ゲーマー困惑の「ゲームの変なバグ」がさまざま発掘される。“『Call of Duty』に偽装でサクサク動作”や“2012年に日付設定すると表示される木”など

 
『Dogfight 1942』

ゲームにつきものの「バグ」は、しばしばゲーマーコミュニティで話題にのぼる。現在、海外ゲーマーコミュニティを中心に「変なバグ」を紹介しあう動きが発生、なかには一見不条理な対処法で解決する奇妙な不具合もあるようだ。80 Levelが伝えている。

『Dogfight 1942』


ビデオゲームにおける不具合、いわゆる「バグ/グリッチ」は、ゲーマーや開発者にとってしばしば悩みの種になる。笑える程度の軽微なものやゲームプレイに活用できるものも存在する一方で、ゲームが進行不能になったり、プレイに支障をきたしたりするバグもよく話題にのぼる。中には、「なぜそんな不具合が」と思わせる奇妙なバグも存在するようだ。

今回、海外コミュニティにて「奇妙なバグ共有」が盛んとなる発端となったのは、上述のとあるユーザーによる投稿のようだ。同投稿では、2009年リリースのPC向けFPSゲーム『The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena』について触れている。

有志によるPCゲーム動作情報サイトPCGamingWikiによれば、同作には「スクリーンセーバーモードに入ると、セーブデータが削除されてしまう」という奇妙なバグが存在するそうだ。スクリーンセーバーが起動しないよう離席を避けるか、スクリーンセーバー機能自体を停止するといった対処法が共有されている。なお、Windows 11など最近のWindows環境ではそもそもスクリーンセーバーがデフォルトでOFFにされている様子。特に設定をいじっていない場合は同作プレイ時も心配する必要はないだろう。

『The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena』


ほかにもユーザーたちが思い思いの「好きな不具合」報告を寄せており、たとえば『StarCraft: Brood War』をWindows 7などで動作させようとした際に生じるグラフィックの不具合について「Windowsの画面解像度設定を何も触らず開いておくだけ」との奇妙な対処法を伝えるユーザーがいる。

また、『Prey(2006)』では、AMD製GPU利用環境にてゲームがカクつく場合があるとのこと。その対処法として伝えられるのは、「ゲームの実行ファイルであるprey.exeを、CoDSP.exeに改名して起動する」との手立てだ。つまり、ゲームファイル名だけを『Call of Duty』に偽装するわけである。有志検証によれば、この手法で不具合が改善するのは、AMDのGPUドライバーが『Call of Duty』シリーズ作品に対して専用の動作設定を設けている為だという。そのために『Prey』を『Call of Duty』だと偽って動かすことによって不具合が解消、動作が改善されるわけだ。なお、“『Call of Duty』のふり”で動作が改善するゲームはほかにも存在するようだ。

『Prey(2006)』


そしてとりわけ奇妙な事情を抱えている不具合が2012年リリースのゲーム『Dogfight 1942』における「木が描画されなくなる」との不具合だ。この不具合は同作Steamコミュニティにおいても複数ユーザーから報告されており、再現性が高い様子。そして、この不具合は「PCの日時設定を2012年にする」ことで解消されるという。

なぜ日時設定が不具合解消に働くのか、それは本作に利用されている「木描画用プラグイン」と関係があるという。こちらについては、本作クリエイティブ・ディレクターを務めたJakub Majewski氏と見られる人物が、Steamコミュニティにて解説している。なお、同投稿自体は2014年のものであり、いま改めて注目が寄せられているかたち。

Jakub氏によれば、『Dogfight 1942』の木の描画は外部プラグイン「SpeedTree」に頼っているそうだ。理由は不明なものの、ゲームプログラムが「現在は2013年以降だ」と認識した場合、「SpeedTree」のライセンスが不正だと判断してしまうそうだ。そのため、本来現れるはずの木が描画されなくなってしまうとのこと。

同氏によれば、パッチを開発できそうな本作開発チームのメンバーは皆、(2014年時点で)開発元City Interactiveを離れてしまったため、この不具合が野放しになっているとのこと。こうした事情により、「PCの日付を2012年に設定することで、木が出る」との奇妙な状況が発生しているわけだろう。

『Dogfight 1942』


こうした奇妙な不具合は過去にもさまざま開発者やユーザーを悩ませ、話題にもなっている。たとえば、「あるAndroid端末機種でだけ作品が起動しない不具合」や、「地域によって小数点表記がピリオド(.)とカンマ(,)で違うために起きる不具合」などに注目が寄せられた(関連記事1関連記事2)。ゲームの不具合は原因や対処法も多種多様である、心当たりのあるゲーマーの皆さんは、奇妙なバグについて語りあってみるのも一興かもしれない。