『レインボーシックス シージ』新シーズン「Dread Factor」先行プレイで“新たな恐怖”に直面する。新オペレーターFenrirは視界を奪い、敵の動きを読む多機能防衛

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ユービーアイソフトは現地時間5月14日、『レインボーシックス シージ』の新シーズンであるYEAR8シーズン2「Operation Dread Factor」(以下、Dread Factor) の詳細を発表した。新シーズンでは新規の強力なオペレーター「Fenrir」がゲームに追加されるとともに、シージの象徴的なマップである「領事館」の大改装を含むいくつかの新要素が実装される。

テストサーバーへの実装を目前に控える中、ユービーアイソフトより「Dread Factor」先行プレイの機会をいただいた。実際に新シーズンに触れた上でのファーストインプレッションを紹介していこう。なお、一般公開前のテストサーバーの情報を含むため、ライブサーバーへの実装時と一部情報が異なる場合も想定される点に留意してほしい。




新オペレーター「Fenrir」は敵の視界を奪う

新オペレーター「Fenrir」

  • サイド:防衛
  • 専門分野:クラウドコントロール、トラッパー
  • メインウェポン:MP7(サブマシンガン)、SASG-12(ショットガン)
  • サブウェポン:Bailiff 410(ショットガン)
  • メインガジェット:F-NATT MINE
  • サブガジェット:有刺鉄線、防弾カメラ
  • アーマー:2 スピード:2


今シーズンからレインボー部隊に参加するFenrirはスウェーデン出身のオペレーターである。経歴によれば、特殊部隊員でありながら優秀な科学者でもある彼は、レインボー部隊の宿敵であるデイモスと組んで働いていた過去を持つため、一部の隊員からは疑念の目を向けられているらしい。

Fenrirのオペレーターとしての特徴は、メインガジェットである「F-NATT MINE」(以下、F-NATT)を用いたエリアコントロールだろう。F-NATTは、トラップに分類され、近づいた攻撃側オペレーターの視界を妨げることで撃ち合いのアドバンテージを形成するガジェットである。Fenrirが所持するF-NATTは5つ。F-NATTは設置後、遠隔で起動することができ、最大3つまでを同時にアクティベートして使うことが可能だ。

*壁越しに設置位置を視認し、遠隔で起動可能だ


攻撃側がF-NATTに近づくと、ガスが噴出し、5m以上の視界が利かなくなってしまう。もちろん、防衛側には一切作用しないので、開けたエリアであればF-NATTに引っかかった相手を一方的に視認して撃ち込むことが可能だ。

*起動したF-NATTは攻撃側の視界を奪う


撃ち合いでアドバンテージを得るために使うもよし、ほかの使い道としては、別のトラップとの合わせ技も有効だろう。引っかかってしまうと視界が利かなくなるため、足元に仕掛けられたKapkanのEDDやFrostのウェルカムマットなどの「分かっていたら絶対にかかるはずがない見え見えの罠」がとんでもない恐怖として襲い掛かるだろう。また、視界のきかない状態でThornのレイザーブルームシェルの起動音がどこからともなく聞こえてくといったシチュエーションは攻撃側に恐慌を引き起こしうる。F-NATTは「Dread Factor」の名に恥じない、相手にとっての新たな脅威となるだろう。

また、経験豊富なレインボー部隊の諸兄であればあるいはすでに察しているかもしれないが、F-NATTは直接的な撃ち合いの補助のみならず、エリアをコントロールするうえで非常に有効なガジェットであるといえる。下の画像のように、F-NATTは起動すると画面上でアイコンが赤く変色する。これは壁越しでも視認可能なので、Fenrirが地下にいても2階のF-NATTの起動を確認できる。

*F-NATTの起動は遠距離からでも確認できる


つまり、Fenrirは、攻撃側の侵攻をリアルタイムかつ広範囲で把握できるいわゆる「情報オペ」としての顔も持つのである。おそらく、チームプレイにおいてはこちらの側面のほうが有用で、一人で複数のエリアを見ることができる貴重なオペレーターとして競技シーンでの採用も期待される。

シージ初心者にとっても、上述の「撃ち合いを有利に運べる」「情報を広範囲で取得できる」といった性能になるFenrirはおススメになりそうだ。5対5のタクティカルFPSの根幹である「撃ち合う前に有利を作る」「エリアを広く管理できれば相手の選択肢を推察、制限できる」という部分を実地で学ぶ上で、いい教官になってくれるのではないか。ぜひ使ってみてほしい。


クラシックの刷新~領事館の大型リワーク~

新オペレーターFenrirの追加と並びDread Factorの目玉コンテンツといえるのが、ゲーム内マップ「領事館」の大型リワークであろう。ゲームローンチ当初から存在し、永くプレイヤーから愛憎を向けられてきたクラシックなマップが、8年目にしてついに洗練されたモダンな形で生まれ変わる。

マップの何をもって「洗練された」「モダン」とするかは人によって考えが分かれるところだと思う。個人的には、旧領事館の良くも悪くも尖っていた特性が今回のリワークでマイルドになっており、それゆえ、より競技性の高いゲーム体験ができるのではないかと感じている。


たとえば、上記の新領事館外観の画像を見ていただくと、経験のある人ならピンとくると思うが、建物の窓が以前より少なくなっている。これにより、攻防の撃ち合いが建物の外と内で発生する頻度が軽減されると想像できる。レインボーシックス シージは、建物に篭る防衛側の拠点を攻撃側が外から侵入して攻略する、というコンセプトのFPSだ。本来は建物の中に入ってから戦術のやり取りがスタートすべきなのだが、旧領事館は窓の多さゆえ、建物に近づく敵に対して防衛側が有利な形で最序盤に撃ち合いが発生しやすい構造となっていた。攻撃側の視点では、やりたいことをやる前に一方的にキルされてラウンドが終わってしまうことが比較的多く、それをストレスに感じる人もいただろう。リワークにあたり、この問題にまず向き合って「外と内」の射線を減らしたことは高く評価したい。

そして、「窓を減らす」という改修によって恩恵を受けたのは攻撃側だけではない。この旧領事館特有の「外と内」の感覚は攻撃側だけでなく、防衛側にも理不尽さを押し付けていた。これはレインボーシックス シージのルールに起因している。攻撃側が建物内に侵入し、拠点を制圧して「ディフューザー」を設置すると、防衛側はそれを解除するために拠点を取り戻さないといけない。ところがそうした場面では、旧領事館の「窓が多い」という構造を今度は攻撃側が逆手に取り、ディフューザー設置後は建物の外から一方的に有利な射線を敷けてしまうのだ。しかも、防衛側は建物の外に出ることが(原則的には)不可能である。

新領事館ではこの「外と内」に起因する問題も解決されていて、下記の画像の通り、以前は抑えれば攻撃側の勝ちが確定していたような射線が軒並み潰されている。地下ガレージは大外から覗けなくなったし、2階CEO室は“謎の棚”が増設され窓越しに奥まで見通せなくなった。

*見えないもの(地下ガレージ内部)を見ようとしてスコープを覗き込んだ
*いつでも探しているよどっか(2階CEO室)に会議室まで見通せる射線を


「外と内」という旧領事館の尖ったコンセプトをマイルドに整えたことで、攻防ともに恩恵が生じ、新たな均衡が生まれた。外観から受ける印象以上に内部構造は変容しており、ベテランプレイヤーにとっても新鮮な気持ちで遊べるマップとなっているのではないか。ぜひ新シーズンの「新マップ」を実際にプレイしてみてほしい。


射撃訓練場のアップデート、アーケードモード追加、まだまだあるぞ新要素

新オペレーターFenrir、領事館の大型リワーク以外にも、Dread Factorではいくつかの特筆すべき新要素が追加される。簡単にそれらを紹介しよう。

毎回のように新しい何かが付け加えられる射撃訓練場がさらにアップデートされる。レインボーシックス シージの複雑なシチュエーションに即して、移動するBot、壁貫通時のダメージのシミュレーションなどを試すことができるようになった。

定期的にイベントとして登場して評判を博していたアーケードモードが常設化される。ヘッドショット縛り、スナイパーライフル縛り、ゴールデンガンモードなどおなじみのラインナップに加えて、10人対戦のフリーフォーオールがついに導入される。射撃訓練場とあわせて、カジュアルにシージを楽しむ人の選択肢を増やすアップデートだ。

そのほか、新しい防衛側サブガジェット追加、“最弱オペレーター”とまでいわれたGrimの強化、バランス調整、コントローラー設定の追加、観戦視点のフリーカメラ化など、マニアックな変化もいくつか導入されており、アップデート分量としてもかなり意欲的なシーズンであるといえるのではないか。ぜひ実際に触ってみてほしい。

以上、駆け足ではあるが、新シーズンである「Dread Factor」の概要を紹介した。

レインボーシックス シージ』は、PC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。Xbox/PC Game Passにも対応している。YEAR8シーズン2「Dread Factor」は、日本時間5月15日にテストサーバー実装、5月30日にライブサーバー実装予定だ。

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