Steam“何もしないゲーム”『Nothing』無料配信され好評博す。何もしないことを頑張るゲーム、だがそれがいい(のかも)

 

デベロッパーPixelattoは1月11日、『Nothing』の無料配信を開始した。何もしないだけのゲームであるにもかかわらず、やたら好評を博しているようだ。


『Nothing』は、何もしないことを目的とするゲームだ。ゲームを起動すると、「キーを押して“何もしない”を始める」と出る。キーを押せばゲームスタートだ。そこからカウントがスタートし、「何もしない時間」が計測されていく。逆にマウスカーソルを動かすことを含めて、PC上で何かをすると「何かしたので、何もしない時間を喪失した」とのやたら哲学的なメッセージが表示され、カウントはやり直しとなる。


「ただ何もしない時間を測る」というだけなのだが、Steamではやたらと高評価が集まっている。記事執筆時点では、1801件のレビューが集まっており、そのうち94%が好評の「非常には好評」ステータス。奇抜なテーマを面白がるユーザーも多いほか、ユーザーレビューでは「睡眠時間を測る」「セラピーに使っている」「禅としていい」などの声が寄せられており、それぞれがなぜか同ゲームに積極的に価値を見出しているようである。

アニメーションや演出などもなく、ただ文字が表示され時間を測るだけの『Nothing』。Steamでは無料配信ゲームは、無料で遊べるがゆえに高い評価が投じられやすい。そうした文脈を踏まえる必要はあるが、テーマが独特であることや、ある意味では期待どおりの体験ができることが好評につながっているようである。同時接続ユーザーもやたらと多く、SteamDBによれば記事執筆時点で377人のユーザーが本作をプレイしているようだ。それぞれ「何もしない」を頑張っているのだろう。


ちなみにSteamストアページのユーザータグは荒らされ気味。「精神的恐怖」「ヌード」「物語性」といったタグがつけられている。が、そうした要素をユーザーが頑張って見出す可能性はあるにせよ、ゲーム側がそうした要素を提供することはないので留意されたい。

ちなみに開発元のPixelattoは、100種類のエンディングが存在するメタ要素もあるアクションアドベンチャー『Reventure (レベンチャー)』などを手がけた実績あり。本作『Nothing』のリリース2日後に「何かをし続ける」ゲーム『Something』が1万円でSteamにてリリースしている。『Nothing』と対称となっているようだ。あるいは、『Nothing』は『Something』をリリースしやすいように作られたのかもしれない。


『Nothing』は、PC(Steam)にて無料配信中だ。