“自分が止まると時間も止まる”ターン制弾幕ローグライク『Enter the Chronosphere』は、じっくり考えても高速プレイしても楽しい。5年間の開発秘話や今後の展望を訊いた

5年の開発を経てリリースされた『Enter the Chronosphere』の開発者にメールインタビューを実施した。

パブリッシャーのJoystick Venturesは5月26日、デベロッパーのEffort Starが手がけるターン制弾幕ローグライクゲーム『Enter the Chronosphere』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示にも対応する。

『Enter the Chronosphere』はターン制の弾幕ローグライクゲームだ。舞台となるのは、クロノスフィアと呼ばれる次元のゆがんだ異空間。プレイヤーは個性豊かな3体のヒーローを操作して押し寄せる敵と戦い、クロノスフィアの最奥を目指す。

約5年にわたる開発にひと区切りをつけ、早期アクセス配信を開始した本作。この度弊誌では、本作の開発を手がけるEffort Starにメールインタビューを実施。早期アクセスの形でリリースした理由や、今後のアップデートの予定を訊いた。以下にその内容を紹介する。

──自己紹介をお願いします。

Ned Kirner(以下、Ned)氏:
Effort Starのゲームデザイナー、Nedです。Effort Starはオーストラリア・メルボルンに拠点を置くインディースタジオで、メルボルン出身のスタッフを中心に、『Enter the Chronosphere』の開発を行っています。

──『Enter the Chronosphere』のゲームシステムの特徴や、魅力について教えてください。

Ned氏:
『Enter the Chronosphere』は、奇妙な異星の球体へと飛び込み、そこで遭遇する状況に適応していくゲームです。戦闘システムに特徴があり、見下ろし型シューティングにターン制タクティクスの要素を取り入れています。

ターンとターンの間、弾丸は空中に留まっているため、敵の行動を読み取り、時間をかけて最適な戦術を選択することができます。絶妙なタイミングで完璧な回避を決めたり、刀でロケット弾を弾き返したり、クナイを投げて敵の弾丸を破壊することも可能です。

最善の手を打たなければならないプレッシャーがないときは、リアルタイムアクションゲームのようにスピーディーにプレイすることも可能です。プレイヤーが自分なりのペースで本作を楽しんでくれることを願っています。

──早期アクセスを無事に迎えられた今の心境をお聞かせください。

Ned氏:
より多くのプレイヤーにこのゲームをお届けできることを大変嬉しく思います!たくさんのプレイヤーにこのゲームを楽しんでいただきたいですね。

──早期アクセス版では、ストーリーをクリアするのに何時間ほどかかるのか、おおよその目安を教えてください。

Ned氏:
プレイヤーの力量にもよりますが、現在実装されているミッションをすべてクリアするだけでも、最低30時間はかかる見込みです。おそらくほとんどのプレイヤーはそれ以上の時間を要するでしょう!ミッション以外にも楽しめる要素をたくさん実装しています。

──早期アクセス版でおすすめの武器や、注目のビルドなどはありますか。

Ned氏:
数え切れないほどあるので、ひとつを選ぶのは難しいですが、最近コミュニティで人気を集めているのは、「分子カタナ」という武器に「インプラント」MODを組み合わせたものですね。

「インプラント」は近接攻撃が命中した相手に昆虫の卵を産み付ける付帯効果です。「分子カタナ」には居合切りのような攻撃方法があるので、この組み合わせでは、敵の集団を居合切りで駆け抜ける際に、攻撃が命中した敵に昆虫の卵を埋め込むことができます。

卵はターン経過で孵化して多数の幼虫ミニオンとなり、敵の注意を引きつけます。幼虫はデコイとして使うだけでなく、「幼体捕食」というガジェットなどを使って、捕食して強化を得ることもできます。こうして文字にするとかなりグロテスクに聞こえますね(笑)

──今回、本作を早期アクセスの形でリリースされた理由を教えてください。

Ned氏:
早期アクセスでの配信を決定した一因として、私たちがプレイヤーからのフィードバックを非常に重視している点が挙げられます。これまで長きにわたり、コミュニティの皆様を対象にしたオープンベータテストや、デモ版の配信を実施してきました。早期アクセス期間を設けることで、プレイヤーが楽しめるコンテンツを継続的に追加しつつ、必要に応じてゲームのあらゆる側面を見直し、改善することが可能になります。

『Enter the Chronosphere』のようなゲームには、互いに連動するシステムが数多く存在します。また、ゲームプレイの核となる部分が非常に柔軟であるため、プレイヤーが攻略すべき刺激的な新たな種類の課題や、プレイヤーが活用できるツールを構築する余地が十分にあるのです。

──フィードバックを受けて調整した内容で、印象的だったものはありますか。

Ned氏:
大きな変更点のひとつは、戦闘中以外の場面でプレイヤーの移動速度が徐々に上がっていく「スプリントシステム」の導入でした。このシステムは、敵をすべて倒した後、広大なマップを移動することにプレイヤーが飽きてしまうとの意見へ対応したものです。移動速度を上げるだけの単純そうなシステムに見えますが、うまく機能させるまでに何度も試行錯誤を繰り返しました。

こういった難しい問題に行き詰まったとき、プレイヤーの皆様の要望は、間違いなく私たちがさらに努力し続けるための原動力になります。プレイヤーの皆様をがっかりさせてはなりませんから!

──早期アクセス期間中にはどのようなアップデートを予定されていますか。

Ned氏:
リリース後すぐに、ミッションの追加やストーリーの拡張を行っていく予定です。新しいバイオームも追加されます。近々実装予定の「エイリアン・メガコーポ」では、ディストピア的な街並みを舞台に、電気兵器やレーザー兵器を使って戦うことになります。

バイオーム、ミッション、キャラクター、新たなボスを追加する「メジャーアップデート」以外にも、機能改善やバグ修正に加え、武器やガジェットなどの小規模な新コンテンツを追加する「マイナーアップデート」を行い、頻繁にゲームをアップデートしていく方針です。

──どんなタイプのゲーマーに本作を遊んでほしいですか。

Ned氏:
さまざまなゲームプレイを試したり、自分に合ったプレイスタイルを編み出したりするのが好きなプレイヤーなら、『Enter the Chronosphere』でその楽しさを実感できるはずです。また、弾幕系ゲームに興味はあるものの、もっとゆったりとした戦略的な体験を好むプレイヤーも、混沌とした弾幕の迷路を攻略するための戦略を練りながら楽しむことができるでしょう。

──日本のプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

Ned氏:
新進スタジオのゲームにご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。私たちの日本向けの取り組みの一環として、今年もBitsummitに本作を出展しました。残念ながら、今年はリリース関連の業務で多忙を極めていたため、現地への参加は見送ることになりましたが、来年こそは現地に参加できることを願っています。

早期アクセス期間中も、皆様に楽しんでいただけるよう、新たな挑戦や隠し要素を随時追加していきますので、ぜひお楽しみください!

──ありがとうございました。

『Enter the Chronosphere』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。早期アクセス版の価格は1900円で、正式リリース時には販売価格が引き上げられる可能性がある。早期アクセス期間は最低でも6ヶ月間を予定されている。

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Junichi Matsui
Junichi Matsui

『風来のシレン』『アンリミテッド:サガ』『Dwarf Fortress』を人生の師とする雑食ゲーマーです。

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