『高慢と偏見』の小説家ジェーン・オースティンの世界観がまさかのMMORPG化。『Ever, Jane』がオープンβテスト中

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現在ではさまざまなテーマのMMORPGが運営されているが、なんとジェーン・オースティンの世界観をMMORPGにしてしまった『Ever, Jane』という変わり種の作品がオープンβテストを行っている。本作は2013年にプロジェクトが発足、制作資金としてKickstarterで10万ドル以上の資金を集めた。

ジェーン・オースティンとは18世紀から19世紀のあいだに生きた女性小説家だ。当時のイングランドの地方を舞台に、主人公の女性たちの生活や恋愛、結婚をテーマに作品を描いてきた。その文体や描写が評価され、『高慢と偏見』『エマ』といった作品は古典として名高い。なかでも『高慢と偏見』は幾度も映画化や舞台化が行われてきたほか、別の作家による続編なども書かれてきた。最近でも『高慢と偏見、そして殺人』という本編の結末後に起きた殺人事件というミステリでの続編も出版された。それどころか過激なパロディも出てきている。『高慢と偏見とゾンビ』ではタイトルどおりゾンビたちが田舎町を取り巻き、主人公たちは撃退するために少林拳を習得しているというパロディ小説までが出版されているほどだ。

『Ever, Jane』におけるレイドの様子
『Ever, Jane』におけるレイドの様子

では『Ever, Jane』ではオースティンの描いたそんな世界観をどんなかたちでMMORPGに落とし込んでいるのかというと、人間関係のやり取りをそのままゲームデザインにしているのである。プレイヤーは武器を持つかわりにゴシップを駆使して戦い、レイドは多くの人間が集まるダンスホールでのやりとりとなる。ダンジョンへの探索は、ディナーパーティがその代わりとなるのだ。さまざまなユーザーとのコミュニケーションを取ることもMMORPGの醍醐味ではあるのだが、それをそのままゲームデザインにしているのはいささか皮肉めいているともいえる。

以前弊誌でも『Second Life』内でユーザーたち自身が1920年のベルリンでの生活を再現し、その世界観を忠実に演じていくというニュースを紹介した。オースティンの世界観を再現し、プレイヤーが体験していく『Ever, Jane』はそれに似た質感を持っている。実際、『Ever, Jane』を制作している中心のクリエイターのJudy L. Tyrer氏はかつてLinden Labに所属しており、『Second Life』に関わっていた。また、Tyrer氏は1999年から運営が続くMMORPGの老舗『EverQuest』でレベルアップやレアアイテムの獲得というプレイではなく、作品世界での人物を演じることを専門にするロールプレイング・サーバーで活動してきたプレイヤーでもある。『Ever, Jane』ではMMORPGならではの交戦や探索ではなく、プレイヤーにオースティンの世界観の中で役割を演じるゲームプレイを推奨している。公式サイトではロールプレイの作法も公開しており、いかにしてゲーム内でオースティンの世界観を演じていくのかが書かれている。

『Ever, Jane』のオープンβテストは公式サイトから参加できる。

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