マイクロソフトがファーストパーティグループを「Xbox Game Studios」に改名。傘下13スタジオ間では技術共有を推し進める

マイクロソフトは2月6日、Web番組「Inside Xbox」を放送し、この中で傘下に抱える開発スタジオの総称および統括する部門の名称を「Xbox Game Studios」に変更すると発表した。ここにきて自らのゲームブランド「Xbox」の名を冠することとなった。

マイクロソフトは2月6日、Web番組「Inside Xbox」を放送し、この中で傘下に抱える開発スタジオの総称および統括する部門の名称を「Xbox Game Studios」に変更すると発表した。マイクロソフトは、初代Xboxのローンチに合わせてゲーム部門をMicrosoft Game Studiosに改称し、のちにMicrosoft Studiosに変更。共におよそ10年のあいだ使用されてきたが、ここにきて自らのゲームブランド「Xbox」の名を冠することとなった。

Microsoft Studiosから引き続いてXbox Game Studiosの代表を務めるMatt Booty氏はInside Xboxに出演し、今回の名称変更について説明している。同氏は、Microsoft Studiosはこれまでコンソール向けを中心にゲームの開発をしてきたが、近年はPCやモバイル向けにもゲームやサービスを提供するようになっており、Xboxというブランドはもはやコンソールだけにとどまらないと述べる。そして、どのようなデバイスであれ誰とでも一緒にゲームをプレイできるというXboxの精神に基づいて、今回のXbox Game Studiosへの名称変更を決めたとのことだ。

またBooty氏は、『Halo』や『マインクラフト』など強力なフランチャイズを抱えるXbox Game Studiosにおいては、テレビや映画、音楽業界との連携も考えられなくはないが、スタジオのDNAでありルーツとなるのはゲーム開発であると述べる。クリエイティブなチームを構成してゲームの開発に集中するため、スタジオ名に「Game」と(再び)付けたのは重要なポイントであるとしている。そして今回の名称変更は、どのようなスタジオであるのかを表現するためにおこなったものであり、何か方針変更を表すものではないとのことだ。

Xbox公式サイトより。ここには無いがMicrosoft Casual Gamesも傘下に持つ。また、Mojangに関しては『Minecraft』とタイトル名で表記されている

Xbox Game Studiosは、現在13のスタジオを傘下に持っており、『Halo』の343 Industriesや『Forza』のTurn 10 Studios、『Gears of War』のThe Coalitionといった、Xboxを代表するフランチャイズを専門に手がけるスタジオから、老舗スタジオのRareや『マインクラフト』のMojangなど幅広い開発会社を抱える。2018年にはこれらの面々に加えてさらに、Playground GamesやUndead LabsといったXboxと縁の深いスタジオに加え、Ninja TheoryやCompulsion Games、Obsidian Entertainment、inXile Entertainmentといった有力スタジオを次々に買収して話題となった。また、『トゥームレイダー』シリーズの開発元Crystal Dynamicsの元代表が率いるThe Initiativeが傘下スタジオとして新設されている。

Booty氏によると、これらのスタジオ間では技術や知見の共有をおこなっていく方針で、今週にはこれらのスタジオの各代表が一堂に会してのミーティングをおこなうとのこと。Rareの『Sea of Thieves』にて高く評価された海を表現する技術や、343 Industriesが新作『Halo Infinite』に向けて開発中のゲームエンジンSlipspace Engineなども、必要とするほかのスタジオに共有されることがあるのかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=1EabmcTVL2k

またXbox Game Studiosとしては、傘下スタジオのポートフォリオを管理するだけでなく、外部スタジオと連携してのゲーム開発もおこなっている。たとえば、来週2月15日に海外で発売予定の『Crackdown 3』はSumo Digitalが開発しており、Moon Studiosが手がける『Ori and the Will of the Wisps』も、独占タイトルのひとつとして今回の発表の中で言及されている。こうした提携も今後継続していくものと見られる。

Xboxブランドにおいては、Lionhead Studiosなど傘下スタジオの閉鎖や『Scalebound』の開発中止など、独占タイトルのラインナップについて不安視される状況がしばらく続いたが、昨年の大型買収は好材料といえ、また今回のXbox Game Studiosへの名称変更は継続的なサポートへの決意の現れとも受け取れる。Xbox Game Studiosとしての今後の計画は、6月のE3にかけて発表していくとのことで、『Gears 5』など2019年内発売予定の作品の続報や、未発表の新作の披露が期待される。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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