ホラーアドベンチャー『INSIDE』のプレイヤーが急増しているようだ。Steamでは、9月3日に同時接続プレイヤー数が一時約2000人を突破。盛況を博している。その裏には、本作おなじみとなった出血セールがあるようだ。
『INSIDE』は、暗澹たる世界を突き進むパズル・アクションゲーム。開発元は、デンマークのスタジオPlaydead。プレイヤーはひとりの少年を操作。ゲームプレイはサイドビューで展開され、道中ではさまざまな障害を乗り越えていくこととなる。オブジェクトを利用したパズル、即死トラップ、謎の敵。ジャンプと移動のシンプルなアクションを駆使して突き進む。一方、少年を取り巻く状況などは一切説明されず、言語情報を用いない謎めいたストーリーも特徴的だ。謎のプロジェクト、襲い来る人間たち。孤独な少年は歩みを進める中、徐々に世界の闇に引きずり込まれていく。本作はその不穏な世界観や秀逸なグラフィックデザインなどが評価され、Steamユーザーレビューでは「圧倒的に好評」ステータスを獲得。レビュー集積サイトMetacriticにおいてはメタスコア87点を記録している。
そんな本作は、9月3日に同時接続プレイヤー数が一時約2000人を突破。発売から7年を経た本作になぜプレイヤーが集まっているのか。その理由は至ってシンプル。セールで安いからである。本作では9月2日から90%オフのセールが実施中。なんと90%オフの230円で本作が購入できる。セールトラッキングサイトIsThereAnyDealによると、Playdeadは2022年秋頃からセール時の値下げとして90%オフセールを実施中。今回の90%オフセールはおよそ7度目である。とはいえ、稀代の傑作である本作を230円で購入できるのは、良い機会ではある。セールを皮切りに人が集まっているようだ。
ちなみに『INSIDE』のセールが脚光を浴びるのは、Steam上だけではない。Nintendo Switchでも同作はたびたびセールされており、脚光を浴びている。Nintendo Switchでは、Steamを上回る91%オフのセールが実施されることもある。90%オフセールを含めると、この1年半で10度のセールが実施。さらに、ニンテンドーeショップは、金額ベースではなく本数ベースのランキングということもあり、『INSIDE』がセールされると、国内外のダウンロードランキングにたびたび顔を出す。セールによって存在感を出しているといえよう。
安値で販売することで存在感を出すという手法を、小規模のゲームパブリッシャーなどがとることは多い。一方Playdead規模のスタジオと、アワードを総なめした『INSIDE』で敢行されるというのは興味深い。同スタジオは現在新作の開発に励んでおり、前評判も高い。『LIMBO』とあわせて、Playdeadのゲームを遊ぶことで、次回作への予習をしておくといいかもしれない。
『INSIDE』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS4 /Xbox One/Nintendo Switch/モバイル(Android/iOS)向けに配信中だ。