『ファイナルファンタジーVII リバース』の“黄色ペイント議論”にディレクターが反応。単純に「いる」「いらない」の問題ではなさそう

『ファイナルファンタジーVII リバース』ディレクターの浜口直樹氏が、レッドブルのインタビューに回答。同作のデモ版配信に際して、黄色ペイントについての議論がユーザー間で発生したことを認識していたとし、反応を見せた。

『ファイナルファンタジーVII リバース』ディレクターの浜口直樹氏が、レッドブルのインタビューに回答。同作のデモ版配信に際して、黄色ペイントについての議論がユーザー間で発生したことを認識していたとし、フィードバックは今後の参考にするとコメントしている。

『ファイナルファンタジーVII リバース』は、PS向けの『ファイナルファンタジーVII』のリメイクシリーズ三部作の二作目だ。対応プラットフォームはPS5。グラフィックは最新技術を用いたフル3Dになり、ターンベースだった戦闘はアクションベースに変化。前作『ファイナルファンタジーVII リメイク』ではミッドガル脱出を果たすまでの物語が描かれた。第二作目である『ファイナルファンタジーVII リバース』では、ミッドガル脱出からのクライマックスに向かう旅が展開。自由な探索をコンセプトに、広大なワールドマップの中でセフィロスの影を追っていくことになる。

『ファイナルファンタジーVII リバース』においては、2月下旬に製品版に先駆けてデモ版が配信されていた。そのデモ版の内容は好評だった一方で、「黄色ペンキ」については議論が生まれていた。「黄色ペンキ」とは、同作における“崖つかまりできる場所の目印”である。本作にはパルクールアクションが導入されており、クラウドは時に崖につかまって移動したりもする。それにあたって、つかまれる崖がどこかわかりやすいように、「黄色ペンキ」が塗られているわけだ。

 


この「黄色ペンキ」については、わかりやすい目印となっている反面、わかりやすすぎて興ざめする、世界観を壊すといった指摘もなされており、議論に発展していた(関連記事)。この議論はもともと『バイオハザード RE:4』にて発生しており、『ファイナルファンタジーVII リバース』で再燃したかたちである。

Image Credit: feydemon on X


この黄色ペンキ議論についてレッドブルが尋ねたところ、浜口氏もこの議論を認識していたようで、「こんなにソーシャルメディアで議論されると思わなかった」とコメント。続けて同氏は、黄色ペンキはカメラオプションのように多様な好みがあるトピックであり、“正しい答え”はないだろうとの考えを示している。また開発チームはさまざまなアクセシビリィオプションを提供したいと考えており、もらったフィードバックを受け止め精査し、将来的に役立てたいと締めた。

全体としては、浜口氏は議論について認めつつ、どちらが正しいかは決めず、もらった意見を今後の開発に役立てたいと穏当にコメントしている。黄色ペンキをめぐっては、「オンにもオフにもできればいい」という指摘もしばしば見られる。そうした指摘の文脈を加味したようなコメントでもあるだろう。実際に浜口氏が携わる今後の作品では、こうした黄色ペンキについての答えを見られるかもしれない。

ちなみに、『ファイナルファンタジーVII リバース』製品版では、黄色ペンキについては、デモ版とは異なる働きをしている場面もある。デモ版で出てきた黄色ペンキは、ニブル山をのぼっていく本編の道の“順路”を示す道である。一本道の中で次に進むべき道として黄色ペンキが用いられていた。


一方で、本編では調査スポットなど少し道から外れたスポットを誘導する“寄り道の道筋”としても使われている。ストーリー本筋の道を示す黄色ペンキよりも、“なければ道があるとわからない”機能を担っている。黄色ペンキがなければ調査スポットにたどり着けない場所まであるだろう。これは道の誘導というより道の発見に使われるケースである。


そしてストーリー本筋において、黄色ペンキが逆にない、あるいは見えづらいことで、道がわかりづらくなっているシーンも見受けられる。黄色ペンキが一貫して塗られているわけではないことにより、逆にユーザーを混乱させている場面もあるだろう。


黄色ペンキは、道の誘導だけでなく道の発見にも使われ、シンプルな機能ながら利用手段は多彩である。また、ないならないでわかりづらい場面も見受けられる。単純に「黄色ペンキはいる」「いらない」のどちらかの答えを出せる要素ではなく、有用性も見受けられる黄色ペンキを、どのように使っていくかが重要かもしれない。

『ファイナルファンタジーVII リバース』は、PS5向けに発売中である。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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