テロ組織「アルカイダ」指導者ビン・ラディンは、DSで「マリオ」を遊びSteamを利用するゲーマーだった?CIAの公開した資料が推測を生む

 

米中央情報局CIAは11月1日、国際テロ組織アルカイダの指導者であったウサマ・ビン・ラディン氏のパキスタンの隠れ家で発見した資料を公開した。資料は2011年5月時点のもので、氏の所持していたPCのハードディスクドライブのデータを含めて約47万にものぼる。資料は、文書や音楽、画像、動画など多岐にわたる。たとえば、ビン・ラディン氏の個人的なジャーナルや文書ファイルが約1万8000以上、“個人的な趣味”のためのもの7万9000以上、プロパガンダビデオは約1万以上保管されていたという。CIAは以前より氏が所持していた本などが段階的に公開していたが、今回はより多くの資料が世に出た形だ。

現在技術的な問題によりリストがのせられている該当ページにはアクセスできないものの、氏の所持していたファイルは実に幅広い。単なるイラストからゲームのスクリーンショット、巨乳の女性が描かれている画像まで、さまざまなファイルを収集していたことがうかがえる。CIAは、ポルノコンテンツやマルウェア、そして著作権に抵触するコンテンツ公開していないと述べており、いくつかの非公開の映像を例としてあげている。そうしたなかには『ファイナルファンタジーVII(おそらく映像作品であるアドベントチルドレン)』『バイオハザード』といったゲームタイトルに関連した映像も含まれている。

著作権に抵触する映像作品例のリスト

氏のPC内にはニンテンドーDSのエミュレーターの存在が確認されており、同ハード向けの『ナルト』シリーズのゲームや、『New スーパーマリオブラザーズ』や『マリオ&ルイージRPG2』、『ヨッシーアイランドDS』や『メトロイド プライム ハンターズ』といった任天堂タイトル、『グランド・セフト・オート・チャイナタウンウォーズ』が遊ばれていた痕跡が発見されている。こうしたゲームデータのファイルは海賊版のものだとされ、ゲームボーイアドバンスのエミュレーターの存在も確認されているとのこと。さらにはSteamを利用し、『Counter-Strike』を遊んでいた跡が残されており、Steamユーザーだったのではないかと推測する声もある。

テロ組織の指導者が大衆的な映像やゲームを楽しんでいたという事実は興味深いものの一方で、海外メディアKotakuはこうした推測に対して疑問を抱いている。というのも、ビン・ラディン氏はこの隠れ家では妻や12人もの子供たちと暮らしていたと報じられていたことから、押収されたからといって氏が個人的に楽しんでいたという証拠はどこにもないという。確かに非公開の映像の例には『アンツ』や『カーズ』『アイス・エイジ』といったタイトルが確認されていることを代表に、押収された子供向け(もしくは子供でも楽しめる)コンテンツが多数発見されている。氏の家で発見されたハードディスクドライブから確認されている以上は、本人もしくは近い関係者がこうしたコンテンツを楽しんでいたことには間違いないが、その発見された資料のジャンルの幅広さから考えると、共用PCを利用していたという可能性も大いに考えられるだろう。