ゲーム向けセキュリティソリューション「Denuvo」国内販売代理店からの販売が開始。著作権侵害やチート行為を防止する技術

 

株式会社TechnoBlood eSportsは7月28日、Irdeto Inc.の子会社Denuvo社が開発したゲーム向け最先端セキュリティソリューション「Denuvo」について、日本国内の販売代理店契約を締結し、7月27日より販売を開始したと発表した。

TechnoBlood eSportsは東京都渋谷区に所在する企業で、eスポーツ大会の企画・運営からeスポーツ施設の立上げ、運営支援などのeスポーツ事業、およびPCカフェ向けコンテンツ事業を展開。また、ゲーム向けセキュリティ事業もおこなっており、国内で提供するセキュリティサービスのひとつとして今回Denuvoが加わることとなった。


Denuvoは、世界中の多くのAAAゲーム開発者と大手パブリッシャーが、ゲームの価値を保護するために実装。世界ナンバー1のアプリケーション保護および著作権侵害対策テクノロジープラットフォームであり、3億5000万を超えるソフトウェアライセンスが発行され、再検証されているとのこと。国内向けに販売されるソリューションは、「Denuvo Anti-Tamper」「Denuvo Anti-Cheat」「Denuvo Nintendo Switch Emulator Protection」の3つとなる。

「Denuvo Anti-Tamper」は、さまざまなセキュリティ対策を実装することで、ビデオゲームソフトウェアの無許可流通および使用を防止することを目的としたデジタル著作権管理テクノロジー(DRM)。この技術では、暗号化、難読化、およびデバッグ防止技術を組み合わせて採用し、ハッカーが保護されたコードを分析して変更することを困難にする。発表では、著作権侵害率が高いといわれる重要な初期リリース期間中にゲームを保護することが可能になるとアピールされている。

「Denuvo Anti-Cheat」は、オンラインマルチプレイヤーゲームにおける不正行為や不正プログラムと対抗するために使用されるソフトウェアソリューション。プレイヤーに不公平な条件を与えたり、ゲームプレイエクスペリエンスを妨害したりする可能性のある潜在的に悪意のある挙動を監視・検出し、公平なプレイを保証し、競争力のあるゲーム環境の完全性が維持されるよう設計されているとのこと。具体的には、エイムボット、ウォールハック、スピードハック、その他の形式の不正行為を特定できるという。

「Denuvo Nintendo Switch Emulator Protection」は、Nintendo Switchで発売されるゲームを著作権侵害から保護し、収益と著作権を保護するためのテクノロジー。PCでの不正なエミュレーションをブロックしながらNintendo Switchでの著作権侵害を防止することで、メーカーは収益化に関してもっとも重要な期間であるゲームローンチ時の収益を増やすことができるとのこと。


Denuvoのソリューションは、すでに日本でも大手メーカーのタイトルを中心に採用実績がある。Irdeto Inc.のビデオゲーム部門最高執行責任者Steve Huin氏は、「この度のパートナーシップによって、Denuvoがより多くの日本のゲームメーカーやパブリッシャーと出会い、我々のセキュリティを提案できる強力なチャンネルを提供することが可能になりました」とコメントしており、国内の導入企業をさらに増やしていきたい考えのようだ。

ちなみにDenuvoというと、特に「Denuvo Anti-Tamper」についてPCゲーマーの間ではしばしば議論になることがある。同技術が導入されたタイトルではパフォーマンスが低下すると指摘されたり、逆にパフォーマンスへの影響は軽微だとする検証結果が出されたり。また過去には、多数の導入タイトルが一時起動不可となり、Denuvo側のネットワーク障害により認証できなくなったことが原因ではないかと疑われたこともあった(関連記事)。

このようにゲーマーからは必ずしも歓迎されていない側面があるためか、今回の発表でも触れられている“初期リリース期間”を過ぎた後には、同技術が削除されるタイトルも少なくない。とはいえ採用タイトルは依然として多く、同技術のセキュリティ対策についてはメーカーから信頼されているようだ。

TechnoBlood eSportsが国内向けに販売する「Denuvo」の各セキュリティソリューションについての資料請求や問い合わせについては、同社公式サイトを確認してほしい。