世界大会開催中の『League of Legends』、前半戦で見られたドラマを振り返る

 

1か月にわたる世界大会「World Championship 2015(以下、Worlds)」が開催中の『League of Legends』。2週目ですでに前半戦であるグループステージも終了し、トーナメント方式のノックアウトステージへ進出するチームが出揃った。本記事では、試合進行以外にも見られた劇的なドラマを紹介しよう。

※試合結果についての言及を含む。

参考記事: 『League of Legends』グループステージが終了した世界大会、ノックアウトステージへの展望

 

真の勝者

Wildcardチームの一つ「paiN Gaming」の brTT選手(ADC)が、グループAの最終試合である対Counter Logic Gaming戦を勝利した後に行われていたブラジル向け中継配信にて、恋人のGiuliana “Caju” Capitaniさんにプロポーズするという一幕があった(動画は英語字幕つき)。

インタビュアー:
ではbrTT選手、サンパウロのスタジオにガールフレンドを招いております。言葉も表情も伝わります。彼女とメッセージのやり取りをどうぞ。
brTT:
やあ愛しい人……うまく話せないな……落ち着こう。大変な仕事はもう終わったんだ。今年は私の人生の中で最高の年だったというのは間違いない、それは君が私のそばにいてくれたからだ。
勝利、栄光、敗北の全てで君は私のそばにいて、私を支えてくれた。君がいなければ、私は今日ここにいられなかっただろう。君は私の陰に隠れていると言う人は多い、でもそれは君が私を愛していて、私のそばにいたい、付いて行きたいと思ってくれているから、だと思う。
来年は、私が君の陰で君を支えて尽くしたい。君に付いて行き、そばにいて、全てを支えたい。君は私の全て、君こそが私に愛というものを教えてくれた。君といっしょにいれば、私は幸せで、いつも子供のように笑っていられる。だから、残りの人生を私といっしょに過ごしてくれないか?(指輪を取り出す)
Caju:
本当?
brTT:
もちろん。受けてくれるかな?
Caju:
はい、もちろん!
インタビュアー:
おめでとうございます!
Caju:
(インタビュアーとbrTT選手が抱き合って喜ぶのを見て)私もそこにいたかったわ!ずるい! 婚約したのよね?
インタビュアー:
そうですよ!
brTT:
これで指輪をはめてあげられる。
Caju:
ああ……買ったの……見たいわ!見えない!指輪を見せて!
brTT:
Caju、何か言いたいことがあるの?
Caju:
何か言いたいけれど、うまく話せないわ。
インタビュアー:
(笑って)恋人たちには後で二人でお話しいただくことにしましょう。おめでとうpaiN、プレイも婚約も成功しましたね。Cajuさんおめでとう。ではブラジルのスタジオにお返しします。
Caju:
愛してる!愛してるわ!震えが止まらないの。
brTT:
愛してるよ!

 

SKT、BKTを最後の舞台での挨拶へと招く

画像参照元: Riot esports Flickr
画像参照元: Riot esports Flickr

IWC Turkeyで日本代表DFM他を下し、Wildcard枠でのWorlds出場を果たしたタイの「Bangkok Titans(BKT)」。だが世界の壁は厚く、強豪チームがひしめくグループCに放り込まれてしまったこともあり、グループステージでは1勝もできず敗退となった。

しかし、最後の試合となった対SKT戦で、SKTのMaRin選手(Top、チームキャプテン)が試合後にステージ上へとBKTの選手たちを促し、勝利しての挨拶が一度もできなかったBKTではあったが、ようやくステージ上で観客席へのアピールを果たした。このSKTの行動は、素晴らしいスポーツマンシップの発露であると各方面から賞賛されている。

 

Tabe氏によるIGの戦略リーク

グループステージ最終日、香港出身の元プロプレイヤー・Tabe氏がアナリストデスクに招かれていた。彼はInvictus Gamingのコーチと親しく、聞いていた秘密戦略を試合前に配信で暴露してしまい、戦略がリークしてしまうこととなった。

このことに対し中国のコミュニティは怒り、Tabe氏も謝罪声明を発表する事態となった。今後はチーム周辺の人物に対する秘密保持契約や、配信での振る舞いについてのルールの設定が必要となるだろう。

 

Dyrus選手最後の試合

画像参照元: Riot esports Flickr
画像参照元: Riot esports Flickr

今年で5年間に渡る競技生活にピリオドを打つと発表していた、Team SoloMidのDyrus選手(Top)。その最終試合となったのは、グループDのTeam SoloMid vs LGD gamingであった。
Dyrus選手は、シーン黎明期においては最も人気のある配信者であり、2012年にTSMに所属して以降は、常に北米リーグにおける強豪チームの一員として数々の大会でその名を残してきた。
試合後のインタビューでは、涙ながらにファンへの感謝を述べ、観客もまたそれに応えていた。

Marcus“Dyrus”Hill選手通算成績

2010~2015年の間、プロ選手・配信者として北米のLoLシーンで活動
公式試合出場数: 312
内勝利試合数: 189
公式試合勝率: 60.6%
代表的な出場記録
– Season 1 北米地域大会
– Season 1 World championship
– Season 2 北米地域大会
– Season 2 World championship
– Season 3 NA LCS
– Season 3 World Championship
– Season 4 NA LCS
– Season 4 World Championship
– Season 5 NA LCS
– Mid-Season Invitational 2015
– Season 5 World Championship

2013年のNA LCSにて、試合前の選手席で居眠りをしてしまったDyrus選手。こうした一面も、彼の親しみやすさをよく示していた。

偉大な、そして愛すべき選手の花道に拍手を。グループステージ終了後に行われたAMAによれば、今後はチームのゲーミングハウスから配信者専用ハウスに移り、配信者としての活動を続けるとのこと。