外骨格アクションRPG『The Surge 2』は、再装填可能な体力回復薬とパリィシステムの導入により遊びやすいソウルライクになった

Deck 13が開発した外骨格アクションRPG『The Surge 2』。海外向けには9月23日、PCおよびPlayStation 4/Xbox One向けに発売された。SteamOriginで販売されているPC版には日本語も収録されている。前作『The Surge』は雑魚敵であっても油断できない高難易度の、いわゆるソウルライクなアクションRPGとして一定の評価を得た。一方、単調気味なマップデザインや雑魚敵のバランスなどは賛否が分かれていた。

SFソウルライクへの再挑戦となる『The Surge 2』は、敵の四肢切断による強化素材収集、強化外骨格(エクソスーツ)の強化、性能補正効果をもたらすインプラントの組み合わせ考案。そうした前作の特徴を残しつつも、評価が割れていたマップや戦闘の改良を目指したシリーズ続編である。その変容ぶりは、事前の宣伝活動でも強調されており、より多くのアクションRPGファンに受け入れられるようDeck 13が力を入れた部分であることがうかがえる。結果として『The Surge 2』は前作よりも確実に遊びやすくなっている。一方で、ポテンシャルを発揮できていない部分が残っていることもまた事実である。

 

戦闘体験を変える再装填式回復薬と方向パリィシステム

部位別ロックオンシステムによって敵の頭・胴・手足にダメージを蓄積させ、フィニッシュブローにより四肢切断。切り落とした部位に付いていた装備品の設計図や強化素材を使い、自らの強化外骨格をカスタマイズするという、基本の流れは前作から引き継いでいる。戦闘面において前作からゲーム体験を大きく変えたのは、回復システムの変更とパリィシステムの導入である。まずは回復システムについて。前作『The Surge』では、休息地点で補充するタイプの回復薬と、エネルギー消費型の回復薬が存在した。エネルギーとは、主に攻撃を敵に当てることで蓄積され、時間経過と共に減少するリソースのことであり、『The Surge 2』でも同様の概念が採用されている。

前作では複数の回復手段があったとはいえ、使い勝手の良い即時回復薬は、休息地点で補充する必要があった。またインプラント(補正効果を付与するMOD)が揃っていない状態では、エネルギー消費型の回復薬を使用するにあたり、攻撃を短い間隔でヒットさせる技量が求められた。時間経過とともに、溜めたエネルギーがすぐに減っていくからだ。また雑魚敵の攻撃一発あたりの被ダメージが大きいこともあり、上達するまでは休息地点に何度も戻っては再出発するというループが生まれていた。

『The Surge 2』のインプラントにはさまざまな効果があり、たとえば上画像のリグ・コンデンサーであれば、エネルギーを一定量溜めると「バッテリー」としてキープできる。すると時間経過により減少しなくなる。

一方、『The Surge 2』では全ての回復薬がエネルギー消費型となっている。メインとなる即時回復薬も含めてだ。かといって回復しづらくなったわけではない。時間経過によるエネルギー減少速度が下がったため、焦らず隙を見て攻撃すればエネルギーが着実に溜まっていく。攻めれば攻めるほど回復薬を再ストックできるので、回復薬補充のために休息地点まで戻らずに済む。敵の攻撃力が前作よりも低めに調整されたこともあり、多少の失敗では死ににくい。こうした回復システムやエネルギー蓄積、敵の攻撃力の調整により、適度な難易度を保ちつつも、攻めの姿勢で先へ先へと歩みを進められるようになっている。

やや引っかかったのは、ゲーム後半になると雑な攻め方をしてダメージを受けても、それを上回る回復力を誇るため、雑魚敵もボスも、ある程度ゴリ押しで突破できてしまう点だ。レベル(コアパワー)を上げることで体力・スタミナ・エネルギー消費効率が上昇し、エネルギーの蓄積・消費効率向上系のインプラントが揃うことで回復がさらに楽になる。キャラクターのレベルや装備を引き継ぐニューゲーム+以降はその傾向が顕著であり、キャラクターが強くなっていることを実感できるとも言えるし、緊張感が薄まっているとも言える。

前作との比較で言うと、武器の熟練度システムは廃止された。強化素材により武器をアップグレードさえしすれば、フルポテンシャルを発揮できる。ちなみにこのプラカードも武器として使える

続いてパリィの導入について。コントローラー操作時の場合で言うと、敵の攻撃方向にあわせて右スティックを動かすことで攻撃を弾くことができる。ボス戦でもパリィを一定回数成功させると怯み状態になり、大ダメージを与えるチャンスが訪れる。判定はそれほどシビアではなく、ボスによっては回避するよりもパリィのタイミングを覚えた方が楽な場合もあり、パリィが得意なプレイヤーはかなりスムーズにゲームを進められるだろう。

もちろんパリィを使わなくても十分に攻略可能であり、回避・防御・パリィと、単純に敵攻撃の対処方法が増えている。またパリィの導入に合わせて追加された新機能により、戦闘が楽になったという付随効果もある。本作では序盤で手に入る「方向管理アナライザー」というインプラントを装着することで、敵の攻撃方向を示すインジケーターが画面に表示されるようになる。攻撃モーションに入った時点で攻撃方向を教えてくれるため、敵の動きをあまり観察していなくても、回避・防御・パリィを間に合わせられる。アクションが苦手な方はインジケーターの恩恵にあずかれるし、さらなる高みを目指す方にはインジケーターを外すという選択肢がある。

敵の攻撃モーションを把握しやすくする、もうひとつの方法として、インプラントやドローンの選択ホイールを表示するという手も存在する。ドローンやインプラントの選択ホイールを表示している間は時間の流れがスローモーションになるため、敵の動きをじっくりと観察可能。本来の使い方ではないが、結果として初心者の手助けとなり得る機能と化している。このように、既存要素の改良や新要素の追加により、行き詰まりにくいゲームになっている。

そのほか戦闘体験を変える要素としては、ドローンの用途拡大が挙げられる。前作では活躍しづらい立ち位置だったが、今作ではタレット、火炎瓶、グレネード、レーザー、狙撃銃、バイオセンサー、アイテムスキャンなどさまざまな使い道があり、サポート用ガジェットとして活用しやすい。前作のようなエネルギー消費制ではなく、別枠の弾薬消費制に変わったことで、回復やフィニッシュブロー(四肢切断による素材回収に必要)用にエネルギーを温存するという、リソース管理上の制限から解放されたのだ。

 

インドアからアウトドア、寡黙から饒舌へ

前作のマップが単調なインドア迷路だとしたら、本作のマップは多彩なアウトドア迷路である。舞台となるジェリコシティには市街地を中心に港や公園が広がっており、視覚情報としての刺激に満ちている。インドア主体のエリアであっても、建物内外を行き来するような構造になっていたりと、ダークで閉塞感がただよう前作からうって変わって、明るく開放感あふれるマップになっている。NPCが集まる非戦闘地域に関しても、複合商業施設やクラブハウスといったにぎやかなロケーションが用意されている。

また外観ではなく構造としては、前作のようにとことん入り組んだマップに仕上がっている。膨大な数の分岐・ショートカット・隠し通路があり、歩けば歩くほど新しい発見がある。探索しがいのあるマップだ。それでいて全体的なマップサイズはコンパクト。ショートカットが多いため最短ルートを覚えるのが大変ではあるが、道順を覚えると、どのロケーションでも数分もあれば移動可能。長々とした移動に時間を取られない快適さは、周回プレイ時にも感じることができる。

前作では一定のレベル(コアパワー)に到達しないと開けない扉があったが、本作では廃止されている。そのかわり、メインクエストで入手するいくつかの移動用ガジェットを使うことで、それまでいけなかったエリアに入れるようになるという、メトロイドヴァニア色の強い仕組みが取り入れられている。先述したようにマップ自体はそれほど大きくないのだが、ほかにもこうしたマップの見方を変えるような仕掛けが用意されており、最後までフレッシュな気持ちを維持させてくれる。

なおマップが明るく開放的になったため、前作のような比較的寡黙なストーリーテリングのままでは、イメージの統一という点でばらつきが出る。その点、本作のNPCはとにかくよく喋る。会話や音声ログによる説明も多いため、ナラティブの面では迷子になりにくい。だからといって優れた物語が語られるというわけでもないが、少なくともマップの開放感や戦闘の快適さと並んで、作品としてのイメージは統一されていると感じた。

 

ボスのバリエーションは乏しい

戦闘の快適化や、マップの開放感。方向性が明確な続編であるが、ボスのバリエーションに関しては物足りなさが残る。種類が限られる中での使い回しも目立つ。ボスエンカウンターの洗練度としては序盤から中盤にかけての大型個体がピークであり(カメラワークに悩まされるピークでもある)、終盤にかけて失速していく。先述したように、本作ではゲーム後半になると回復薬の管理がかなり楽になるため、ボスが脅威ではなくなっていくというのも、ボス戦の物足りなさに寄与している。とはいえ、序盤から中盤の大型個体のように作り込まれたボス戦も複数あり、ポテンシャルは感じる。もしも次回作があるならば、さらなる飛躍を期待したい分野である。

なお本編クリア後には、コアパワーや装備品を引き継いで最初からやり直す、ニューゲーム+を始められる。新しいシーン、新しい敵および敵配置、より強力な装備品。1周目で失敗した、もしくは完了させられなかったサイドクエストに再挑戦したりと、異なる遊び方に手を出しやすい。ちなみにサイドクエストの数は前作の4倍以上だ。さらに3周目4周目と進めていくと、敵の体力や攻撃力が上昇していくのだが、主人公の回復力が極めて高いため、周回を重ねることで飛躍的に難しくなっていくという感触は得られない。このあたりは好みが分かれるところだろう。

間違ってNPCを攻撃してしまうとクエスト報酬が減ることも
本作には非同期型のマルチプレイ要素がいくつかある。たとえばスプレー缶を使ってアイコンメッセージを残すことで、他のプレイヤーに隠し通路や危険を知らせられる。上のように遊び心あふれるメッセージも。またキャラクターバナーを発見されにくい場所に設置し、他プレイヤーに見つかった回数が少ないほど報酬を得られる非同期かくれんぼ。他プレイヤーを死亡させた敵を倒せばボーナス報酬が手に入る敵討ちが存在する

『The Surge 2』は良くも悪くも遊びやすくなったアクションRPGである。だが少なくとも前作の焼き直しのような続編ではない。改善しよう、進化させようと挑戦した結果、オリジナリティが増しているのは確かである。前に進もうとした痕跡が明らかであるがゆえに、ソウルライクと呼ばれている作品が好きな方であれば、本作を遊ぶことで思うところが多く出てくるはずだ。

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