幽霊たちの物騒な物語ゲーム『ghostpia シーズンワン』Steam版8月22日配信へ。どこにも行けない少女たちの友情と暴力

 

room6は8月18日、『ghostpia シーズンワン』Steam版を8月22日に配信開始すると発表した。通常価格は税込2300円。2023年にNintendo Switch版がリリースされた本作が、Steamからもプレイ可能になる。


『ghostpia シーズンワン』は、どこにもいけない町で少女たちが繰り広げる、寂しさと暴力のデンシ・グラフィックノベルである。本作の舞台は自称・幽霊たちの暮らす、停滞した終着駅の町だ。町の広場には慰霊碑じみたミサイルが突き刺さり、周囲は雪に閉ざされている。そんな常夜の町で、変わらない幽霊たちが永い時間を過ごしていた。

本作のメインキャラクターである小夜子は、ほかの幽霊たちからニンジャとして恐れられる、町で一人だけの異邦人の少女だ。小夜子はかつて、故郷へ帰ろうとしていた。友人たちと共に、誰も越えたのことのない街を取り囲む雪の砂漠を越えようとしていた。それから時間の経ったある日、停滞していた幽霊の町へ、初めての新しい幽霊がやってくる。新人幽霊の来訪をきっかけに、小夜子は友人たちと再会。停滞した幽霊たちの町で、物騒な少女たちの物語が描かれていく。



小夜子たちの起こす騒動は、選択肢などの存在しないノベルゲームとして展開されていく。公称ジャンルはデンシ・グラフィックノベルとされているが、本作は基本的にはノベルゲーム形式となっている。テキストによる物語が、イラストやBGMなどと共に描かれるわけだ。

一方で、本作には選択肢やQTEといった要素が存在しておらず、1本のシナリオが展開される。プレスリリースによると、本作では選択肢などがない代わりに、シナリオを徹底的にブラッシュアップしているという。演出面も力が入れられており、アニメーションのような表現のシーンが存在するほか、ビデオ風の巻き戻し/早送り機能も搭載されている。本作では温かみのあるグラフィックやグリッチノイズに彩られた、1本のストーリーが描かているわけだ。また本作の幽霊たちは死んでも蘇るため、現代人と生死に対する考え方が異なる。夜に閉ざされた町の謎や少女たちの友情と共に、物騒な展開が描かれる点も特徴だろう。



本作を制作している超水道は、社会人4名による創作ユニットだ。過去作としては、スマートフォン向けに『森川空のルール』『佐倉ユウナの上京』などをリリースしている。また2014年からは『ghostpia』を展開。これまでに4話がブラウザ/スマートフォン向けなどとして公開されてきた。

本作『ghostpia シーズンワン』は、Nintendo Switch版が2023年3月に発売された作品だ。内容としては『ghostpia』の既存4話と、新規エピソードの第5話が収録。公開済みの4話までについても、テキストの改稿や演出のパワーアップなど、ブラッシュアップがおこなわれていた。『ghostpia シーズンワン』Steam版では、そんな本作がPC(Steam)でも遊べるようになるわけだ。なお『ghostpia』は二部作が予定されており、シーズンワンに続くシーズンツーで完結予定とされている。『ghostpia シーズンワン』の続きにも期待したい。


ghostpia シーズンワンSteam版は、通常価格税込2300円で8月22日発売予定だ。またSteamではリリースにあわせて、作中のアートやキャラクターデザインなどを収録した「ghostpia シーズンワン Artbook」と、オリジナルサウンドトラックもリリース予定となっている。


なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。