Nintendo Switch向け『One Strike一騎打ち』が著作権侵害により販売が一時停止。“そのまま”なBGMが原因で配信ストップ

ポーランドに拠点を置くパブリッシャーQubicGamesは先月10月19日、Nintendo Switch向けに販売していた『One Strike一騎打ち』をニンテンドーeショップから取り下げた。同作は、そのおよそ1週間前の10月11日に配信開始されたばかり。QubicGamesは配信停止の理由について、ゲーム内で使用されていたBGMの一部に著作権侵害に関わる内容が含まれていたと発表している。

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『One Strike一騎打ち』は、ブラジルのインディースタジオRetro Reactorが開発した、日本を舞台にする一撃必殺の2D対戦格闘ゲームだ。昨年Steam版がリリースされ、そしてNintendo Switch向けの移植と日本語ローカライズがおこなわれた。侍や僧兵、くノ一など計6人いるキャラクターから選び、それぞれが持つ日本刀や偃月刀、鎖鎌などの武器の特徴を活かして戦う。左右の移動と、攻撃および防御のみのシンプルな操作を採用し、一撃で勝負が決する緊張感のあるバトルを楽しめる作品である。

今回、本作が配信停止となった経緯について、弊誌が販売元のQubicGamesにうかがったところ、本作の「たたかいのきろく」メニューにて流れる音楽が、別のゲーム作品で使用されていた音楽と同じではないかと、日本のプレイヤーからメールやTwitterを通じて連絡を受けたことがきっかけだったという。そのゲーム作品について同社は「1990年に日本で発売されたゲーム」と述べるのみだったが、具体的にはコナミからファミコン向けに発売されたRPG『魍魎戦記MADARA』のことのようだ。以下に問題となった『One Strike一騎打ち』の楽曲と、『魍魎戦記MADARA』の該当楽曲を掲載するので聴き比べてみてほしい。

このふたつの楽曲を比較すると、「影響が感じられる」「フレーズが似ている」といったレベルではなく、同一と言っても差し支えないほど一致していることが分かるだろう。しかし、なぜこのようなことが起こったのか。QubicGamesによると、開発元のRetro Reactorは、本作に収録する楽曲は外部に制作を依頼したそうで、そこに雇われた何人かの作曲家が手がけた各楽曲がRetro Reactorに納品されていた。そして、今回の問題が発覚して調査をおこなったところ、原因はすぐに判明。雇われた作曲家のひとりが、本作のために自身が手がけた新曲だと偽り、『魍魎戦記MADARA』の楽曲を拝借し提供していたのだ。

これを受けてQubicGamesは、即座に本作の配信停止の手続きをおこない、また既に購入していたユーザー向けには該当楽曲を削除するパッチを配信することとなった。なお、Steam版でもパッチにて楽曲が変更されたが、こちらはRetro Reactorが自主販売しており、同スタジオの判断で現在も販売が継続されている。

本作のステージの中には、『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』からの影響が非常に強く感じられるものも

つまり、少なくとも販売元のQubicGamesは、本件については被害者という立場のようだ。ただ、ひとたび今回のような著作権侵害の問題が発生すると影響は小さくない。実際、『One Strike一騎打ち』のNintendo Switch版は販売停止に追い込まれている。ゲームの販売元として、こうしたリスクについてどのように考えているのかをうかがった。

QubicGamesはまず、契約した開発元のゲームに含まれる各要素について、その開発元が独自に制作したコンテンツなのか、それとも他作品の模倣なのかをすべてチェックすることは不可能だと述べる。そのため、開発元と契約を結ぶ際には必ず、その作品について必要なライセンスを取得していることを保証してもらったうえで、販売許可を与えてもらうようにしているとのこと。AAAタイトルを手がけるような大規模なメーカーなら自ら隈なくチェックすることを求められるかもしれないが、比較的小規模な作品を扱う販売元としては、開発元を信じるしかないというのが実情なのだろう。そういう意味では、『One Strike一騎打ち』の開発元Retro Reactorも楽曲の外部委託先を信じるしかなく、今回の問題においてはこちらも被害者といえるかもしれない。ただQubicGamesとの契約上、責任の一端は同スタジオにあることは間違いないだろう。

ゲーム作品において、こうした著作権侵害はそうたびたび発生するものではないが、たとえばNintendo Switch向けに海外で発売中のビー玉転がしゲーム『Marble It Up!』でも、著名アーティストの楽曲に似ているとプレイヤーから報告を受けて、収録楽曲を差し替える事態となった。ただ、指摘された楽曲とを聴き比べても、似ているといえば似ているという範疇であるように感じられ、あからさまなコピーというわけではなかったようだ。それでも差し替えをおこなったのは、万が一のリスクを避けたかったのかもしれない。同作の開発元は、意図したものでは100パーセントないとコメントし、現在も販売を継続している。

販売停止中のNintendo Switch版『One Strike一騎打ち』について、販売元QubicGamesは可能な限り早く販売を再開したいと述べている。ただ、現時点では具体的な時期は決定していないとのこと。またこれとは別に、開発元Retro Reactorは本作向けの追加キャラクターを複数開発中。そのひとりとして、金棒を振るう鬼のキャラクターが公開されている。QubicGamesは、本作の販売再開時には、その新キャラクターの内のひとりは(ゲーム内に登場する)準備できている可能性があるだろうとしている。今回は思わぬトラブルに巻き込まれてしまったが、近く販売再開されることを期待したい。

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