読んでみるのもよさそうだ。