『ファイナルファンタジーVI』(以下、FF6)のリメイクについては、現状では計画されていないようだ。スクウェア・エニックス第一開発事業本部長を務める北瀬佳範氏の見立てでは、『ファイナルファンタジーVII』(以下、FF7)のリメイクプロジェクトの“倍以上”の期間を要するためだという。
『FF6』は、RPG『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング第6作だ。スーパーファミコン向けに、1994年に発売された。舞台となるのは機械文明が存在するファンタジー世界。幻獣を利用した魔導の力を利用し世界征服をもくろむガストラ帝国を阻止しようとする、ティナたちの戦いが描かれる。
今回、スクウェア・エニックス第一開発事業本部長で『ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、FF7リバース)のプロデューサーを務める北瀬佳範氏および本作のディレクターを担当する浜口直樹氏が、海外の人気ゲーム情報YouTuberであるJulien Chièze氏のインタビュー動画に出演。同作の開発に関するさまざまなエピソードが語られるなか、『FF6』のリメイクに関する北瀬氏の見解も明かされた。
北瀬氏は『FF6』において、シナリオおよびディレクターを担当していた人物だ。同氏によると『FF6』は海外でも根強い人気があるそうで、同氏もリメイクを要望するファンの多さを認識しているという。ちなみに浜口氏はかねてより『FF6』をゲーム開発者を目指すきっかけとなった作品として挙げてきた人物であり、今回のインタビューでも「『FF6』は『FF7』以上に私の原点となったタイトルだった」とにこやかに伝えている。
一方で『FF6』のリメイクについては現時点では計画されていないようだ。北瀬氏の見立てでは『FF6』をリメイクするとなると『FF7』のリメイクプロジェクトの“倍以上”の期間が必要になるという。
『FF7』リメイクプロジェクトは2015年に発表され、まずはミッドガル脱出までを描く内容を第1作『ファイナルファンタジーVIIリメイク』として2020年に発売。その後全三部作とすることが決定され、第2作『FF7リバース』は2月29日に発売予定となっている。全三部作のうち第2作目発売の時点で、発表から10年近く経過しているかたちだ。
北瀬氏によれば『FF7』は大ボリュームかつ現代に蘇らせるにあたって困難を伴う作品であり、リメイクプロジェクトも「覚悟を決めて」発足されたという。同氏は、そんな『FF7』よりもボリュームが大きくキャラクター数も多い『FF6』を同じようなクオリティでリメイクするとすれば「『FF7』の倍以上かかる」と見ているそうだ。こちらも、もしリメイクするにしても大きな覚悟を決める必要があるようで、北瀬氏は「今は想像できない」と述べている。
このほか北瀬氏は『FF6』について、社内も含めてリメイクの要望多数あることについてふたたび言及。そうした声になかなか答えられず心苦しいとの想いを述べていた。『FF6』の物語は機械文明の存在するファンタジー世界のさまざまなロケーションを舞台に、複数のキャラクターの視点から描かれる。また物語の進行に応じて大きく世界の様相が変わるといった展開もあり、『FF7』リメイクプロジェクトのようなかたちでそうしたすべてをリメイクするのは膨大な開発リソースと困難を伴うのだろう。
なおインタビューでは北瀬氏および浜口氏により『FF7』リメイクプロジェクトに関するさまざまな開発秘話も日本語で明かされている。興味のある人はそちらもチェックしておくといいだろう。
『ファイナルファンタジーVIIリバース』はPS5向けに2月29日に発売予定だ。