ニンテンドーeショップにて3月11日、Nintendo Switch向けに予約受付中だったパズルゲーム『Manga Girls 美少女回転パズル』のストアページが突如削除された。本作のキーアートに使用されたイラストに問題があった可能性があるようだ。
『Manga Girls 美少女回転パズル』は、国内デベロッパーのMASKが手がけるパズルゲーム。美少女の描かれたイラストがお題として提示され、正しいイラストになるように、25分割されたイラストの各パネルを回転させるシンプルな作品だ。3回まで使える、パネルを1列正しい方向にできるヒント機能も用意されており、クリア時間によって3段階で評価が決定する。
本作は3月14日配信予定として、3月7日からニンテンドーeショップにて予約受付が開始。ただ翌3月8日になって、本作のキーアートに使われた女の子のイラストについてあるX（旧Twitter）ユーザーが、自身が描いたものであると指摘し注目を集めることとなった。
以下に掲載したのが、問題のキーアートである。そこに描かれたキャラクターは、同ユーザーが2023年5月5日にXに投稿した、「ラブライブ！」シリーズのキャラクター上原歩夢の二次創作イラストと確かに一致しているように見える。ただ、同ユーザーは使用を許可していないようで、またキャラクターの版権元にも迷惑がかかると訴えた。
本作の開発元MASKは、Nintendo Switch向けゲームを多数手がける東京通信グループの子会社のひとつ。本稿執筆時点では、本件について同社から特に発表はないが、ストアページが削除されたことで問題は認識していると思われる。なお、同社が自らストアページを取り下げたのか、報告を受けた任天堂によって取り下げられたのかは不明である。
一見すると、メーカーがSNS上で見つけたイラストを、開発するゲームに無断使用したような構図に思える。ただ、問題はそう単純なものではないかもしれない。というのも、ストックフォトサービスShutterstockに、同じイラストが一時掲載されていたというのだ。イラスト制作者が投稿したわけではなく、無関係の第三者によって無断で転載・販売されていた模様。となると、MASKはそれと知らずにイラストを購入し、本作に使用していた可能性も考えられる。
Shutterstockなど一部ストックフォトサービスにおいては、近年こうした無断転載が問題となっている。たとえば昨年には、インターネットサービスプロバイダNURO 光の広告に使用されたイラストが、あるイラストレーターの作品の盗用だと指摘され、実際にはShutterstockに無断転載されたものが採用されていたという騒動があった（ITmedia）。なお、今回の『Manga Girls 美少女回転パズル』の一件についても同様の経緯であったのかは今のところ不明。弊誌では、本作の予約購入者への対応などを含めMASKに問い合わせをおこなっており、回答があれば追記する。
【UPDATE 2024/3/11 22:37】
MASKは3月11日、『Manga Girls 美少女回転パズル』のストアページ取り下げについて、一部不適切な画像素材の使用が確認されたと発表した。同社は弊誌の問い合わせに対し、「使用した画像素材は特定の商用利用可能な画像素材販売サイトにて購入、ダウンロードしたもの」であるとコメント。やはり、無断転載されたイラストを使用した格好となってしまったようだ。
また、本件については現在関係者と状況の確認をおこない、対応方針を検討しているとのこと。あわせて、イラスト制作者への状況説明と協議もおこなっているとした。なお本作の配信や今後の対応方針については、追って知らせる予定とのことである。
