『No Man’s Sky』開発者、Nintendo SwitchとSteam Deck向けアプデは「他ハードの2~3倍大変」とぶっちゃける。アプデのたびに乗り越える“制約”

『No Man’s Sky』については、4月8日にアップデート「Xeno Arena」が配信されている。開発者によれば、アップデート配信にあたってNintendo Switch、Steam Deck向けには、他ハードより多くの開発期間がかかったようだ。

デベロッパーのHello Gamesは4月8日、Nintendo Switch/Switch 2版『No Man’s Sky』に向けて「Xeno Arena」を配信開始した。このことについて、エンジンプログラマーを務めるMartin Griffiths氏が、Switch版やSteam Deck向けのアップデート提供について、他ハードの2~3倍の時間がかかっていると明かした。

『No Man’s Sky』は、2016年8月にPC/PS4向けに発売されたオープンワールド型のアクションゲームだ。のちに他コンソール向けにもリリース。プレイヤーは謎の声に導かれつつ、宇宙の中心を目指して数々の惑星を渡っていく。本作は発売当初、アピールされた内容と実際のコンテンツの乖離から批判が殺到したものの、その後粘り強く無料アップデートを実施することで、2024年11月にはついに「非常に好評」へと大きく巻き返すことに成功。今なおアップデートが実施されており、4月8日には、野生生物同士を戦わせるCreature Battlesなどを追加する「Xeno Arena」が配信された(関連記事)。

本作のアップデート展開について、開発元のHello Gamesにてエンジンプログラマーを務めるMartin Griffiths氏がXで言及した。同氏によれば、Nintendo Switchシリーズのようなモバイルプラットフォームや、Steam Deckといったハードウェアでは、開発リソースに不釣り合いなほどの時間を要するのだという。

Griffiths氏いわく、PCや他コンソールと同様にシームレスに動作させるために、それらの2~3倍の時間を費やして対応しているようだ。アップデートでコンテンツが増える中では、「不可能なメモリ制約(impossible memory constraints)」を乗り越え続けていると述べており、『No Man’s Sky』のような大型作品を移植するにあたって、PCやPS4/PS5とのメモリ容量の差など、ハードウェアのスペックの違いが障壁となっている可能性はありそうだ。

ちなみに、弊誌はSwitch 2発表に際し、計10名のゲーム開発者にSwitch移植/開発で苦労したことを訊いていた(弊誌コラム)。その中では、メインの処理で手一杯となり、シーン切り換えをスムーズにするために別要素をあらかじめ読み込む「裏読み」に苦労したといった回答が多く寄せられていた。十分に裏読みをおこなうためにはCPUやメモリのゆとりが必要となるため、限られた性能ではそうした最適化も難航したのだろう。そのほかGPUの性能が低く、目標解像度が低くなりがちなことや、カートリッジでの読み込みの遅さがボトルネックとして挙げられている。

Nintendo SwitchシリーズはSteam Deckと同様携帯機としてもプレイすることが可能。特に初代Nintendo Switchは現行の他ハードと比較すると、そのスペックで一段遅れを取っているともいえる。オープンワールドの宇宙探索をおこなう『No Man’s Sky』にとっては、携帯機という、より制約の強いハードウェアへの展開は、困難を極めるのだろう。

一方でGriffiths氏は、ゲームが成長を続ける中で、メモリの制約を乗り越え、プレイヤーに引き続きゲームを体験し楽しんでもらえることは、本当に喜ばしいことだとも語っている。ハードウェアによって3倍近くも開発にかかる労力に差があることが開発者から明かされたことは興味深く、かつ大変な作業でもユーザーのゲーム体験を重視する、Hello Gamesの『No Man’s Sky』に対する姿勢も垣間見えたかたちだ。

『No Man’s Sky』はPC(Steam/Microsoft Store/GOG.com)/Nintendo Switch/Nintendo Switch 2/PS4/PS5/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。PC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

記事本文: 1885