『風ノ旅ビト』から影響受けるキツネADV『The First Tree』Nintendo Switch/PS4/Xbox One版が国内発売。開発者が日本からの反響を語る

インディー開発者のDavid Wehle氏は11月30日、アクション・アドベンチャーゲーム『The First Tree』のコンソール版を国内発売した。プラットフォームは、Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox Oneで、価格は1000円(Xbox One版のみ1150円)。なお、ゲーム内は英語音声・日本語字幕となっている。

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『The First Tree』では、プレイヤーは一匹の母キツネとなり、行方が分からなくなってしまった子ギツネたちを探して大自然を旅する。それは、とある男性が見ていた夢の中の出来事である。母キツネは、光の珠によって導かれ、雪山や緑あふれる草原、紅葉の森など美しい世界を駆けていく。そして、光の柱が立っている場所のふもとを掘り起こすと、およそこの自然の中にあるはずのない物、男性の思い出の品々が現れる。ナレーションとして登場する男性はそのたびに、遠いアラスカで孤独に暮らす父親との絆について思いを馳せながら、親しい女性と会話を交わす。そうして、家族との再会を願う母キツネと男性の物語が交差しながら、生と死について考えさせられる母キツネの旅は進む。

本作はPC(Steam)版が先行して発売されているが、今回のコンソール版の発売に合わせて、操作性などの改善のほか、探索で発見できるアイテムやシークレット要素、また開発者David Wehle氏によるコメンタリーモードが追加された。これらはSteam版にもアップデートにて追加されている。設定でコメンタリーモードを有効にすると、ゲームの進行状況に合わせてWehle氏が本作が生まれた背景などについて解説してくれる。ただし、こちらは英語音声のみとなる。

今回、弊誌はDavid Wehle氏に『The First Tree』についてお話をうかがった。本作は『風ノ旅ビト』からの影響が大きいそうで、同作のPS4版をクリアしたあと、皿洗いをしている最中にアイデアが閃いたという。同作のような美しい体験を作りたいが、一方で個人でゲーム開発をしているWehle氏にはできることは限られている。そして考えを巡らせているうちに、キツネが旅をするなかで、人間を中心に据えたもうひとつの物語が展開していく本作のスタイルにたどり着く。もともと探索ゲームや物語主導の作品が好きだったそうで、それらへのこだわりを導入しつつ、本作に登場する男性が語る父親との物語には、自身の実体験を断片的に盛り込んでいったという。

キツネを主人公としたのは、Wehle氏の奥さんの旧姓がFoxであることや、奥さんがキツネ好きだったことで、家族をテーマにした本作にピッタリだと思ったからだとのこと。ふたりのウェディングケーキにも、2匹の木彫りのキツネを飾ったのだとか。日本において、キツネは親しみのある動物というだけでなく、信仰の対象であったりと特別な存在とされることも多い。Wehle氏はそうした事実について最初は知らなかったものの、結果的に本作の物語ともマッチしているのではないかと述べる。

本作のSteam版の発売以来、日本からの反響は大きかったという。アメリカに次ぐ2番目の売上を記録しており、インディーゲームとしては異例のことだそうだ。日本のプレイヤーからメールをもらうこともあり、中には美しい本作に心を打たれて涙したといった内容もあったとのこと。こうした反響があったため、今回全機種のコンソール版を日本でもリリースする決断をしたという。ただ、海外の個人開発者がパブリッシャーを使わず、日本向けに各プラットフォームホルダーとやり取りしたり、CEROレーティングの取得などの手続きをするのはかなり苦労したそうだ。

最後に、本作についてWehle氏はエピローグに注目してほしいとコメントしている。母キツネと男性の物語が交差していく中で生まれるであろう疑問の答えはそこで見つかるだろうとし、エンディングがすべてを繋ぐカギになるとのことである。また、本作のような小規模な作品が日本でも受け入れられたことは、個人で活動する開発者にとって大きな意味を持つとし、本作をプレイした日本のプレイヤーに感謝の言葉も述べている。そして、今回のコンソール版の発売により、また新たなプレイヤー、特に愛する誰かを失った喪失感を感じている子供達に、本作が受け入れられることを願っているとのことだ。

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