UbisoftがX(旧Twitter)上の広告を一時取り下げ。イーロン・マスク氏の“陰謀論支持発言”が波紋を広げるなか、Appleやディズニーなどに続き

 

Ubisoftは、X(旧Twitter)上での『アサシン クリード ネクサスVR』の広告を一時取りやめることを決定したという。イーロン・マスク氏の発言を発端とする騒動も関係していると見られる。海外メディアAxiosなどが報じている。


Ubisoftは11月17日に『アサシン クリード ネクサスVR』をMeta Quest向けにリリースした。本作は同じくUbisoftが手がける『アサシンクリード』シリーズのスピンオフ作品だ。プレイヤーは3つの異なる時代をそれぞれ3人のアサシンとなってアブスターゴ社の野望を阻止する。またプレイヤーは一人称視点でアサシンとして探索、戦闘をおこなうことができる。

UbisoftはX上に本作の広告を掲載していた。Xにはヘッドマウントディスプレイを着用し『アサシン クリード ネクサスVR』をプレイする人物を収めた動画が投稿されていた。投稿のインプレッションによると、1000万回ほど閲覧されたようだ。しかしAxiosの報道によると、Ubisoftはこの広告をXから取り下げたという。

*『アサシン クリード ネクサスVR』のビデオ広告
Image Credit: Axios

なおUbisoftだけでなく、直近ではAppleやディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーなどの大手企業がXでの広告を一時的に取り下げたことが伝えられている。そうした動きの発端と見られるのはXのCTO兼取締役を務めるイーロン・マスク氏の投稿だ。同氏は11月15日、X上で反ユダヤ主義的な陰謀論を支持する返信をおこなったとされ、ホワイトハウスなどから厳しい批判を受けた(Reuters)。

また海外のメディア監視団体Media Matters for America(以下、Media Matters)は「Xでは、AppleやIBMなどの広告が、ヒトラーやナチスを賛美するような反ユダヤ主義的な投稿と並んで表示されている」と主張。一連の騒動を受けてか、上述のように大手企業がX上の広告を一時取り下げるに至っている。対するX側のCEOであるLinda Yaccarino氏はMedia Mattersの報道を印象操作であると批判。Xは11月20日、Media Mattersを名誉棄損や業務妨害を理由に提訴している。


いずれにせよ、Ubisoftもイーロン氏の発言を巡る物議や他社の動向を受けて、掲載していた広告を取り下げることにしたようだ。同氏の発言は大きな騒動を巻き起こしており、ゲーム業界含めX上に広告を掲載する各企業の動向は今後も注目されるところだろう。