『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は疲れない。レビューに心を打たれて『ニーア オートマタ』をプレイ。今週のゲーミング

 

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらします。73回目でございます。

 

良き時代かな


今週は『デイトナUSA』を久しぶりにプレイ。懐かしいな~などと感じながら、そういえば初めてプレイしたのはいつだっけ?と記憶をたどっていました。いつの頃だったか、学生時代にゲームセンターでプレイしたのが初めてだったはず。確か反力ステアリングに触れたのもその時が初めてで、当時はゲーム内容がどうこうというよりも、グイグイくるステアリングの感触が楽しくて遊んでいたような気がします。あの頃の地元には、まだゲームセンターがたくさんあって良い時代でした。

当時はセガの直営店もあって、大型筐体から格闘ゲームなどの対戦台、またアトラクション的なものもたくさんあって、よく遊びに行ってました。とはいえゲームによっては別の小さな店の方が充実していたりして。そんな誘惑が通学路にたくさんあるわけですから、楽しかった思い出から、生徒指導の恐い先生に見つかって路地裏に引きずり込まれた思い出までいろいろと……良い時代でした。
by Taijiro Yamanaka

 

人がいなくても面白いものは面白い


人間とクリーチャーが4対1に分かれて対戦するマルチプレイホラー『White Noise 2』。昨年10月に早期アクセス販売が開始されてからちょくちょく遊んでいます。透明になったクリーチャーに忍び寄られたり、とつぜん懐中電灯のライトを消されてパニックになったり、サナダムシにSAN値を削られ発狂しているうちに首を絞められたりと、クリーチャーのスキルがちゃんと恐怖体験につながるよう出来ています。定期アップデートによりキャラクター、マップ、ギミックが続々と追加されているのも好印象。

でも人がいないんですよ。いや、ほんとに。同時接続ユーザ数が「1」、つまり自分1人なんて日すらあります。時間帯によっては10人前後になるのでマッチングするのですが、4対1という本来の人数でプレイできる機会は稀。今年は同ジャンルの『Friday the 13th: The Game』が発売されるので人口増は望めないかもしれません。とはいえ個人的には良ホラーゲーだと思っているので、これからも幽霊部員のように不定期で顔を出します。
by Ryuki Ishii

 

睡眠食事ゼルダ食事睡眠

これまでゼルダで遊んでいると「疲れたからやめよ」と言いながら後先考えず終了して、ダンジョンの最初からやり直しになるという泣きを何度も見てきたわけですが、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はそれがない。疲れないんです、ゼルダなのに。

とにかく最新作がリリースされ、遊ぶたびに、集中力を使って謎解きをして疲弊してきました。特に近年の作品は「敵から追われる」シチュエーションを随所に盛り込んでおり、脆弱の心臓を揺さぶってきました。そういう意味である意味自分のマゾヒズムを呼び覚ますタイトルの代表作だったんです。緊張して疲弊するのがゼルダの醍醐味だと思っていましたが、疲れないのは単純に嬉しい限りです。「濃密で圧倒されて疲れる」体験が「濃密で圧倒されて楽しい」になってしまったので、もう敵なしです。とはいうものの、心は疲れなくとも身体は正直です。8時間ぶっ続けて遊ぶと、肩も凝ります。
by Minoru Umise

 

ちちしりカグラしりちち

今週も『閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH』を遊び続けています。ストーリーモードはほぼクリアしてしまったので、マルチデビューを果たしました。スティックを使ってのエイムに不慣れなわたしは、毎回チーム敗北のお手伝いをするだけですが、ランクマッチではなく「誰でもフリーマッチ」で遊んでいるので、きっと誰にも迷惑をかけていないはずです。

本作には、相手を倒したときにとどめをさす「くねくねフィニッシュ」という、なんとも笑えるシステムがあります。ダウンした少女の顔や胸や尻に向かって液体をかけると、それなりの反応がかえってくるというものです。いつもはかける側なんですが、マルチだと逆に液体をかけられるんです。屈辱的ではありますが、逆の立場を味わうのもなかなか楽しいもので、負けても笑える試合が『閃乱カグラPBS』にはあります。そういえば先日、「くねくねフィニッシュ」の際にかける液体が「白」と「金」色になるDLCが発売されました。「茶色」の登場にも期待したいところです。
by Shinji Sawa

 

届いてほしかった魂は、届いてほしかった魂まで届きましたか?

世にゲームは数あれど、テキストADVでここまでのものに出会ったことがないです。名作が多いといわれる18禁ノベルゲーム群がいわゆる「泣きゲー」の総本山なら、『装甲悪鬼村正』はそのカウンター的作品と言えます。物語自体にとんでもない仕掛けがある訳でもなければ、救いなど全くない。シナリオが練りこまれているという表現は正しくなく、シナリオの中に魂が縫いこまれているといったほうが正しいであろうこの作品に関して正確に描写できる程の語彙を僕は持っていませんが「悪逆の輩を殺すのも、無辜の民草を殺すのも一寸の狂いも無く等価値である」と絶叫し続ける主人公に、直接魂の底を触れられた衝撃を昨日のことのように思い出します。発売は2009年。この作品を皆にやってほしいとはもう思いませんが、この作品が「本当に」届きたかった場所に飛んでいけたのだろうかと思うと、少し物悲しい気持ちになります。春がきますね。
by Nobuhiko Nakanishi

 

誰かに影響されてプレイしたいと思ったのは初めて

AUTOMATONには個性豊かなライターさんが多く、それぞれの持ち味は私ごとき中身のないアンドロイドのようなクソ記事マイスターには遠くおよばないものがあります。最近は主だった執筆を控えて、自分にはない表現力を吸収するためにひたすら他者の記事を読みふけっています。誰でもできることをこなしてきた自分と違ってオンリーワンばかりだから。そんな中でも『Nier: Automata』のレビューに心を打たれました。

もともと「ブレードランナー」や「攻殻機動隊」といった人間と機械の定義が曖昧になった世界観が好きだったので、記事中の「自我という呪い」と「人間という宗教」という部分に感銘を受けました。この人にこう感じさせた作品に触れてみたい。誰かに影響されてゲームをプレイしたいと思ったのは初めてかもしれません。まさにその瞬間。親切なフレンドが本作をSteamギフトでプレゼントしてくれました。これからプレイします。
by Ritsuko Kawai