人気ゲームスタジオRemedyがEpic Gamesとの提携契約解消、映画会社Annapurnaと提携へ。新作の開発費半分を負担してもらう代わりに映像化権利渡す

Remedyは8月30日、映画製作・配給会社であるAnnapurnaと提携を結んだことを発表。Remedyの開発中である新作『Control 2』の開発費の融資などがAnnapurna側からおこなわれるようだ。

Remedy Entertainment(以下、Remedy)は8月30日、映画製作・配給会社であるAnnapurna Pictures(以下、Annapurna)と提携を結んだことを発表。Remedyの開発中である新作『Control 2』の開発費の融資などがAnnapurna側からおこなわれるようだ。

Remedyは1995年に設立された、フィンランドを本拠地とするゲーム会社だ。手がけた作品にはTake-Twoがパブリッシングを手がける『Max Payne』シリーズの初期2作品がある。また近年では『Control』『Alan Wake』シリーズなどの開発元としても知られる。両作ともに評価は高く、2023年11月に発売された新作『Alan Wake 2』は、ゲームの祭典「The Game Awards 2023」にてBest Game Direction部門などで3冠を獲得するなど、高い評価を受けている。

そしてAnnapurnaは2011年に設立された映画製作・配給会社だ。「ザ・マスター」や「アメリカン・ハッスル」などといった数々の映画の製作・配給をおこなっている。また子会社にはゲーム販売をおこなうAnnapurna Interactiveも存在。こちらは『COCOON』や『Stray』、『Neon White』などといった人気作のパブリッシングを担当している。


そんな両社が、今回提携を結ぶと明かされた。Remedyの発表によれば、この提携にあたり、『Control 2』の開発費の50%をAnnapurnaに融資してもらい、自社でのパブリッシングをおこなうとのこと。その代わりに、Annapurnaは『Control』シリーズおよび『Alan Wake』シリーズを、テレビや映画に向けて映像化する権利を獲得した。なお両シリーズのIP(知的財産)の権利は、Remedyが保持するかたちとなる。

また利益配分については、初期投資分を回収した後は投資額に比例した収益分配を受け取る。この取り決めにおいては、ゲーム販売ではRemedyが、映像作品の売上ではAnnapurna がより多く受け取るように定められているそうだ。

『Alan Wake 2』


Remedyは、2020年にEpic Games Publishingとの提携を発表。すべてのIP権利を開発側であるRemedyが保持し、提携タイトルの売上の最低50%の利益を獲得できるといった契約を結んでいた(関連記事)。そのため2023年に発売された新作である『Alan Wake 2』は、Epic Games Publishingよりリリース。PC向けにはEpic Gamesストアのみでの販売となった。同作は今年2月には130万本の売上を達成したことを発表しつつも、開発費の回収には至っていないとも明かされていた(関連記事)。

今回の発表では『Control 2』のRemedyによる自社パブリッシングが決定しており、Epic Games Publishingとの提携は解消されたとみられる。今後Remedyが手がける新作やシリーズ作品もおそらくRemedy自身のパブリッシングで販売されていくのだろう。PC向けにはSteamやGOG.comなど、より広範なプラットフォームでの展開が可能になりそうだ。また今回Annapurnaが『Control』や『Alan Wake』について映像化の権利を獲得しており、これら作品のドラマ化や映画化についても期待が高まるところだろう。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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