『信長の野望・新生』紹介。復帰勢による、優秀な家臣に頼りっきりの織田信長事前プレイ体験記

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コーエーテクモゲームスは7月21日、『信長の野望・新生』を発売する。対応プラットフォームはPC/PS4/Nintendo Switch。通常版価格は税込10780円。本作は日本の戦国時代を舞台とした歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』シリーズの最新作だ。プレイヤーは戦国乱世に生きる大名となり、内政によって軍事力を高め、他勢力との戦に討ち勝ち領地を拡大。やがては天下統一を果たすことを目指す。

本作はシリーズとして16作品目にあたる。シリーズ未経験の読者の中には、長い歴史を刻むがゆえ、今更プレイするのは躊躇してしまうという方もいるのではないだろうか。硬派な戦略シミュレーションゲームで難しそうと思っている方もいるかもしれない。かくいう筆者も、過去に同じような印象をもっていたからだ。

筆者が本シリーズに初めて触れたのは、『信長の野望・天道』が発売された十数年前。本作と同じくコーエーテクモゲームスが手がける『戦国無双』シリーズがきっかけで、戦国武将への興味が沸いたことからプレイし始めた。しかしながら、この手の戦略シミュレーションゲームが初めての経験だったこともあり、ゲームシステムの理解に四苦八苦。なかなか思い通りには進まなかった。とはいえ、このまま投げ出してはゲーマーの恥とも思いプレイを続行。やがてシステムへの理解が進むと途端に面白くなり、本業そっちのけで夜な夜な戦に明け暮れた淡い思い出が残っている。

その後はシリーズをプレイする機会が設けられず、かなりブランクが空いてしまったものの、本作の事前情報を聞いて復帰意欲が沸いてきた。本作はシブサワ・コウ氏40周年の節目を記念するタイトルであり、新たなシリーズの第1歩目を切るという意気込みから「新生」というタイトルが名付けられている。そしてシリーズに初めて触れるプレイヤーが迷うことのないよう、チュートリアル要素が丁寧に、分厚く用意されているというのだ。

そんな中、今回コーエーテクモゲームスより本作Steam版を先行してプレイする機会をいただいた。本稿ではシリーズを初めてプレイする、あるいは長らくプレイしていなかったユーザーが迷わず天下統一への道を歩めるのかという観点をふまえて、ゲーム体験を綴っていきたい。

迷わず織田家を選択

まずゲーム開始前に、シナリオと勢力を選択。初期のシナリオは1546年1月の信長元服から1582年5月の夢幻の如くまで、5つの年代が選べる。選択したシナリオによって各地の勢力図が変わり、勢力によって城や武将の数が変化する。つまりシナリオと勢力の組み合わせは、ゲーム全体の難易度に大きく影響するわけだ。今回のプレイでは、シナリオは1560年4月開始の「桶狭間の戦い」、勢力は織田信長が大名の「織田家」と、チュートリアルテキストでオススメされていたものをピックアップ。加えてゲームオプション上の難易度は、初めてプレイする人向けの「初級」を選択した。シリーズ通の方にはガチガチの初心者向け設定に映るだろうが、シリーズのリハビリも兼ねているのでご了承いただきたい。

ゲームがスタートすると、信長と秀吉の掛け合いの中で、ゲームの目的や大まかな流れが説明される。プレゼン資料のような視覚的に分かりやすい画像も用意されており、力の入れようがうかがえた。ざっくり紹介すると、ゲームの大目的は天下統一。その大目的を達成する鍵となるのは知行・内政・戦である。ゲーム序盤はこれら3要素を主軸として、領国経営の基礎を学んでいく。

その後始まるチュートリアルでは、家臣から次におこなうべき事が「具申」される。プレイヤーは各具申コマンドを選択し、実際に操作しながらゲームシステムを少しずつ把握していくのだ。

領地発展は優秀な家臣に任せる

具申にて最初に学んだのは「知行」。勢力拡大の要となるシステムである。本作では、家臣を各城の城主に任命して城の領地を治めてもらう。また城周辺には「郡」と称する複数の領地があり、城同様に家臣に与え任せていく。すると領主に任命した家臣が各々の判断で領内を発展させてくれるのだ。つまり大名であるプレイヤーがすべきことは、どの領地をどの家臣に任せるかの割り振りのみ。後は家臣が大名に代わって内政を整え領地を発展。自動的に金銭や兵糧収入を増やしていってくれる。

というわけで早々に領地を割り振り、家臣が働く様をぼーっと眺めていたのだが、大名として肝心な仕事が残っていた。大名が城主である本拠地については、大名自ら領内を開発していく必要があったのだ。すぐさまマップ上で郡の状況を確認し、金銭と労力を消費して集落を掌握・建設。国力を高めていった。なお本拠地についても、郡ごとに代官を任命することで自主的に領地を開発してくれる。とはいえ、領地が少ないゲーム序盤における本拠地からの収入はきわめて重要であり、大名自らも労力を割いて発展に貢献すべきであると感じた。

ちなみに各城には「城下施設」が建設できる。建設費用は多少弾むが、その分大きな効果が期待できる。施設には商業を発展させる商人町や兵力を上げる練兵場、城の耐久上限を上げる櫓など、数多くの種類が用意されている。どの種類の施設を建てるのかは大名が直接指示できるほか、城下方針を指定することで城主に建設を任せることも可能だ。直接指示が可能という点では、プレイヤーの采配が金銭収入などに大きく影響を与える要素といえる。

このように国力向上の基盤となる領地発展については、知行地を割り振るだけで家臣たちが効率良く働きかけてくれるため、従来シリーズよりも簡易的になった印象だ。新参プレイヤーはシステムを把握しやすくなり、また熟練者は家臣の割り振りや城下施設の建設内容にこだわることで、国力上昇速度をさらに高めていけることだろう。

戦の軍配も優秀な家臣に任せる

さて、知行により国力が高まってきたら、いよいよ戦国時代の華である合戦を体感したいところ。敵との戦前に大名が見定めるべきは部隊の出陣先。どの敵城に攻めるかである。加えて、どのタイミングで攻め入るのかの判断も重要だ。敵兵力や武将能力、城能力を考慮したうえで攻め入らねば、手痛いしっぺ返しを食らうことだろう。この辺りは初心者にとって悩みどころといえるかもしれない。そんな時、判断に迷ったらどうするか。家臣に相談である。

ゲーム中は、画面右上部のメニューから「献言」が実行できる。献言とは、平たくいうと“家臣に相談”コマンドだ。実行すると家臣が自勢力の状況をふまえて、次になにをすべきかをアドバイスしてくれるのだ。献言実行時には、自勢力と敵勢力との軍事力を比較し、敵城への攻め時を教えてくれる場合がある。優秀な家臣からの献言ゆえ、まさにその時こそ攻め時に違いない。ちなみに献言では、戦関連だけでなく、外交や調略といったあらゆる戦略のアドバイスもしてくれる。何をすべきか迷った時は、ひとまず家臣に相談してみるといいだろう。

そんなわけで筆者は戦の軍配をすべて家臣に委ね、「今が攻め時」との献言を受けた時のみ出陣する戦法をとった。敵城の攻略は、目標に向けて部隊を出陣することでおこなえる。部隊の編成内容は、出陣前に家臣が自動的に提案してくれるので頼もしい。なお自身で提案された編制内容を細かく修正することも可能だ。

出陣の指示を出すと、各部隊が目標に向けて行軍。敵勢力の郡を制圧しながら、接触した敵部隊と戦闘をおこなう。そして敵城に到達すると攻城戦を開始。敵城の耐久を削りきれば、晴れて制圧完了となる。ちなみに行軍中は腰兵糧を消費し、兵糧が切れると兵力が少しずつ減少する。兵力が尽きると部隊が壊滅。壊滅時には武将が死亡する場合もあるので注意したい。

シリーズの魅力である合戦は、大名部隊が戦闘に参加、または近くにいる場合におこなえる。合戦を開始すると、広大なマップから合戦場へと舞台が移行。ひとつの戦場に8部隊まで同時に出陣し、敵味方最大16部隊同士による大規模な戦闘が展開される。合戦中は味方の武将が各々の判断で部隊を移動、攻撃して戦ってくれる。敵部隊の撃破や建物の破壊などによって総士気が変動。最終的に敵の総士気を0にしたり、敵大名を撃破したりと、一定の条件を満たすことで勝利となる。

合戦では多数のキャラクターが入り乱れて戦い、瞬く間に戦況が変化していく。武将ごとの強力なスキルである戦法発動時にはカットインが挿入されるなど、派手な演出も見どころだ。味方部隊のAIは優秀で、戦力が優勢であれば家臣にすべてを委ね、見守っているだけでも勝利を得られた。

ただし戦力が不利な状況ではそう簡単にはいかない。プレイヤーである大名の的確な判断も重要となる。たとえば、部隊を任意に動かして敵部隊を複数方向から攻撃できれば挟撃となり大ダメージを与えられる。特殊な要所を制すれば、鼓舞で部隊の体力を回復したり、落石でダメージを与え混乱させたりといった戦略が任意で発動可能だ。そうした自身の戦略が功を奏し、兵力差を覆す勝利をもぎ取った時の快感は何者にも代えがたい。

なお敵部隊の多い合戦に勝利すると、その名声が「威風」となって周辺に届き、敵勢力の外交姿勢が変化する。また敵勢力の郡や城が寝返ったり、自勢力の武将の忠誠が上昇したりと、通常の戦闘よりも大きなメリットが得られる。積極的に合戦での勝利を狙い、優秀な家臣を従える大名としての威風を轟かせたいところだ。

家臣のアドバイスを無視した結果

そんなこんなで家臣に頼りきりのプレイングで国力を高めた織田家は、いくつもの合戦を乗り越え、いつの間にか指折りの勢力に。チュートリアルはとうに終え、戦のノウハウも家臣の軍配から学び、順風満帆に事が進んでいた。この頃、家臣が次なる攻略対象として勧めてきたのは上杉家。総兵力が勝っており、兵糧面でみても申し分なかったからだろう。しかしながら敗戦の味を知らない天狗状態だった筆者は、織田家と同等の兵力を持つ毛利家に進軍を試みた。初めて家臣の献言に背いたのである。

その結果どうなったかというと……手痛い返り討ちに遭い、多くの兵力を失ってしまった。というのも、毛利家の兵力だけで見れば勝てる算段だったのだが、出陣と同時に「今が好機」と見た別勢力の長宗我部家が攻め入ってきたのだ。また、筆者が初級のゲーム難易度を甘く考えていたことも敗因である。初級難度は「AI好戦度」が非好戦に設定されるため攻め入られないと見込んでいたのだが、無手法な軍略には流石に敵勢力も黙ってはいないようだ。結果として、そこまで考慮していたのかは定かではないが、家臣の献言に従っていた方が良い戦果を得られていたことだろう。

苦い経験となった敗戦後は、家臣からの具申に耳を傾けつつ、勢力の立て直しを図った。まず取り掛かったのは知行の見直しである。幾人かの家臣が戦死してしまい、領地の割り振りに空きが出たからだ。領地の割り当てについては、城主の身分が高い場合、複数の郡を任せることができる。そこで身分の高い家臣を城主に任命し、空きの領地を割り当てた。あわせて家臣の身分向上を図るべく、複数の「政策」を発令。政策発令には維持費がかかるものの、家臣の獲得武功上昇、金銭や兵糧収入増加といった内政力・軍事力の底上げが期待できる。

また同時に、四国地方を牛耳る長宗我部家への復讐計画を開始。敵の兵力などを削る破壊や焼討といった、家臣が提案したあらゆる調略を実行した。そして万全を期すべく、毛利家との外交を開始。横槍を入れられないように、友好関係を築き同盟を結んだ。その後自勢力の兵力が回復する頃合いを見計らって長宗我部家への攻略を開始。1年ほどの月日を費やした結果、長宗我部家の城をすべて制圧することができた。四国地方を手中に収められたのは、家臣あってのことだと感じている。

現状道筋は見えつつあるものの、筆者の天下統一の夢はまだ道半ば。今後も家臣たちとともに、その歩みを進めていきたい。


新参・復帰プレイヤーにとって魅力的な家臣システム

本作の先行プレイを経て筆者が一番魅力に感じたのは、頼もしい家臣の存在である。戦略シミュレーションゲームを初心者が楽しむにあたって、システムを把握するまでがもっとも高い障壁ともいえる。ゆえに自発的な行動が戦略の手本となり、いつでも困った時にアドバイスしてくれる家臣の存在は、新参・復帰プレイヤーにとって最大の魅力といえるのではないだろうか。

もちろん、長年培ってきたシリーズの魅力はさらに磨き上げられている印象だ。四季折々の移り変わりが美しい3D一枚マップ。緊張感のある空気感が作り出された合戦。さまざまな歴史的局面をドラマティックに描くシナリオムービー。そして数々の新システムを取り入れながらも、内政・戦闘・戦略の積み重ねが勢力拡大へと繋がっていく、戦略シミュレーションゲームならではの達成感は健在である。

本稿で少しでも興味を持ったシリーズ未経験の方は、ぜひ本作で第1歩目を歩んでみてほしい。その先には語り尽くせない、自分だけの戦国ドラマが待っていることだろう。

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